ISの小説を読みなおそうかと思っている今日この頃。
……もうすぐでオールオリジナルになるからいっか←
「……では、専用機組と一般生徒で分かれて作業を開始しろ」
翌日、臨海学校二日目に突入した。
今日は専用機組と一般生徒とが分かれてISの整備をやるみたいだ。専用機組は本国から追加パッケージが届いたりしていて、一層大変そうだ。なんでもキャノンボールファストとか言う大会用のだとか……僕は全く関与していないので、どんな大会なのかは詳しく知らないけど……レースなのかな?
「兄さんはパッケージなどはないのか?」
「わからない。束さんがグレードアップするとか言ってたけど、見当たらないし……」
「そうなのか……」
ラウラと話していると、クラリッサが近づいてくるのに気づいた。僕ではなく、ラウラに用があるようだ。
「隊長、追加パッケージの準備ができました」
「うむ。では、兄さん。私は行ってきます」
「いってらっしゃい」
ラウラに手を振り送り出す。
「将冴、今日は何をするんだ?」
「束さんが機体見てくれるって言ってたんだけど……」
その束さんが見当たらない。クラリッサも察してくれたようで、辺りを見回してくれるが、いないものはいない。
「どうしよっかな……」
「一人でやれることもないだろうしな……。っと、すまない。私は隊長の手伝いに行ってくる」
「うん、わかった」
クラリッサはラウラの後を追っていった。
「さて……」
この後はどうしようかと考えていると、遠くから何やら走ってくる。
あぁ、束さんだ……あれ向かってる方向に織斑先生が……
「ちぃーーーーちゃぁーーーーん!」
「ふんっ!」
「い、痛いよちーちゃん!?久しぶりにちーちゃんの愛を受けれるのは嬉しいけど、限度が、限度が!?」
「ねぇ、あれって……」
「篠ノ之束博士?」
「嘘、IS開発者の!?」
「本物を見られるなんて……」
周りの生徒がざわついている。専用機組も、僕と一夏、ラウラ以外は驚いている。
「何しに来た、束」
「ちーちゃんに会いに……」
「何しに来た?」
「ち、力が強くなってるよちーちゃん!?」
答えるまでアイアンクローをやめないらしい。
「しょ、しょーくんといっくんのISの様子見に来たんだよぉー!……あと、箒ちゃんにプレゼント」
最後ボソッと本当の目的言ったね。
束さんのプレゼントってことは……
「……まぁいい」
織斑先生はアイアンクローを解き、束さんを解放した。
束さんは涙目でコメカミを押さえている。
「いてて……」
「早く用を済ませろ」
「つれないなぁ、ちーちゃん。まぁ、そんなところもちーちゃんの素敵なところだけど……わわ、わかったから!すぐに終わらせるからその手を下ろして!?」
束さんを止めれるのは織斑先生だけかな……。
と、僕の横を誰かが通り過ぎていった。あの長いポニーテールは……箒か。
「姉さん!何してるんです!?」
「あ、箒ちゃん!おはよう!むふふ、おはようを言えるようになるなんて、なんだか照れくさいねぇ」
「て、照れくさいって……それより、こんなところで何を……」
「箒ちゃんの誕生日プレゼントを持ってきたんだよ」
「昨日言っていた……」
「そうそう。で、これが束さんから箒ちゃんへの誕生日プレゼント!」
束さんが右手をあげると、突然空から何かが落ちてきて砂埃をあげる。
あぁ……やっぱりか。
落ちてきたのは、機械の箱。その箱は駆動音を立てて開いていき、中から紅いISが姿を現した。
「これが、箒ちゃんのため第四世代型IS……『紅椿』だよ」
「わ、私のIS……」
「おい、束!」
織斑先生が声を張り上げる。
それはそうだ。代表候補生でもない箒が、専用機を持つことになるんだ。教師としては見過ごすことはできないだろうし、問題もある。
「第四世代って……」
「最新型ってこと?」
「篠ノ之さんがそれを貰えるってこと?」
「コネってこと?それってなんかずるくない?」
「何がズルいの?」
いつの間にか、束さんが女生徒との距離を詰めていた。
「え?」
「コネだって重要なスキルだよ。それに君達は箒ちゃんにISで戦って勝てるの?」
女生徒たちは押し黙る。
「タッグトーナメント戦の映像見たけど、箒ちゃんはいっくんに勝ってたよね?訓練機で。これを見ただけでも、箒ちゃんに力があるのは一目瞭然だよね?君はその力があるの?ねぇ?」
さらに詰め寄る束さん。本当、身内のことになると見境なくなるんだから……。
「束さん、それくらいにしてあげてください。その子も、もうわかったでしょうから」
「……しょーくんがそういうなら、もういいや。さぁ、箒ちゃん。初期化と最適化するから、ISに……」
「受け取れません」
箒の答えは意外なものだった。
束さんは笑顔のまま固まっている。
「箒ちゃん……なんで?」
「以前、将冴に言われました。力だけ求めても意味はないと。確かに、前の私は力さえあれば……専用機さえあればと思っていたこともあります。でも、今は……」
タッグトーナメント前に言ったことを……。ふふ、変わったね、あの時から。
「でも、箒ちゃんのために……」
「作ってくれたのは感謝しています。でも、今は……」
「大丈夫だよ、箒」
「え?」
「今の箒なら、その力を受け止められる。あの頃とは違うよ」
「将冴……」
「箒ちゃん……」
滅多に見られない束さんの不安そうな顔。レアだよレア。
「……姉さん。よろしくお願いします」
「うん……うん!!」
束さんはパァと顔を明るくし、箒を紅椿に乗せた。
「それじゃあ、リラックスしてね」
「はい」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
「ふむふむ、二人のISのフラグメントマップ……随分と変わった方向へ向かってるね」
箒のISの最適化に時間がかかるため、その間に僕と一夏のISを見てくれるということになった。
「というと?」
「んー、さすがの束さんもわからないよ。まぁ、いい方向には転がると思うよ。特に、いっくんはかなり成長してる。二次移行もそう遠くはないんじゃないかなぁ」
「本当ですか?束さん」
「いつとは断言できないけどねぇ。とりあえず、いっくんのISには問題はないよ」
一夏「には」問題がない、ね……。
「しょーくん、少し二人で話せるかな?」
「え、あ、はい……大丈夫ですが……」
束さんと人目を避けるように、旅館の陰に入った。
そんなに、重大な問題があったのだろうか……。
「それで、束さん。僕のISは……」
「その前に……」
ドンッ、と束さんが壁に手をつき、僕の顔の両サイドに束さんの腕が見える。
これは一体……
「あのドイツ女誰?」
「……へ?」
「あの、眼帯、ドイツ女、ダレ?」
眼帯追加された……クラリッサのことか。
てっきり知っているものと……
「えっと……彼女はクラリッサって言って……」
「名前はどうでもいいよ!」
またドンッと壁を叩く束さん。
「どういう関係かって聞いてるんだけど?」
「クラリッサは僕のヘルパーで、IS学園の教師です。まだ実習生だけど……」
「……」
束さんはジッと見つめてくる。
あぁ……これはもう人間不信の目ですね……。
「束さんが思ってるような関係じゃないよ……まだ」
最後は束さんに聞こえないくらい小さく呟いた……。
「……そっか。ならいいよ」
いつもの顔に戻る束さん……いやぁ、あの顔を僕に向けられるとは思わなかった……。
返答次第ではクラリッサが大変なことになってしまう。
「で、しょーくんのISだけど……」
ようやく本題に戻った。
「……しょーくん、スペシネフはもう使っちゃダメ」
「え?」
「しょーくんがスペシネフを動かしたからかわからないけど、あれの詳細がやっとわかったの。あれに積んである
「負の感情……」
確かに、あの時は怒りに身を任せていたかもしれない……。
だからスペシネフは……。
「そう。でも、EVLバインダーの効果はそれだけじゃなかった……EVLバインダーはしょーくんの感情に影響与える」
「影響?」
「……感情の増幅……この場合は負の感情の。今回は初めてだったから良かったけど、またスペシネフを使ったら、しょーくんは変わってしまうかもしれない」
「変わるって……」
理解はできてる……でも、突拍子すぎて……
「しょーくん、いい?もう感情に任せて戦うようなことはしちゃダメ……わかった?」
「……わかりました。要は感情を抑えればいいんですよね」
「うん……」
「多分、得意ですから大丈夫です。安心してください」
束さんは小さく微笑むが、その目には不安が映っている。
「よし、それじゃあ、気分を変えて、次にグレードアップの内容について話すよ!」
「はい!……って、ちょっと待ってください」
「ん?」
束さんの言葉を止め、耳をすますと、何やらみんながいる方が騒がしくなっている。
「何かあったんでしょうか?」
「さぁ?」
いろいろ詰め込みすぎたかもしれない。
スペシネフがカゲキヨに……いやまさか……