最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由 作:でかそう
さて、皆さんは俺が目覚めた
あの盗み聞き能力、最初目覚めた時はランダムだから使えないなー……なんて思ってたけど、ティファが攫われてすったもんだあった後、もしかしてこの能力使えばティファの場所も簡単に分かったんじゃないかなーって思って、どうにか鍛えられないか考えていたのだ!!
んで、その事で夜な夜な悩んでいると(嘘です。ほんとはたまに、そーいや、って思ってたぐらいで、夜な夜な悩んでいません)、ある夜の夢でシェンが現れてくれたのだ!!
そして……この盗み聞き能力の使い方を教えてくれたのだ!!
この盗み聞き能力、どうやら俺の知り合いの現状を夢で確認する事が出来るって能力みたいだ。
確認出来る範囲は最大でこの王都ぐらいの広さまであるらしく、その中で俺が今知りたい人の情報を夢として視る事が出来るという優れもの!!……まぁたまに別に知りたくも無い人の情報も入ってくるみたいだけど……そこはご愛嬌だ!!
因みに能力発動中は、めっちゃ浅い眠りらしいので……ちょっとの衝撃とかで能力が解除されちゃって、目が覚めちゃうらしい。
昨日の夜は、聖王騎士団との戦闘とかで疲れてて、この能力のことすっかり忘れて熟睡しちゃってたけど……昨日使ってればここまで苦労しなかったかも!!……まぁ今更だけど!!
そして俺は、フローラさんになぜベッドを貸して欲しいのか説明するのである。
「私、夢でシスタさんが今どこにいるか、視る事が出来ると思うんです!」
「なるほど……それでベッドを貸してほしいと……」
「はい!!他人を自分のベッドに寝かすなんて……嫌でしょうけど、お願いできませんか?」
正直友達でもない初対面の俺を、いきなり自分のベッドに寝かすなんて……普通に考えたら嫌だよな?もしこれでフローラさんに断られたら、その辺の中庭にでも行って、ソフィアに護衛してもらって昼寝するしかない!!
「ふふ。てっきり私は、コウ様の体調が優れないのかと心配しましたけど………そういうことでしたら、全然構いませんよ?ぜひ使ってくださいな?」
「あ……ありがとうございます!ごめんなさい!!いきなりこんな事頼んで!」
「いえいえ!むしろ
そう言って朗らかに微笑んでくれるフローラ様……!!なんて器の大きいお方なんだろう!!
こうして俺達は、急いでフローラ様の自室へ移動して、シスタさんと聖王様の居所を探るべく……俺はフローラ様のベッドへとダイブするのであった!!
◆
「ったく!なーんでこんな事になったんだろ?もーーーー困ったもんだよ!ねぇ?ベバル、アバラム」
「ぐるる……」
「ぐぎゃぁ……」
「それは貴方が、聖王様を襲ったからでしょ!?聖王様!!しっかりしてください!!」
「う……ぐうう……。だ……大丈夫だよ……お嬢さん……」
ここは……道??
辺りが薄暗い道を、シスタさんは青髪の少女に手を引かれてどこかへ歩いていた。この少女が……まさか宰相じゃないよな!?
そして聖王様は、その後ろを歩く大きな二匹の獣の一匹に咥えられて連れて行かれていた!!しかも聖王様には至る所に怪我があり、多分この獣たちにやられたんだろう。
「一体どこに行くの!?私を絶望させる為に生徒達を連れてくるんじゃ無いの!?この先に一体何があるの!?」
「あーもう、うるさいなぁ!行けば分かるよー、シスタちゃん?てゆーか予定変更なの!!もう君を絶望させるのは諦めたから安心していいよ??」
「はぁ!?貴方一体……!?」
この少女がシスタさんをここまで連れてきたのは間違いないんだろうけど……ここで俺は、自分の大失敗に気付く。
……この王都の地理なんて俺の頭に入ってる訳ないじゃん……!!どーしよ!!?
「今頃レグロス君達の呪いも発動してるだろうし、聖王騎士協会も終わりだね?ヨハネ君?……てゆーか君、昨日呪い発動したはずだよねー?なーんで普通なの??」
「ふ……ふふ。私達は、お前の掌で……踊らされてたということか……?」
「いや質問に質問返さないでよ。僕が聞いてるのはなーんで君が呪い発動しないのか聞いてるんだけど……まあいいや。昨日君の呪い発動させたの、僕の凡ミスだし、その事気付いたのさっきだしね?なんでちゃんと発動して無いのか知らないけど……まぁしょーじき君のが発動してもあんま意味ないか!!だって君、普通のお爺さんだし!」
「………くくく」
「………何が可笑しいの?ヨハネ君……?」
「くくく。くくくはははははあはははは!!そうかそうか!!私達は何時の間にか、お前に呪いをかけられてたのか!!大したものだ!!お……お前が何者なのかも今、大体想像がついたが……まぁそれはいい!!だが……私の呪いを誰が解呪したか……知りたいんだったな?」
「……いやだからまぁそれはいっかって………」
「教えてやろう……。私の呪いを解呪したのは…………黒騎士だよ………!」
「!!!!」
黒騎士という言葉を聞いて、少女の方が思いっきり跳ねる。
……てゆーか悠長にこの人たちの会話聞いてる暇ないんだよ!!まじでここはどこで、どこに向かってるのか……何か手掛かりになるもの見つけないと!!
キーワードになりそうなものを覚えておけば、目が覚めた時フローラ様に聞いて……もしかしたら場所が分かるかも!!
そう思い辺りを見回すと……薄暗い道の奥に、なにやら真っ白の建屋が見えた。……あれは……。
「黒騎士……黒騎士かぁ……。はは。マジでどーにかしてほしいよ………。でもまぁ……何とか目的地に到着したし、もういいかな?」
「ここは……祭壇??しかし今は使われていない筈……」
今は使われていない祭壇!!
さすが聖王様!!めっちゃいい事言ってくれた!!
彼らの会話も気になるが……今は取り合えず起きて、その場所をフローラ様に確認しよう!!
◆
「っは!!……フローラ様!!」
「あら?もう起きられたんですか?」
「はい!!あの!!もう使われていない祭壇……真っ白い建屋の祭壇ってどこにあるかご存じですか!!?」
俺は慌ててベッドから体を起こし、フローラ様に問い詰める。
フローラ様を少しだけ考える素振りをして……あ!っと口にすると言った。
「それなら分かります。確か前の国王様が、自ら崇拝する神に祈りを捧げるために立てさせた祭壇がありましたわ?……多分そこで間違いないと思いますけど……」
「えっと!!そこの場所ってどこですか!?」
「口では説明しづらいですねぇ……。お待ちになって?今侍女に地図を……「フローラ様!!!」……あら?」
フローラ様がそう言って立ち上がろうとした時、部屋の扉が勢いよく開けられ……侍女の人が慌てて飛び込んできた。
「大変ですフローラ様!!聖王騎士達が……乱心しました!!!」
こうして事態は更に悪化し、どんどん加速していくのである…………。