最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由 作:でかそう
なぜ俺が王都に居るのかをミルク……クルミ達に説明する。
クルミもアイスも神妙な顔で俺の説明を聞いていたが……説明が終わるころにはクルミの表情が非常に険しいものになっていた。
「なにそれ!?じゃあコウは今、保護者が居ないって事でしょ!?それって……大丈夫なの!?」
そう言ってクルミが詰め寄ってくるが、君もセントラリアでアイドルしてた時保護者居なかったでしょーが!!
まぁとにかく、ミリヤ達はそのうち戻ってくると思うし、ソフィアという友達もいるし、一応ホズムさんという大人の知り合いもいるし……何より今は、シスタさんのお父さんが俺達の保護者変わりになってくれているので大丈夫!!っと答えると、クルミは渋々納得してくれたみたいだ。
「それにしても……あんた相変わらず大変な目にあってんのね?しかも今は王都で学生か……。なんかもう勇者様達の仲間を辞めて、本当にアイドルやんなさいよ?元々続ける気だったんだし」
「あ……あはは。体は治ったって言っても、まだまだ万全じゃ無いし……(多分)。今グループに戻っても、皆に迷惑かけちゃうよ……」
苦笑いしつつ、やんわりとクルミのお誘いを断るのだが……そんな俺に今度はアイスが笑顔で言った。
「大丈夫!!私も病み上がりでも何とかなったし、私より才能あるコウちゃんなら直ぐに感を取り戻せるよ!!だから……せめて王都でのパフォーマンスだけでも一緒にやろうよ!!」
「そうよ!ここで逢えたのって多分運命なのよ!!だから……悪いけど、あんたに拒否権無いんだからね!?そもそもセントラルステージの時に、勝手に私をセンターに押し上げて、大変な目に合わせたの……まだ根にもってるんだからね!!?」
「え……ええええ」
アイスの言葉にクルミも同意し、俺に詰め寄ってくる。
俺はその二人の圧に負けそうになりながら……何とか断ろうと言葉を必死に絞り出そうとしていると、そんな俺達を見かねたのかシスタさんが口を挟んだ。
「二人とも落ち着いて?コウちゃんが困ってるわ?それに……結構目立ってるわよ?」
その言葉に、二人はハッとなって少し冷静さを取り戻したのか、俺から少し離れる。
シスタさん……!!ありがとう……!!
後はこのまま、王都でのパフォーマンスを俺も参加しない形で話を纏めれれば……!!
「コウちゃんが今回でのライブに参加出来る様に、私もお父様に相談してみるわ!!何を隠そう、私は学園長の娘で、学園でのライブの実行委員でもあるの!!だから……三人とも私に任せて!?絶対にライブにコウちゃんを参加できるようにしてみせる!!」
おおい!!?何言っちゃってんのこの人!!?
普通にこの人もそっち側だったの!!?俺のさっきの感動返して!!?
「シスタさん……!!ありがとうございます!!私達も今から社長に相談してみます!!」
「うんうん!!楽しみにしてるわ!クルミちゃん!!必ずコウちゃんを王都のステージで復活させてみせましょうね!!」
「「はい!!」」
シスタさんの言葉に、クルミとアイスが嬉しそうに返事するが……当事者無視して話進めるの、辞めてくんないかな!?
だが、そんな俺を余所に完全に盛り上がってる三人に、俺は口を挟むタイミングを完全に失っているのであった……。
◆
その後、クルミとアイスと少し話した後、二人は社長のカノンさんへ報告しに行くと言って去って行ってしまった。
俺としては後の頼みの綱はカノンさんなので、彼女にはこの話を断ってほしいのだが……多分無理なんだろーなー。あの人サプライズとか大好きだし。
クルミ達と別れ、改めてシスタさんとデートを楽しみながら、俺は心の中で諦めのため息をつく。
こうなってしまった以上しゃーない。……久々にスイッチ入れるか。
俺は心の奥にしまい込んだ、無敵のアイドルモードのスイッチを何時でも押せる準備をしておく。
まぁさっきは嫌がってたけど……久々にクルミ達に逢えた事は俺も嬉しかったし、また皆とライブすることだって本当に嫌!!って訳では無いので……あとはなるようになるだろう!!
だが……学園でのライブまであと二週間もある。
これは俺の感なのだが……恐らくこの二週間、穏やかに過ぎる事は無いだろう。
何故ならシスタさんを襲った忍者や黒騎士B達の正体はまだ分かっていないし、何より気になるのがカーンも所属する聖王騎士団だ。
何故か解らないが……俺は彼らがこのまま大人しくしているとは思えないのだ。
この二週間で必ず事件は起きる。
そしてそのせいで俺は恐らく学園でのライブをする事は……残念ながら出来ないのだ……。楽しみにしてくれているシスタさんやクルミ達には悪いが……。
そしてこういった時の俺の感は……大体外れる事はないのである………。
◆
その後二週間、何事も無く穏やかに過ぎ、いよいよ学園でのライブ当日となった。
…………いやいやいやいや!!何も事件おきないんかーい!!!
なにそれ!!?そんな事ある!!?
あれだけ謎とか伏線とか、新しい敵組織っぽいのとか出といて、何事も無く穏やかに過ぎんの!!?
思わせぶりに、何か起きる(キリッ)ってなってた俺がめっちゃ馬鹿みたいじゃん!!?
何やってるの!!?忍者とか忍者とか忍者とか!!!
壮大に感外しちゃったよ!!恥ずかしすぎる!!!
あの後シスタさんは学園長に、クルミ達はカノン社長に、俺の学園でのライブ参加の許可を取りにいって……特に反対も無く、二人とも快く承諾してくれた。
なので俺はこの二週間、学業はお休みして
それには社長のカノンさんも加わって、暫く俺は身動き取れなったぐらいだ!!
でも、こうして皆に温かく迎え入れられて、俺も内心めっちゃ嬉しかった!!
やっぱり心のどこかでセントラルステージを最後まで皆で歌い切れなった事が心残りだったんだと思う。
だから……こうして皆と一緒に歌う事が出来るのは、俺自身嬉しい事なのだ!!
そして久々に皆とライブのレッスンをした訳なのだが……二カ月の俺のブランクは思った以上だった。
何故なら体が前みたいに動かない。
思った通りに体が動かない事に、俺は苛立ちを感じながらも……それでも周りの皆のサポートのお陰で、本番四日前ぐらいには、以前と同じぐらいには動ける様になってはいた。
だが……やはり落ちてしまった体力は殆ど戻ってはいなかった。
元々無いスタミナだったが、一度更に落ちてしまった事もあって、今の俺は一曲歌い切るのがマジで限界だった。
でも……それでも何とか本番前ぐらいには、二曲ぐらいなら何とかなりそうになっていたので、俺は最後の二曲だけライブに参加する事になった。
その二曲は、俺が得意とする『ルミナス・コード』と、俺がセントラルステージで歌う事が出来なかった『ミラージュ・ハート』という曲だ!
今回王都でのライブは、全八曲披露するため、最後にこの二曲を持ってきてもらって……サプライズで俺が登場する!!っという作戦になったのだ!!
こうして久々に血反吐吐くような練習を繰り返して……俺は本番に臨むのであった!!
◆
「コウ……またあんたと一緒にライブ出来るの……本当に嬉しんだからね!!だから……最後の二曲、センターは……任せたわよ!!」
「クルミ……!!……うん!!任せて!!私もまたクルミと一緒に歌えて、嬉しいよ!!」
「コウちゃん!!最高のライブ、楽しもうね!!!」
「はい!!アイスさん!!」
舞台裏で、クルミやアイスの言葉に俺のボルテージも上がってくる!
もう完全に意識を無敵のアイドルモードに切り替えた俺は……今、本番前の緊張を楽しんでいた!!
……そういやセントラルステージで最後にアイドルモードになった後、もう無敵のアイドルモードにはなれないかなー……なんて思ってたけど、案外あっさり切り替え出来たな……。
まぁこの二週間の地獄の特訓で、無敵のアイドルモードも復活したのかも!!
そして、そんな風にお互い言葉を掛け合っている俺達メンバーに、満足そうな表情でカノンさんは言った。
「ふふ。コウも戻って来て皆のテンションも更に上がったわね!!さぁ皆!!今度こそ最強の
「「「「「「はい!!!」」」」」」
カノンさんの激励を受けて、俺達のボルテージも最高潮だ!!
そんな皆を、リーダーのラビルは満足そうに見回して頷くと、口を開いた!
「よーーし!!コウも含めた本当の最強の私達で!!皆を魅了しちゃうよ!!行くよーーー!!Twinkle~~~~GoGo!!!」
その掛け声と共に、俺を残してメンバーがステージへと駆けて行く!!
俺もこの後最後の二曲の為、ステージ裏で皆を見守りながら、心と体を整えるのだった……!!
………でも、やっぱり一言言わせて?
結局事件起きないのやっぱりおかしいだろ(不謹慎)!!!?