最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由   作:でかそう

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第210話 第七章・完(笑)(パイモン視点)

 片腕を奪われ蹲っている勇者エイシャ。

 両腕を奪われ這いずり回っているレグロス君。

 

 圧倒的だ……。圧倒的じゃないか!邪神様の強さは!!

 マジでこんだけ強いなら、バエルの代わりなんて簡単に務まるし、何よりバエルと違って邪神様は理性的な方なので……こちらの言い分を聞いて、ちゃんと理解して行動してくれる!!

 

 つまり、次に何するか行動読めない所か、魔王様にだって制御出来ないバエルと違って、邪神様は非常に話しやすいお方なのだ!!本当に……復活してもらって良かった!!

 

 黒騎士、勇者、聖王騎士団の団長………。

 これだけ名だたる奴らを打ち倒した邪神様に、最早敵はいないだろう。つまり……邪神様の完全勝利!!このお話もここで終了ですね!!お疲れ様でした!!!次回作にご期待ください(笑)……なのである!!

 

 さて……後は勇者に止めを刺すだけだ!!

 

 邪神様はゆっくりと勇者エイシャに近づきながら、あざ笑うかのように言った。

 

「ふうむ……。まだ片腕を奪われただけだろう?勇者なら首だけになっても、人類の敵を打ち倒す気概を見せたらどうだ?……それとも、黒騎士が封印された事が、お前の心を折ったのか?そんな事でどうする!ほら……立って戦えよ?……くく、ほぅら『重力場(グラビタトリオ)・跪け(スプロフォンダ―レ)』」

「ぐう!!?」

 

 重力魔法によって、今度こそ地べたに這いずる勇者エイシャ。

 邪神様はじわじわと勇者エイシャを嬲り殺しにするみたいだけど……僕としてはそこはさっさと殺して欲しいんだけどなー。

 まぁでもじわじわと迫りくる死の恐怖による絶望とかが大きい方が、邪神様の力もより強大になるんだろうし……僕が口を挟む事なんて出来ないね!

 

 なので僕はそんな勇者達を見て、呆然としているヨハネ君に話しかけようとして……

 

 

 

「お……お……お待ちしておりましたぁあ!!邪神様ぁ!!!我ら王国一同!!貴女様にぃ!!!忠誠をぉおおお!!誓いますうう!!!なので、殺さないでくださぃいいい!!」

 

 まだ邪神様に会ってもいないし、王座を譲れと脅されても、ましてや殺すぞと脅されてもいないのに、我が国の国王様、ハッシュ・ベルンハイト王が城から飛び出して来て、邪神様にダイビング土下座をかましたのだ!!………この豚、プライドとか無いんだろうか?

 

 勇者エイシャをいじめるのに夢中になっていた邪神様も、流石にこの展開は予想していなかったのか、勇者エイシャをいじめる手を止めて呆然としてしまった!

 

 そして……死にかけても、そんな隙を逃す勇者では無かった!

 邪神様が呆然としている隙に、勇者エイシャは最後の力を振り絞って……なんと瞬間移動を発動して逃げてしまったのだ!!

 

「!!………逃げられたか……。おい……豚……」

「ぶひぃ!!?あ……え……!?あれ!?ひぃぃ!!あの……私、何かやっちゃいました??」

 

 邪神様の殺気に当てられて、土下座をしていた国王様は、ひっくり返って泡を吹くように震える。……よくもまぁこんなんで、国の王様務まってたよね?

 正直宰相に上り詰めたと、邪神様復活の為にも忙しかったけど……あんまりにもあんまりな国王様なので、国の行政とかの仕事がめっちゃ大変だったんだけど!!んで、いつもなんで僕こんなに頑張ってるんだろ?って首をひねっていたんだけど!!

 

 まぁ国王の息子や娘たちは結構有能だったので……そこで助かってたけどね!!ほんとトンビが鷹を生んだよ!!

 

 なんてどうでもいい事を考えつつ、あっさり終わった邪神様の国盗りを見て、さてどうしたものか……と頭を悩ましていた。

 

 正直この後王城に赴いて、邪神様の力を王族の連中に見せつけて~~なんて考えてたけど………って!!あ!!そうか!!さっきの戦闘!!

 邪神様と勇者エイシャ達の戦闘は、王城の前……つまりこの場でしたから、それを王城から皆見てたんだ!!

 

 そして勇者エイシャやレグロス君をあっさり下す邪神様の実力を見て、王様含む皆の心が折れちゃったんだ!!

 

 そう思うと突然の国王様の行動にも合点がいく。

 

 僕は一連の流れに納得いくと、邪神様の殺気をあてられて失禁している(うぇぇ)……国王様……いや?もう元!国王様かな?……に話しかけた。

 

「ねぇ……国王陛下?……いや?もうハッシュ君でいいかな?」

「あ……パイモンたん……!」

 

 たんつけるの止めろよ。

 

「……はぁ……。まぁいいや。ねぇハッシュ君。つまり君達は、もう邪神様に王座を譲る……って事でいいんだよね?それは……君以外の皆の総意って事でいいんだよね?」

「あ……そうだ!!その通りだ!!この決定に逆らう者は、死罪で構わん!!それが……たとえ私の子供達であってもだ!!……でも、皆貴女様に忠誠を誓いますので、やっぱり私と私の家族は助けてくださいぃいいい!!!」

 

 何か言ってる事支離滅裂だけど……まぁやっぱり決定かな?

 

 多分他の大臣たちも、国王の子供達も……勇者エイシャを簡単に打ち倒す邪神様を見ている筈だし、もう逆らおうって気はないと思う。

 

 なので僕は改めて邪神様に向きなおり、首を垂れた。

 

「今よりこの国は……また!貴女様のものです……!邪神アズライール様!!最早貴女様に逆らう者はいないでしょう!!」

 

 そう言って顔を上げると、邪神様は少し不満げだったが……ため息をつき、口を開いた。

 

「はぁ……。もういい。この豚はここで放置しておけ。それよりパイモン……玉座に案内しろ。……もちろんわが忠臣、聖王ヨハネも連れて……な」

「ぶひぃいい!!?」

 

 そう言って元・国王のハッシュ君を蹴り飛ばすと、邪神様はニヤリと嗤ってヨハネ君に近づいて首根っこを掴む。

 ヨハネ君は最早抵抗する気力を失っているのか、邪神様のなすがままになっていた。……うーん、老人虐待。

 

 そのまま邪神様はゆっくりと王城の門を渡ると……振り返って笑みを作る。

 

「さて……これからどうなるかな?勇者君は奇跡的に生き延びたし、まだ白銀の(エンシェント)ドラゴンの幼体も生きている……。だから……少しは私を楽しませてくれ?くく……ははは!!はっはっはっはっはっ!!」

 

 そうして門はゆっくりと閉じていく。

 まるで一つの物語が終わるかの様に……。ゆっくりと………!

 

 

 

 

 

 

 さて……これにて学園編・後編はおしまい!!

 

 完全に封印された黒騎士!!

 重傷を負ってしまった白銀の(エンシェント)ドラゴンのコウちゃんと勇者エイシャ!!

 そして狂ってしまった聖王騎士団に追い回され、絶望的な状況のコウちゃんのクラスメイト達!!

 

 そしてそして!!簡単に国を明け渡したエルセリオ王国は一体どうなってしまうのか!?

 

 果たしてコウちゃん達は、奇跡の大逆転をする事が出来るのか!!?

 

 こうして物語は、アイドル編から続いたエルセリオ王国編の集大成(メタ発言)!!エルセリオ王国完結編へと話が進んでいくのである!!

 

 ………まぁ今から逆転は無理だろうけどねーーー。

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