最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由   作:でかそう

201 / 201
第198話

 俺は今、シスタさんに会う為に、王城の前に立っていた。

 当然俺一人では無く、一緒に聖王様と騎士のレグロスさん……そして絶対に着いてくると言って聞かなかったソフィアも一緒だ。

 

 因みにティファ達は他の騎士の人達と、聖王協会で待ってて貰ってます!

 ホントは皆(ライラを除く)もついて来たいって言ってたけど……今から宰相に会うのに、あんまり大勢で行っても迷惑だろうと騎士さんに言われ……渋々引き下がってくれた。

 

「……コウ様……。先程の話……本当なのですか……?」

 

 聖王様が門番に話してくれるそうなので、それを待っていると……レグロスさんが俺に声を掛けた。

 レグロスさんの言う先程の話というのは……俺が、聖王様達にシスタさんに会いたいと言った後、俺の知り合いならばシスタさんに取り憑いている邪神を引き剥がせるかも知れない!!と、聖王様に言った事だと思う。

 その言葉に聖王様とレグロスさんは目を見開き、しばらく呆然としてたけど……それだけショックだったのかもしれない。

 

「絶対……とまでは言いませんけど、多分出来ると思います!」

「……そうですか………。ならばやはり……私のやってきたことは、間違いだったのですね………。もっと早くに、コウ様を……白銀の(エンシェント)ドラゴン様を頼ればよかったか……」

 

 レグロスさんはそう言って、自嘲気味に笑う。

 まぁレグロスさんの言う通り、もっと早くに色々打ち明けてくれればもっと話がスムーズになったとは思うけど……正直俺がこの街に来たのは、レグロスさん達がシスタさん以外のモンルミエールの人達を皆殺しにした後なので、結局、被害の大きさとしてはそんなに変わらなかったと思う。

 

 でもレグロスさんが言いたい事は、そういうことじゃ無いんだろうな……。

 

「……申し訳ありません……。今更感傷に浸るなど、そんな権利私には無いというのに……」

「………レグロスさん………」

「ほんとにそうだね?」

 

 容赦ない事を言うソフィアは置いといて、流石の俺もそこまで言う事は出来ない。

 だってレグロスさんだって一応国を想っての事だったのだろうし……例えそのやり方が間違っていたとしても、それを俺が責める権利なんてないと思うのだ。

 

 さてどうしたものか……。

 

「ぐうう!!?」

 

 そう思い、なんてレグロスさんに声を掛けようかと思い悩んでいると……突如レグロスさんが胸を押さえて膝を折ってしまった!!これって……昨日の夜、聖王様も同じ症状になったやつじゃない!?つまり……何者かの呪い!?

 

「レグロスさん!!」

 

 俺は急いでレグロスさんに回復魔法をかけようとして……いつの間にか、男達に取り囲まれている事に気付いた。

 

「ははは!!まさか戻ってくるとはねぇ……!!そんなに俺に捕まりたかったのかい!?」

「………ごめんね?コウちゃん……。でも君を連れて行かないと、ティファが危ないんだ……!!」

 

 俺達を取り囲んでいたのは、まぁ予想通りカーンとルーカス率いる男達だった!!

 

 こいつら……貴族とは言え、よくもまあ王城の前で人を取り囲めるよ……。ある意味凄くない??

 

 ルーカス達のあんまりのチンピラ行動に、逆に感心してしまうが……今はそれ所じゃ無かったな!!

 俺は直ぐにソフィアに向き直り、彼らを倒してもらうよう言おうとして……

 

「コウ!!?」

「キーーー!!?」

 

 ソフィアと、俺の鞄の中から出ていたキーちゃんの悲痛な叫び声と共に、いきなり俺の身体が地面へと押し伏せられてしまった!!な……なんで!!?

 

 慌てて自分の状態を確認すると、なんと俺はレグロスさんに取り押さえられていたのである!!

 

「レ……グロス……さん!?な……何を……!?」

「………私は……お前を…………」

 

 何とかレグロスさんに声を掛けるが……レグロスさんはどう見ても正気じゃないように、虚ろな目をしている!!聖王様にも掛けられてた呪いだけど、この呪いってほっとくとこうなったんだ!?つまり……何者かに操られる類の呪いだったんだな!?

 

 てゆーかこの状況どうしよう!!?

 

「うぐわ!?」

「うわ!!?だ……団長!?!」

 

 って思った瞬間、俺を取り押さえていたレグロスさんがカーン目掛けてぶっ飛ばされた!!んで、男二人がもつれる様に絡み合って一緒にぶっ飛んでいく!!こ……これは!!

 

「コウ!!大丈夫!?」

「ソフィ!!ありがとう!!」

 

 レグロスさんをぶっ飛ばしたのは、俺の思った通りソフィアだった。

 

 俺はソフィアに礼を言うと、キーちゃんへと目線を移す!!するとキーちゃんはすぐに俺の意図を察して周りに煙幕を張ってくれる!!……これで!!!

 

「そんなに何度も同じ手を……食らう訳ないだろ!!?」

 

 だが、そんなキーちゃんの煙幕は、ルーカスの声と共にかき消されてしまった!!

 

「霧を晴らす魔法の応用さ!!こういう煙幕だって晴らすことが出来る!!さぁコウちゃん!!大人しく「お前達に捕まる訳無いでしょ?」…!!!」

 

 ルーカスの言葉をかぶせる様にソフィアが否定すると、突如ソフィアを中心として竜巻の様な突風が渦巻いて行く!!

 

「さっきはティファ達が邪魔で使えなかったけど、今はコウもキーちゃんも私のすぐ傍にいるし……手加減の必要無いよね?ルークス(?)だっけ?ティファの恋人(違う)だからさっきは少し手加減してあげたけど……お前は二度もコウを狙った。だから……三度目は無いよ……このまま纏めて死んで?……『颶風(ハリケーン)』」

 

 竜巻の風はどんどんその速度を上げていき、ルーカス達は立っているのもやっとの状態になる。

 

「ぎゃぁ!!?痛い!!?」

「あぎぃ!!?あ!!さ……刺さった!?」

「鎧を貫通して!?ああああ!?脇腹にぃ!!?」

 

 そして……風は木を、石を……あと風速でぺしゃんこになった馬車(馬は無事だよ!風に巻き込まれない様に確保済!!)を粉々にして、その瓦礫は矢と化して男達を襲っていく!!

 あまりの風速のせいで逃げ惑う事も出来ない男達は、その矢と化した瓦礫や石に成すすべもなく蹂躙されていき……見るも無残な姿になってしまった!!

 

「ひ…ひええぇ」

「キー……!」

「ぶるひひ……」

 

 そんな地獄の竜巻の中心で、俺とキーちゃん(と馬)はその光景を震えながら見守るしかないのであった……!!……ソフィアこっわ!!!

 

 

「さ……綺麗に片付いたね?コウ。……じゃあ、今度こそ行こっか?……先にいったおじいちゃん(聖王様)も帰ってこないし……もしかしたら中で何かあったのかもしれないから、急いだほうがいいかもね?」

「う……うん……」

 

 そう言って朗らかに笑うソフィアだが……その周りは……阿鼻叫喚です……。

 辛うじてうめき声を上げる男達もいれば……なんか完全に沈黙しちゃってる奴もいるが……ともかく誰も彼も見るも無残な状況だ。

 

 そんな状況などお構いなしに、ソフィアは俺に手を差し伸べて言葉を続ける。

 

「どうしたの?……コウ。……あ!……大丈夫!この周りの連中は完全に無力化したから!……でも、万が一コウが不安なら……生きてる奴のトドメぐらい刺しとく?」

「行こう!!ソフィ!!シスタさんと聖王様が心配だよ!!」

「キー……」

 

 俺は慌ててソフィアの手を取ると、急いで王城へと足を進めるのであった!!

 

 ……心の中で、ソフィアには逆らわないようにしよっ……と、胸に刻みながら……!!!

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

強化人間がTSしたら魔法少女が戦う世界でメカ美少女になってました(作者:ユーラ@Yura0628)(オリジナル現代/冒険・バトル)

ミサイルの爆発に巻き込まれた強化人間イーグル1。目覚めた先は、魔法少女が戦う過去の地球だった…!▼自身の体が女性に成っている事に困惑しつつ、元の世界に戻るため、イーグル1は魔法少女として戦う事の対価に、この世界の組織に協力を取り付ける。だが、襲いくる強力な魔獣を相手していく上で、身体的損傷を許さざるを得ない状況に追い込まれ…彼女に救われた魔法少女達は、目から…


総合評価:2127/評価:8.5/連載:37話/更新日時:2026年05月09日(土) 11:11 小説情報

【本編完結】TS魔法少女は光堕ちしたい!!(作者:布団から出られない)(オリジナル現代/冒険・バトル)

魔法少女モノが大好きな広井大介(ひろいだいすけ)は、とある魔法少女アニメの敵が光堕ちする回を見て尊死し、魔法少女の存在する世界に、光千夜(ひかりちよ)として転生を果たした!と思ったら悪の組織に拉致されて流れで悪の魔法少女をやることに!?▼「これ、光堕ちするチャンスじゃね!?」そして千夜は、悪役魔法少女ロールプレイを開始することにする。全ては、最高の光堕ちのた…


総合評価:8249/評価:8.04/完結:177話/更新日時:2026年09月01日(火) 19:01 小説情報

ソシャゲの序盤で死ぬヒロインにTS転生したけど、とりあえず主人公くんをいじりたい(作者:あまぐりムリーパー)(オリジナル現代/ノンジャンル)

 明上ユーリは転生者。ソーシャルゲームであるラスト・インヘリタンス――通称ランヘリの世界にTS転生してしまった。▼ ランヘリでの役割は、序盤で死ぬタイプのヒロイン。そんな立場になったんだからどうしよう……とかではなく。▼ そんなことよりも、主人公くんをいじり倒したい!!!▼※カクヨム、小説家になろうにも投稿始めました▼一章完結済み▼二章完結済み


総合評価:5156/評価:8.65/完結:60話/更新日時:2026年07月07日(火) 20:03 小説情報

TS女神の体が万能薬なので気持ちよく配ってたらなぜか周りが全員泣いてる(作者:なほやん)(オリジナルファンタジー/コメディ)

前世は取り柄のない男だった。目が覚めたら異世界で女神になっていた。▼体が万能薬らしい。切って食べさせれば難病が治る。しかも再生するし、皆に感謝される。▼——なのに、なぜかみんな泣いている。▼---▼ハーメルン匿名杯2で5位をいただきました。▼応援してくださった皆様、ありがとうございました!▼


総合評価:3549/評価:8.21/完結:20話/更新日時:2026年03月22日(日) 19:00 小説情報

【TS】潰れそうで潰れない訳ありの喫茶店でバイトしたい!(作者:ひぶうさぎ)(オリジナル現代/冒険・バトル)

本当は潰れそうで潰れない謎の喫茶店店主をやりたかったけど、TSしちゃったから店主に「このままじゃお店潰れちゃいますって!」って言う可愛いバイトの女の子やる▼


総合評価:3815/評価:8.1/連載:8話/更新日時:2026年03月20日(金) 12:12 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>