最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由   作:でかそう

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第189話

 ルーカスの父親は後でボコるとして、俺が白銀の(エンシェント)ドラゴンだとしても、一体何ができるというのだろうか?

 

「とにかく……コウちゃんは白銀の(エンシェント)ドラゴンだから……多分宰相に会うことも出来ると思うんだ!」

「なるほど……一応コウは神様という事なら、宰相と面会も出来るかも知れないと言う事ですか……」

「ああ。正直どんな風の吹き回しだって言われるかもしれないけど……俺は……変わりたいんだ!……はは、黒騎士に顔面殴られて、目が覚めたのかな?……だから……シスタ先生を助けたい……!」

 

 握りこぶしを作って震える様に声を出すルーカス。

 その気持ちはご立派だけど……しょーじき俺が白銀の(エンシェント)ドラゴンだからって、そんな意味あんのかなー?なんの影響力もなさそう!

 

 だって白銀の(エンシェント)ドラゴンって知られても奴隷になるくらいだしね!!しょーじきこの名前になんも意味ないっていうか、それが原因で碌な目にあって無い気もする。

 

 でも……めっちゃいい事聞けたな!!

 今シスタさんはパイモン宰相って人の所にいるんだ!!

 

 なら……ルーカスには悪いけど、ここは適当に話を合わせといて……後で黒騎士に変身して、シスタさんの様子を見に行こうかな?……なんて考えてると……。

 

「なら!!私達も行くよ!!ね!!ソフィ!!」

「うん。コウが行くなら私もついて行く」

「私達も行くよ!!だってコウは阿保だし、危なっかしいしね!!」

「やれやれ……まぁルーカス君と一緒にいけるなら、役得かなぁ?」

 

 物陰に隠れていたソフィア達が姿を現す。

 

「な!!あ……貴女達!!盗み聞きですか!?」

 

 そんなソフィア達にティファが驚いて声を上げるが……そんなティファなど、どこ吹く風と涼しい表情をして、ソフィアは答えた。

 

「当たり前でしょ?その男……れ……れ………「ルーカスね?」そうそれ……レークスは「ルーカスね?」……は、コウを傷つけたんだよ?そんな男と二人っきり「ティファもいたけどね?」……に、させる訳にはいかないでしょ?」

 

 所々アンナの合いの手を入れながらも、ソフィアがドヤって感じで言い切ると、それに合わせてナーサも声を上げた。

 

「あたしたちもコウとティファだけをルーカス君と一緒に行かせる訳ないっしょ?前コウにも言ったけど……ルーカス君と一緒に居れる権利は交代制なんだからね?」

 

 そう言ってニヤリと笑うナーサ。

 多分だけど……これはナーサなりに俺達を心配して、気を使ったんだろうな。

 

 そんな皆にティファはため息をつき……やれやれと首を振った。

 

「はぁ……。どうしますか?ルーカス君。皆こう言ってますけど……」

「……正直俺の口から言うのは可笑しい話だけど、もしかしたら……今から行く所は危険かもしれないんだ……。だから、他の奴らを巻き込む気は無かったんだけど……。ほんとどの口がって話だけどね?」

「……本当ですね?その言い草だと、私とコウは巻き込んでも良かったんですか?」

 

 ジト目でルーカスを睨むティファに、ルーカスは苦笑いして頬をかく。

 

「いや……そういう訳では……。…でも……はは!ここまで来たら皆で行こうか!……でも一応最後に確認だ……。本当に危険かもしれないけど……それでもいいのかい?」

 

 そんなルーカスの言葉に、ティファはニヤリと笑い言った。

 

「ここまで来てじゃあやめますなんて言えません。……アンナ達はどうしますか?」

 

「もっちろん!!蚊帳の外なんてごめんだよ!!」

「コウが行くなら私は当然行く」

「行くに決まってんでしょぉ?ティファはいいとして……マジでコウってほっとくとやばそうだしね!!突拍子もない事するし!!」

「ふふ。ルーカス君と王宮デートなんて……素敵だわ!!」

 

 皆口々に同意の言葉を口にする。

 ……あ!因みにさっきからルーカスとデートとか、ルーカスと一緒に入れたら役得とか言ってるのは、ナーサの友達のライラだ。

 

 そんな皆にルーカスはまたやれやれと肩を竦めると……表情を引き締めて言った。

 

「分かった。では行こう!!……行動は早い方がいいから……今すぐに……ね!ティファをサボらすのは忍びないけどさ!」

 

 そう言ってニヤッと笑うルーカス。

 そんなルーカスの冗談に、ティファはフッと笑い、そして皆も笑顔を作って頷く。

 

「よーーし!!じゃあ皆で、シスタ先生を助けに行こーーー!!!」

 

 そう言ってアンナが拳を高く突き上げると、皆も(ソフィ以外)合わせて腕を上げるが……皆ちょっと俺のこと忘れてない?

 ていうか俺に拒否権無いの??誰も俺は行くのかって聞いてくれなかったけど、俺は行く事もう決定してるの??自動的なの??

 

 もう行く気満々の皆に、じゃ、俺は帰りますって言えない雰囲気になってしまい、俺は一人壮大にため息をつくのであった……。

 

◆

 

 んで、ルーカスの先導のもと、警備隊に見つからない様に(補導されちゃうから)隠れつつ、お城まで来た訳なのだが……ここからどうするんだろ?

 

 俺が城の前に出て、白銀の(エンシェント)ドラゴンが来たぞ、門をあけよーー!!っとでも言えばいいのかな?……絶対に開けてくれないだろうけどな!!!

 

 なんて思っていると……何時の間にか俺達は、軽装鎧を着た男達に取り囲まれていた。……この人たちは、城の騎士さん達なのかぁ?

 

 なんて吞気に思っていると……その中の一人に見覚えのある奴がいた。

 

「はは!!また会ったなぁ……ティファちゃん!!」

「な!!……カーンさん!?る……ルーカス君!!?こ……これは……!!?」

 

 ティファが男達の中に、カーンがいることに驚き声を上げると、ルーカスは少し申し訳なさそうな顔をして答えた。

 

「ごめんね……ティファ……。でも……ティファを助けるには………これしかなかったんだ……」

「は!!?私の為!!?まさか……さっきの話は嘘だったんですか!!!?」

「いや……嘘じゃない。シスタ先生がパイモン様と一緒に居る事は本当だよ」

 

 じりじりとルーカスから距離を取るティファに、ルーカスは一気に近づきその手を取って言葉を続けた。

 

「パイモン様が今朝家を訪ねてきてね。……生贄が必要みたいだから……シスタ先生と仲の良い生徒を連れて来いって言われたんだ」

 

「きゃ!!」

「や……やめて!!?」

 

 ルーカスの言葉に合わせて、カーン率いる男達がアンナやナーサ達を拘束していく。

 

「あのクラスでシスタ先生と仲が良いのは……正直コウちゃんやティファだからね。でも……ティファだけは許してくれないかって、パイモン様に頼んだんだ……。そしたら……コウちゃんを連れてくれば、ティファは許してくれるって……!!だから……!!!」

「わ……私を助ける為にコウを……!?ふ……ふざけないで下さい!!!」

「他の生徒達は余計だったけど、生贄は多い方がいいよね!?そしたら、それだけ君が助かるんだから!!ティファ!!!」

 

 ルーカスは元々おかしな奴だったけど、ここまでじゃ無かった様な……。いや?こんなもんだったっけ??

 

 まぁどちらにしろ絶体絶命の大ピンチだ!

 ここは何時も、俺のカバンの中で待機してもらってるキーちゃんの出番かな!?

 

「ぎゃぁ!!!」

「ぐおお!!?」

「いっぎゃ!!?」

 

 なんて思い、カバンを開けようとした時、突如突風が吹きアンナ達を拘束していた男達を吹き飛ばす!!

 

 ……これは!!

 

「はぁ……。何のつもりかしらないけど、コウを傷つけるつもりなら……私は容赦しない……。死んで後悔して」

 

 手をかざし、風の魔法で男達を吹き飛ばしたソフィアが、そう言ってのけるのだった!!

 

 ソフィアさんカッコイイ!!!

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