最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由 作:でかそう
どうしてこうなった?どうしてこうなった!?どうして……こうなった!!?
想定外の出来事に、私の頭は完全に混乱していた。
◆
魔王様による
この世界の守り神の一柱にして、私達魔族にとって最も邪魔な存在である、
神々は基本的に現世に直接干渉は出来ないのだが、守り神でありながら現世に直接干渉できる存在がいる。その一つが
何故なら勇者が扱う四つの神器は
先代魔王様が討ち取られて数千年間、現魔王様は魔界にて長く力を蓄えられていた。
先代時代と違い、ありとあらゆる事態に対処出来るよう数多くの魔王幹部を揃え、それぞれの分野でエキスパートを育てられた。
私もその一人。
魔王様によって見いだされ、魔王様直々に育てて頂いた、諜報と催眠術のエキスパートだ。
勿論戦闘だって他の最高幹部にだって引けを取らなかったが、格下の魔物を操りその視覚などを共有する事の出来る能力を持つ私の仕事は主に諜報活動だ。
七十二の幹部が揃うと、魔王様はいよいよもって人間界へと進軍を始めた。
数十人の幹部達による人間界への総攻撃。当然人間界にそれを対処する力は無かった。
魔族の進軍から数年がたち、魔王様の読み通り四つの神器を持つ勇者が現れ次々と幹部達を打ち倒し始めた。
しかし最初の進軍はあくまで奴ら勇者を表舞台に引っ張ってくるための、いわばフェイクであった。
勇者が現れて数年がたち、私達魔族は進撃の手を緩めた。
最初の様な大軍での進撃を止め、少数での破壊工作に切り替えたのである。
人間界は平和となり、魔王様の読み通り勇者たちは堕落していった。
人を腐らすのは権力、金、そして女だ。
勇者たちは我々魔族では無く、人間によってその牙を抜かれていったのだ。
唯一想定外だったのが、弓の勇者だけは堕落しなった事だが、まあ一人だけならなんとかなる。
それに……私達にとって最も重要な任務、
今の人間どもは、かのドラゴンを只の象徴としてしか扱っていなかった。
その為、
私たちがこの時期に進軍を開始したのは何も七十二の幹部が揃ったからだけではない。
私たちはその時を待っていたのだ。
そして
魔を寄せ付けない聖なる森の結界を、あらかじめ結界のエキスパートが数年にわたり少しずつ侵食していき、そこを通って私たちは命の湖へとたどり着く。
案の定
「貴様ら……まさか……!?」
本来なら私たちが
私たちはまず魔王様に預かっていた、闇の呪具により
「やめろ!!それだけは……やめてくれぇ!!」
湖に産み落とされた
快感だった……!!悲痛な叫びを上げるドラゴンも、産み落とされたばかりで何もわかっていない間抜けな赤子を手にかける瞬間も……!!
そもそもこいつらが魔王様に逆らうのがいけないのだ。神々は中立でなくてはならないのに、人間ばかりに力を与えるこいつらがいけないのだ!!!
その後、精神を取り乱した
我が子を失った悲しみにより、無様にも自らの感情を制御できなくなった
後は
魔王様の呪いを解除出来る者など人間たちにはいないだろうし、我を失っていたとしても
勇者の手によって打ち倒される
謎の黒騎士が姿を現すまでは……。
実は私は暴走した
そこには私の配下の幹部や、結界術のエキスパートである幹部すらいたというのに……!!
その後、黒騎士は暴走する
……想像以上の被害が出てしまったが、私たちの任務は無事成功を迎えたのである。
こうして
私たちが違和感を感じたのは、
おかしい……勇者の神器が消えない……!?
数日の内に消えるであろうと思っていた神器が一向に消える気配がないのだ。万が一数年は力が残っている可能性を考慮して一年待ったが、一向に消えるどころか益々力を増していっている様にも見える神器に私たちは困惑を隠せなかった。
私は調査の為また聖なる森へと足を運んで……そこで信じられない者を視た!!
忌々しい銀髪の小娘が街の冒険者の女と親し気に、手を繋ぎ歩いていたからだ!!
あれは……!?なぜ……!?
自分が見たものが信じられなかった。
なぜ
私自らの手で葬ったはずだ!!
その後、私は部下の魔王軍幹部を使い街を襲わせた。
街に勇者が到着する前に、
黒騎士は瞬く間に私の部下率いる魔王軍を壊滅させた。それを隠れて見ていた私は確信する。
あれは脅威だ……もしかしたら勇者以上の化け物かもしれない……!!
新しい計画を立てる必要がある……。