最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由   作:でかそう

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第192話

 聖王様を訪ねて聖王協会へと到着した後、受付(?)の人に、聖王様呼んでくれー!!コウって言ったら分かると思うー、って頼みこんでようやく聖王様を呼んでもらえた。

 

 文章にしたら簡単だけど……それはそれは本当に大変だったのだ!!

 最初は、今日は昨日のゴタゴタで忙しいからって門前払いされそうになって、それでもお願いしますって頼んだら「君達は学生だよね?なんで学生がこんな昼間から出歩いてるんだい?……悪いけど、あんまりしつこい様だと、学園に連絡させてもらうよ…?ここには連絡用の魔道具を置いてるからね……」っと、めっちゃ睨んで言われちゃった!!

 

 それでもどうにか俺の名前を聖王様に伝えてくれ!!それでダメなら諦めて帰る!!って説得して、何とか聖王様に取り次いでもらったのだ!!

 

 聖王様を呼んでもらって、会えたわけだけど……未だに受付(?)の人が疑わしげに俺達睨んでるし、本当に大変だったのだ!!

 

 それもこれも……一緒について来てくれなかったホズムさんが悪い!!っていうか、正確には訪ねたら留守だったんだけど!!

 ホテルの人に聞いたら、もうここ数日ホズムさんはホテルに戻って来ていないらしい……。

 

 うーーん。

 正直ちょっと気になるけど……まぁホズムさんなら……大丈夫……なのかなぁ?

 でも……まぁ、今はホズムさんにまで手が回らないので、大丈夫って事にしとこうと思います!!ゴメンね!!ホズムさん!!

 

 んで、こうして聖王様にお会い出来た訳だが……聖王様は、俺を見るなり深く深くお辞儀して言った。

 

「本日はお越しいただきありがとうございます。私が……聖王の、ヨハネ・バウエルです。よろしくお願い致します」

 

 隣にいた騎士さんも一緒にお辞儀すると、受付(?)の人は慌てふためいて口を開いた。

 

「聖王様!!!?な……何をされているんですか!!?相手は学生ですよ!!?レグロス様まで!!!な……どうして!!?」

 

 そんな慌てる受付(?)の人を、隣の騎士さんが睨んで言う。

 

「下がれ。今から我々はこの方とお話する故……聖堂には誰も立ち入らせるな。……いいな?」

「は……はいぃぃ!!」

 

 ……受付(?)の人は自分の仕事をしてただけなのに、なんか怒られるような感じになって……正直申し訳ないと思う。

 

 俺は聖王様に案内されながら、受付(?)の人にお詫びも兼ねてペコリとお辞儀すると、受付(?)の人は頬をひくつかせて冷や汗をかいているのだった……。……なんか本当にごめんね?

 

◆

 

 その後俺達は、聖堂と言われためっちゃ広く豪華な場所へ案内された。

 

 多分ここは、普段聖王様が講演とか行う場所なんだろうけど……そんな広い空間のステージ(?)の上に俺達は案内され、そこに椅子を用意される。

 

 促されるまま俺達はその椅子に座ると、聖王様と騎士さんは俺達に対峙する様に椅子を用意して着席した。

 

「……さて、改めまして、私が聖王のヨハネ・バウエルです。本日はお越しくださり、誠に感謝しております……コウ様」

「聖王騎士団第一席・レグロスと申します。……貴女のお母上には大変お世話になりました」

 

 二人はまた俺にめっちゃ深く頭を下げてくるが……正直やめてほしい。だってそんな二人を見て、ティファ達がめっちゃ混乱してるのか、目を白黒させてるんだもん。……君ら一応俺が白銀の(エンシェント)ドラゴンだってルーカスから聞いてたよね?……さては全然信じてなかったな?

 

 でも確かにこの状況は俺的にもあんまり嬉しくない状況だ。

 だってこんなに敬ってもらうのって初めてだし、どうしていいのか分かんない!! 

 

 なので、俺は慌てて二人に言う。

 

「私はコウです!突然押しかけてすみません!お二人とも顔を上げて下さい!」

 

 俺が必死にそう言うと、ようやく二人は顔を上げてくれたが……よくよく考えたら、この二人俺が白銀の(エンシェント)ドラゴンだって知ってるって事だよね?こんなに敬ってくれるって事は。

 

 俺はてっきり昨日夜、黒騎士の状態で聖王様に、コウって小娘が訪ねてくるから相手してやってくれ……って言ったから会ってくれたんだと思ってたけど……もしかしてその前から俺が白銀の(エンシェント)ドラゴンだって知ってたのかな??

 

 だとしたらそれはそれで不味い気もするけど……まぁ今は一旦その事は置いとこう!!……ていうか、昨日半信半疑だったけど、やっぱりこのおじいさんが聖王様だったな!!

 

「えっ……と、実は聖王様に折り入ってご相談がありまして……。あと、色々お聞きしたい事があって、訪ねたんですけど……」

 

 おずおずと俺が切り出すと、聖王様はめっちゃ驚いた顔をしてポツリと言葉を漏らした。

 

「コウ様は……我々を断罪されに来たのでは……無いのですか……?」

 

 なんでやねん!!

 

 そりゃ確かに聖王協会は碌な組織じゃないと思うよ!?

 シスタさん襲ったり、カーンがティファ攫ったのを見て見ぬふりしたり!!

 

 でもそれを俺が此処で責めて何になるんだ??ていうか、その事俺が知ってるってなったら、間接的に俺が黒騎士だってバレちゃうかもじゃん!!だって両方とも関わったのって、結局黒騎士なんだから!!

 

 俺は何も知らない学生なんですーーー!!一応!!

 

 ……黒騎士の言葉通りこうして聖王様訪ねた訳だから、結局黒騎士の関係者だという事になっちゃうけど……まぁそこは無視!!一旦置いとく!!なんか一旦置いとくものが多くて、そろそろ棚がやばい気がするけど……置いとくのだ!!

 

「私に貴方達を責める権利なんてありませんよ?私はただ……さっきも言った通り、貴方達に聞きたいことがあって訪ねただけです」

「………………貴女は我々の罪を…………お知りにならない訳ではないでしょう………。だというのに………我々を………お許しに………なるのですか………?私達は……」

「えっと、あの、罪と言われましても……」

「……私達は数えきれない罪を犯しました……。白銀の(エンシェント)ドラゴン様にこうして顔向けできない様な……多くの罪を……」

「………」

 

 うがーーー!!めんどくせーーーー!!!

 何だこのバットコミュニケーション!!?話が進まないんだよ、こっち一応急いでんだよ!!?

 

 許す許さないじゃ無くて、聞きたいことがあって訪ねたって言ってんだから、その話一旦置いといてもらっていい??それとも、断罪だのなんだのしないと納得してくれないの!?

 

 だったらお望み通り断罪してやらぁ!!!それで満足するんでしょ!!?

 

 

 ………後で思うと……昨日の疲れと言うか、未だに諸々の疲れが取れていない俺はこの時……多分変なテンションになってたんだと思う。

 つまり……これ後で絶対寝る時思い出して、布団で足バタバタするやつ。

 

 俺はガバッと椅子から立ち上がると、突然立ち上がった俺を見て驚くティファ達を無視して聖王様達に向かって声を上げた。

 

「分かりました!!そんなに怒ってほしいならそうします!!」

「エ……白銀の(エンシェント)ドラゴンさま……」

「説明も無く女性を襲うなんて、騎士としてどうなんですか!!?どんな大層な理由があろうとも、襲われた女性がその事を知らなければただの暴漢です!!それに、末端の騎士の教育はどうなってるんですか!?私の友人は、貴方達聖王騎士協会の人間に攫われて、あわや貞操の危機だったんですよ!!?」

「コウ!!?ちょ……何言ってるんですか!!?」

 

 ティファが制止の声を上げるが……変なテンションの俺は止まらない!!

 

「聖王騎士協会なんて大層な肩書きがあるんだったら、まずはその肩書きに見合う働きをして下さい!!私がこの街に来て見た貴方達聖王騎士協会は、やってる事がただの犯罪者集団なんですよ!!!何がしたいんですか!!!?」

 

 俺はそう言ってのけると、バーーン!!って効果音がしそうな感じで、聖王様に指をびしっと突きつけるのであった!!!

 

 ……俺こんなに人に向かって声上げるの、こっちの世界に転生して初めてかも。……アイドルとして歌ってる時以外で。

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