最強の黒騎士の中身がTS少女だと気づかれてはいけない理由 作:でかそう
数時間後………お城に邪神教からの使者がまた到着する。
そいつの報告によると、エドワが言っていた六か所で祈りを捧げる準備が整ったそうだ。
その知らせを受けたエドワは、満足そうに頷くと、改めて邪神様に向き直り、口を開こうとした次の瞬間!!突然玉座の扉が勢いよく開かれた!!
「大変です!!壁の外から……大量のドラゴンが……!!
息を切らしながら入って来たのは、聖王騎士のクライブ君だった。
呪いの影響か、ちょくちょく語尾がおかしいけど……まぁそこは今は関係ない!!
「邪神様!!どうなさいますか!?」
報告を受けて、少し驚いている邪神様にそう問いかけると………邪神様は顎に手を当てて、ニヤリと笑って答えた。
「くく。先の連合軍はお遊びという事か?どこの誰が裏で糸を引いているかは知らないが……すぐに聖王騎士達と、門の魔物達に対応に当たらせろ……。ふふ。無理そうなら私も出る………」
「承知いたしました!!クライブ君!!聞いたよね!?今すぐ仲間達を集めて対応して!!
「ハァい!!分かりました!!」
クライブ君はそう言って敬礼すると、すぐに玉座から出て行った。
正直なんで
一体なんなんだ?その黒竜!!!
「大変ですねぇ………ではでは!!我々も負けていられませんな!!邪神様に捧げる祈りを、今この場で捧げて……皆さんの士気をぐーーんと上げなくては!!それではそれでは邪神様!!貴女様に捧げる為の祈りを始めたいと思います!!絶望と狂気の祈りを!!」
エドワがそう言って両手を大きく広げると………それに呼応する様に、各地で歓声が上がる!!!
………………ん?歓声???
そーいや祈りを捧げるための六ヶ所、結構まばらに配置しているみたいだけど、この城から見える場所にあるんだろうか?
そう思い僕が玉座の窓へと移動しようとすると………!!
「あ!!?こ………これは!?な……??」
「邪神様!?」
邪神様が突然苦しそうに声を上げられたのだ!!
な………なんで!?って考える間も無い!!きっとエドワが何かしたんだろう!!そしてそれは……邪神様への祈りを捧げているっていう六か所で……だ!!
「おや?どうされました邪神様?随分と苦しそうですが………何かお力になれる事はありますかな?」
いけしゃあしゃあと邪神様に問いかけるエドワの言葉を最後まで聞く気も無く、僕は直ぐに自分の使い魔を召喚する。
「食え!!ベバル!!アバラム!!」
僕の言葉に呼応する様に、召喚される二匹の魔獣。
狼の様な黒い巨体を持った双子の魔獣………ベバルとアバラム。その鋭い牙は鉄をもかみ砕き、鋭利な爪は大理石を切り裂く。
召喚されたベバルとアバラムは瞬時にエドワに襲い掛かるが………エドワは二匹の猛攻を、バックステップでひょいと躱すと……一跳びで二人の仲間のもとへと飛んだ。
「君……!何者かな!?」
「おや?私は邪神教の教祖、エドワ・ホズームですよ?そう名乗りましたよね?」
「っは!!今更それを信じる訳ないよね?流石にそこまで馬鹿じゃ無いよ!?」
そうエドワに言うと……エドワはフッと笑い、芝居がかった仕草で仮面に手をやる。
「仕方ありませんね……では!!私の正体をお教えしましょう!!」
そして謎のポーズを決め、言葉を続けるのだ。
「ある時は、謎のひょっとこ仮面!!そしてある時は謎の宗教団体の教祖、エドワ・ホズーム!!しかしてその実態は……!!!」
そう言うと、エドワは仮面を投げ捨てて………!!
「名探偵、ホズム・エドワードですよ。……ふふ!よろしくおねがいします……
そう言ってウインクするホズム・エドワード!!
その芝居がかった仕草に腹を立てながらも思う……!!
僕は女じゃ無くて男だ!!探偵ならそれ位見抜けよ!!!この……三流探偵!!!
◆
黒竜率いる
◆
裏路地で、コウと再会を喜び合っていた私達だが、そんな私達にコウの隣に佇んでいた黒フードの男が、フードを外しながら言う。
「コウ。皆と再会出来た処悪いが……あまり時間も無い」
そう言ってコウの肩に手を置いたのは………五日前、学園を旅立った勇者エイシャ様だった!!
「勇者様!!?」
「エイシャ様……!!ご無事だったんですね!!」
「あら……無事だったのね?勇者エイシャ。だったら説明してくれない?一体これはどういうことなの?この集団はなに?邪神教って………」
黒ずくめのフード姿の男が、勇者エイシャだったことに少し驚きながらも……フローラ姫が勇者様に問う。
「俺から説明してやってもいいが……その前にコウ、彼女達に話があるんだろう?」
勇者様がフローラ姫に答えながらも、コウにそう問うと、コウはコクリと頷いて私達に言った。
「ティファ達に、頼みがあるの……」
「頼み……ですか?」
私がコウの言葉に首を傾げると、コウはまたコクリと頷いて言葉を続ける。
「学園に戻って、皆を集めて欲しい。そして………私達が今から六か所に分かれるから、そこに皆を連れてきて欲しいの」
「え……っと、その……一体なんで……ですか?」
「人数は多ければ多い方が盛り上がるし、力にもなるからね!学園の外に出るのは危険かもしれないけど、そこは大丈夫!もうすぐ聖騎士団達もそれどころじゃなくなるだろうし、その狼煙は上がるから……その時に学園から出て!!」
コウが私の手を掴んで頼み込んでくるが……私が聞いたのはその事じゃない。
何故学園から皆を外に出して、六か所に集めようとしているのだろうか?
「あの……コウ達は一体、何をしようとしているのですか?」
「あ!!……ごめんね……。それを言って無かったね………」
コウは眉をハの字にして謝ると……私達を見据えて、にっこり笑ってこう言ったのだ。
「何って……………もちろん、屋外ライブだよ!!」