※まだ出ません
一旦、束さんとの話を切り上げ、騒がしくなっている方へ向かう。
織斑先生が指示を飛ばしている。専用機を持たない生徒は旅館に戻って、専用機組は織斑先生の元へ……。
「何かあったみたいですね……」
「うん……。しょーくん、私はテムジンのバージョンアップしてくるよ。箒ちゃんの最適化も終わったはずだからね」
「え、あ、はい。わかりました。織斑先生に伝えておきます」
「よろしくねぇ〜」
束さんは、走り去っていく。
さて、僕も行かなければ。
「織斑先生、何かあったんですか?」
「将冴、来たか……付いて来い。極秘の話だ」
どうやら、良くないことのようだ。
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作戦司令室になっているテントに入ると、すでにクラリッサと山田先生がいた。いつになく真剣な表情を浮かべている。
ここにいる専用機持ち……僕、一夏、セシリアさん、鈴、シャル、ラウラ、簪さんに緊張が走る。
「先ほど、学園から通知があった。ハワイ沖で試験運用中だった軍用IS『
軍用IS……アラスカ条約で、ISの軍事利用は禁じられている。それなのにそんなものを作るのか。
他国に力を見せつけるため……というところか。
「銀の福音……以降は福音と呼称する。衛星で追跡した結果、福音はここを目指していると思われる。ここに到達されれば、被害は甚大だ。そこでお前たち専用機持ち達に、福音の撃墜任務についてもらう」
僕達学生に、軍用ISの撃墜だって?
そこは自衛隊が動きそうなものだけど……。
「教員は周辺海域を封鎖するため、お前達に出てもらうしかない……先ずは、こうなってしまったことを謝罪する」
織斑先生が僕らに頭を下げる。
「織斑先生、頭を上げてください。仕方ないことはわかっています。続きを聞かせてください」
おそらく、時間はあまりないはずだ……軍用ISなら、移動速度も速いはず……こうしているうちにも……
「ああ……。では、話を戻す」
織斑先生の話では、あと50分足らずで戦闘限界海域まで到達するという。そこで福音を迎え撃ち、撃墜する。
専用機持ちが7人……一斉に攻撃を仕掛ければ、できなくもない、というところだろうか。
と、セシリアさんが手を挙げた。
「織斑先生。目標の詳細なデータを要求致しますわ」
「いいだろう。ただし、これは軍事機密となっている。情報が漏洩すれば、査問委員会による裁判と最低二年の監視がつくことを肝に銘じておけ」
「了解しました」
モニターに表示されたデータを見ると……なるほど、流石は軍用というところかな。全てがオーバースペックといっても差し支えない。コンセプトは広域殲滅……。そして、無人機ということ……。
専用機持ち7人ならなんて、甘い考えかもしれない……
「私の甲龍よりもスペックが上回っている……こんなのが無人なんて……」
「今日届いた防御型パッケージでも、防げるかどうか……」
長期戦は絶対に不利になる。となれば……。
「織斑先生、作戦進言してもよろしいでしょうか?」
「構わない」
「目標ISのスペックを見た限り、長期戦は不利だと考えます。そこで、一夏の零落白夜による一撃で撃墜する作戦がいいと思います」
「ふむ……」
織斑先生は考え込むような仕草をするが、吝かではないと言った感じだ。
「いいだろう。将冴の作戦を採用する。一夏、お前が今回の鍵になる。よろしく頼むぞ」
「お、俺が……」
「よろしく頼むよ、一夏」
「お、おう!」
「では、他の者たちのポジションを……」
「ちょっと待ったぁ!!」
どこから入ってきたのか、束さんが飛び出して来た。
その後ろから箒も現れた。最適化が終わったのか。
「話は聞かせてもらったよ!作戦のこともね!そこでちーちゃんに頼みがあるの」
「……なんだ?」
織斑先生は怪訝そうな顔をするが、耳を傾けた。
「箒ちゃんも連れて行って欲しいの」
「なんだと?」
ISを手にしたばかりの箒を連れて行く……束さんが何の根拠もなしにそんなことを言うとは思わないけど……。
「箒ちゃんのISは第四世代。それに、いっくんの白式と相性のいい機体なのだよ〜」
相性のいい……一体どういうことなのだろう……。
「……わかった。篠ノ之、できるか?」
「はい!」
「では改めて作戦を練る」
こうして、箒を加えた8人で作戦が決行されることになった。
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作戦会議を終え、僕は束さんからテムジンのバージョンアップの内容を聞いていた。
「今回テムジンに施したのは全体的な運動性能の向上と、武器のスペックアップだよ」
「武器のスペックアップ?」
「うん。前まで使ってた、『MPBL-7』の性能を大幅に強化して、新機能を搭載したんだ」
束さんは僕の耳についている待機状態のISに触れ、テムジンを展開した。
展開されたテムジンは、細部が少し変わっており、武器も新しくなっている。
「これが新しくなったテムジンの武器『MPBL-スライプナー』。新機能は今回の作戦にうってつけの機能、『ブルースライダー』。武器をサーフボードのようにして乗ることができるよ。そのまま突進することもできる優れものだよ!」
「サーフボード……うまく乗れるかな」
「システムアシストがついてるから問題ないよ。……しょーくん、箒ちゃんのこと頼むね」
「はい。ちゃんと帰ってきます」
束さんは小さく微笑む。
今回の作戦は、一夏の零落白夜による一撃必殺。箒はそのサポートに入ることになった。僕の役割は運搬。鈴と一緒に、一夏と箒のエネルギー温存のために作戦領域まで運ぶ。簪さんは司令本部との中継役になり、戦況を把握。セシリアさん、シャル、ラウラは後方支援という形になった。
「束さん……福音の暴走の原因はわかりますか?」
「ううん……コアネットワークでアクセスしようとしたけど、福音のコアがネットワークから切り離されていて、アクセスできなかったの」
「そうですか……」
「でも、心当たりなら……」
「え?」
「……ううん、なんでもないよ」
束さん、何か隠している?僕には言えない何かを……
「将冴!」
僕を呼ぶ声に、思考が遮られた。
読んだのはクラリッサ。こちらに走ってくる。
「クラリッサ。何かあった?」
「いや、大したことではないのだが……少し心配になってな」
「大丈夫だよ。なんとかなる」
「そうか……」
クラリッサの顔は不安で染まっている。
この作戦、失敗すれば怪我では済まないということが、クラリッサはよくわかっているんだ。
「ねぇ君」
「え?」
束さんがさっき、僕に見せていた怖い顔でクラリッサに詰め寄っている……え、それやばいんじゃ……。
「しょーくんのヘルパーかなんか知らないけど、あんまりベタベタしないでくれる?」
「そ、それはどういう……」
「いいから、『イエス』か『はい』しか選択肢はないの」
「えっと……その……」
「束さん、箒のところに行ってあげたほうがいいんじゃない?」
「おっと、そうだったね!それじゃあ、しょーくん、頑張ってね」
一瞬にして笑顔に戻り、束さんは走り去っていく。
あぁ、作戦前に胃が痛くなりそうだ……。
「しょ、将冴……私は篠ノ之博士に嫌われているのか?」
「……そうかもしれない……」
できれば仲良くなって欲しいんだけど……。
やばい難産。
だから福音戦は憂鬱だったんだ……。
話は変わるんですが、今ディバインゲートと言うソシャゲでISコラボやってるんですが、なんでクラリッサがいないんでしょうね?
ガンホーさんどうなってるんですか?