私も、そこそこ有名に……ないですね。調子に乗りましたすいません。
一夏家リビングで、女子3人がにらみ合いを始めている。
一夏はそんなことはつゆ知らず、箒と鈴のお茶を用意し、ケーキを取り分けていた。本当に家庭的なんだからなぁ……。
そして、僕は女子3人の動向を眺めていた。
どうせだから一夏に止めてもらおうと思っていた。
だけど……
「あー、もー、やめやめ。夏休みまであんたらといがみ合うのはアホらしいわ」
「鈴さんの言うとおりですわね。せっかく来たのですから」
「そうだな」
あらら、3人で解決しちゃった。
成長したなぁ、3人とも。
「なんで将冴そんなに感慨深そうな顔してるのよ……」
「いやぁ、箒もセシリアさんも鈴も成長したなぁと思って……」
「どういう意味だ……」
「そのまんまの意味」
「……」
あれ、セシリアさんからもツッコミが来ると思ったんだけど。
「将冴さん」
「何?」
「なぜ私だけ呼び捨てじゃないんですの?」
ああ、そういえば……
「確かにそうだな」
「ハルフォーフ先生は呼び捨てなのにね」
鈴、ニヤニヤしてこっちを見ないの。
「最初はさん付けで呼ぶから、そのまま癖でね」
「箒さんは途中で呼び捨てになりましたわよね?」
「呼び捨てにしてくれって言われたから」
「では、私も呼び捨てに」
「うん、わかった」
「軽いわね」
「特にこだわりあるわけじゃないし」
これで専用機組は簪さん以外、呼び捨て許可を得たな。
まぁ、僕としてはどちらでも良かったのだけれど。
と、丁度話しが切れたところで、一夏がお盆を持って台所から出てきた。
「お待たせ。まずは二人のお茶と、ケーキな」
人数分のケーキをテーブルに並べる。どうやら全部同じらしい。
僕は小声でセシリアに話しかける。
「二人きりのつもりで来たなら、別々の種類の方が良かったんじゃない?」
「どうしてですの?」
「一夏のも食べてみたいから食べさせてくれって言えるでしょ?」
「あ……」
詰めが甘いなぁ……。
「で、四人で何の話をしていたんだ?」
「僕がセシリアのことをずっとさん付けで呼んでたよねって話」
「そういやそうだったな。将冴って、自分から呼び捨てにすることないよな」
「まぁね。一夏と初めて会ったときだって、君付けで呼んでたし」
あの時は小学校低学年くらいだったかな。
すぐに一夏が呼び捨てでいいって言ってくれたから、そのま一夏って呼んでる。
「一夏を君付けって、なんか想像できないわね」
「そうか?私はなんとなく想像できるぞ」
「私も。将冴さんは最初は少し距離を取る印象がありますわ」
「そう?そんなつもりないんだけど」
最初から呼び捨てってできるわけないと思うし、少し堅くなるのは仕方ないと思うけど。
「あんまり本心見せないし」
「何考えているかわからない」
箒と鈴のダブルパンチ2回目。
仲良いな、この2人。
「確かに。小学校の頃からの付き合いだけど、俺も将冴のことあんまりわかってないかも……」
「一夏さんもわからないんですの?」
「いつも考え巡らせてるってのはわかるんだけど」
「そんなに考えてないよー」
「本音さんのようになってますわよ……」
むぅ、思いがけず僕が劣勢になってきている気がする。
まさに、どうしてこうなった。
「でも、そんなことよりも……」
鈴が恐ろしいことを考えている顔をしてる……ここで聞くつもりか!
「ハルフォーフ先生との『ピンポーン』
鈴の声を遮って、チャイムがなった。ナイスタイミング!
「一夏、僕が見てくるよ」
「いや、俺が……」
「まあまあ、3人とお話ししててよ」
僕は全てを一夏に投げ捨て、玄関へ向かった。
鈴が睨んできたけど、無視無視。
「はぁい、今開けます」
誰かな、織斑先生?いや、織斑先生ならチャイム鳴らさないだろうし……。
思い当たらないまま、扉を開けると、見慣れた金髪と銀髪が……。
「あ、やっぱりここにいたんだね」
「やぁ、兄さん」
「シャル、ラウラ?」
OVAの話、こんなに長々とやるつもりなかったんだけどなぁ……。
もう少し続きます。