最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由 作:でかそう
「止まれ!!さっきの王城前の騒ぎは……お前たちの仕業だな!?」
「これ以上王城に近づくな!!」
「この二人を捕らえろ!!見た目に騙されるなよ!?先ほどの竜巻……恐らくこいつらは、かなりの魔術師か……もしかしたら魔族だ!!」
んで、王城に近づいた俺達は今………案の定城の騎士達に囲まれるのである。
まぁ気持ちも分からんではない。
だって城の前であんな騒ぎを起こしたであろう奴らを、簡単に城に入れる事なんて出来ないだろうし……この人達の行動は理解できる。
でも!!さっきまで城前でルーカスとかカーンとかが俺達をさらおうとしてたことは、意図的にスルーしてましたよね!?貴方達!!!そこは納得できないんですけど!!?
でもここでそのことを持ち出しても、多分聞いてくれないだろうし……ここはしゃーない!!
俺達を取り囲む騎士の人達に、今にも攻撃しそうなソフィアをなだめつつ……俺は口を開いた。
「私は……
そう!!私は
そこら辺の一般市民ならまだしも、この人たちは王城の騎士様達なんだから、流石に
そんな俺の言葉に、騎士の人達は……。
「
「知らないな……。おいお前!!適当な事を言うな!!
完全に俺の予想外の反応をした。
…………ええええぇぇぇ。
「……もういいでしょ?コウ。面倒だし、こいつら倒して先に進もうよ?」
「……落ち着いてソフィ。ここでこの人たち倒しちゃったら、私達いよいよテロリストだよ……!」
どうどうとソフィアをなだめつつ、さてどうしたものかと頭を悩ませていると……。
「あらあら。貴方達、一体誰を取り囲んでいるのか理解していて?その御方が誰なのか、本気で分からないなんて……勉強不足も甚だしいわ?」
一人の綺麗な女性が、城の奥から優雅に現れたのだ!!
「フ……フローラ様!?ここは危険です!!おさがり下さい!!」
騎士の人がその女性にそう言って声を掛けるが……フローラと呼ばれた女性は、顔を顰めると言葉を続けた。
「下がるのは貴方達です。その御方は
フローラさんの言葉に、騎士の人達はビクリと体を震わせると……俺達から武器を下げ、一礼して城の奥へと引っ込んでいってしまった。
そんな騎士達の態度に、フローラさんは一つため息をつくと……ゆったりと俺達に近づき……深く頭を下げた。
「我が国の騎士達の不敬……誠に申し訳ありません……
「あ……頭を上げて下さい!!むしろ助けて下さってありがとうございます!!」
そんなフローラさんに、俺も慌てて頭を下げる。
フローラさんは頭を上げると、ペコペコと頭を下げる俺を見て微笑むと、言葉を続けた。
「ふふ。神々に比べればはるかに格下の人間に頭を下げられるなんて……本当に奥ゆかしい方ですね?でも……あまりに奥ゆかしいのは美徳とは限りませんわ?貴女は本当の神なのですから、もっと堂々となさって?」
「うう……。そう言われましても……これが性分と言いますか……」
「ふふふ。本当に可愛らしいお方……。さぁ、お二人とも、どうぞお城へ……私が案内いたします」
「あ……ありがとうございます!」
そう言って手を差し伸べてくれるフローラさんの手を取り、俺はようやく王城へと足を踏み入れることが出来たのである……。
◆
んで、フローラさんと話しながら王城を歩いている訳なのだが……案の定というか、当然というか、フローラさんはこの国のお姫様だった。
フローラさんは本妻の末っ子らしく、自称わがまま娘らしいのだが……正直俺達を助けてくれたり、こうして城を案内してくれたりで……とてもわがまま娘とは思えない。むしろめっちゃしっかりした人で、話していてとても落ち着く人なのだ。
「それは相手が
と言って悪戯に微笑むフローラさんだけど……この人絶対しっかりした人でしょ!!間違いない!!
それとフローラさんは、何とエイシャの元婚約者だったらしい!!
でもフローラさん的にエイシャはつまらない男だったらしく、フローラさんがエイシャを振ってしまったらしい!!なんか……スゴイな、この人!!
「本当につまらない退屈な男でした……。まぁエイシャ様を振ったってお父様が知った時は、流石に怒られましたけどね!……ふふ!あの時のお父様や、お兄様達の顔と言ったら……今でも笑えるわ!……ああ、失礼……。今はコウ様が……エイシャ様の
「あ!!いえ!!それは全然……」
「は!!?あの勇者ってコウの婚約者なの!!?え!!?ふ……ふざけ!!ふざけてるね!!?コウもそのつもりなの!!?」
そーいやそんな話(エイシャが
「ソ……ソフィ!?ど……どうしたの!?落ち着いて!?婚約者って、なんか勝手に決められてただけで……別に私はそのつもりなんてないよ!?」
「そ……そうなんだ……よかった……(それにしてもあの勇者が、コウとそのつもりだったなんて……あの勇者が戻ってきたら、警戒しとかないと……主にコウの貞操的な意味で……)ぶつぶつ」
何かソフィアがぶつぶつと小声でなんか言ってるが……大丈夫だろうか?
そんなこんなでフローラさんと楽しくおしゃべりしながら俺達は王城を案内してもらって………って!!そんなに悠長にしてる暇は無くない!!?
「す……すみませんフローラ様!!私達、急いでるんでした!!あの!!」
「しーーーー。コウ様?淑女は取り乱さないものですよ?大丈夫。もう宰相の部屋の前ですよ?」
指を口元に当てて、フローラさんは微笑むと、到着した部屋の扉をノックした。
「パイモン宰相?おられるんでしょう?フローラです。貴女を訪ねて、お客様が来られていますよ?それに……先程聖王様もお越しになったのでしょう?どうか扉を開けてくださいな?」
そう言って、フローラさんが何度か扉をノックするのだが……全然反応が無い。むしろ……部屋の中から人の気配を全然感じない。
「おかしいわね……。確かにこの部屋がパイモンの部屋の筈だけど……。ん?部屋が……開いている?」
そう言ってフローラさんは扉のノブに手を当てると、おもむろに扉を開けた。
「………誰も……いませんね………」
だが、部屋の中はもぬけの殻で、そのパイモン宰相という人も、聖王様も……ましてやシスタさんの姿も無い。……これは……一体……??
「ううーん。どうやらパイモンは居ない様だけど……どうされますか?コウ様……?」
ここでパイモン居なかったねー、じゃ!!帰ろっか!!って訳にはいかないので、どうにかしてパイモン宰相たちの行方を追いたい!!
………こうなったら仕方が無い……。奥の手を使うか……!!
しょーじき、出会ったばかりのフローラさんにこれを頼むのはひじょーに申し訳無いが……背に腹は代えられない!!断られたら他の手を探そう!!
「あの!!フローラ様!!ひじょーに申し上げにくいんですけど!!」
「あら!なんでも仰って?力になれる事なら、何でもしますわ?」
フローラさんのその言葉に、俺は……頷くと、ゴクリと喉を鳴らして……意を決して口を開いた!!
「あの!!お部屋のベッド、お借りしてもいいですか!!?そこで寝たいんですけど!!」
「…………え???」