IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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ドイツ編書いてると、リアルでドイツに行きたいなぁと思いますね。

お金が貯まったら、いつか行ってみたいものです。


113話

 

「確かこっちの方に……」

 

 

すれ違いざまに聞こえた声の主を追って来たけど、だんだんと人通りが少なくなってきた。

 

誘い込まれた……?

 

 

「……これ以上は危ないか。クラリッサのところに……」

 

「戻ってしまうのか?ここまで追っておいて」

 

「なっ!?」

 

 

背後から声が聞こえ、僕は咄嗟に飛び退き、振り返る。

そこにいたのは、全身を黒いスーツで包んだ、大きな一つ目がついた黒い画面をつけた人物だ。

 

声からして、おそらく男……。

 

 

「あ、あなたは……」

 

「私か……どうやら篠ノ之束からは何も聞いていないようだな。まぁいい。教えてやろう。私は『ダイモン』という者だ」

 

「『ダイモン』……?」

 

「名前だけでは、少々不親切というものか。IS学園で襲撃してきた機体、ラウラ・ボーデヴィッヒのISに組み込まれていたVTシステム、福音の暴走……黒幕は私だ」

 

「なんだって?」

 

 

あれの全てを、この人が……?

わからない、そんなことをやってどんなメリットが?

 

 

「困惑しているようだな。まぁ、受け止める方が難しいというものか」

 

「なんでそんなことを……」

 

「順を追って説明してやろう。まずはあの球体……一応、私はダイモンオーブと呼んでいるのだがね。あれはIS学園の力がどの程度か知るのと、織斑一夏の能力を確かめるために差し向けた。結果としては、十分なデータを取る前に、君に破壊されてしまったがね」

 

「そんなことのために学園を襲ったっていうの?」

 

「君にとってはそんなものかもしれないが、私からすれば重大なことなのだよ。ブリュンヒルデである織斑千冬の弟だ。どんな力を秘めているか知る必要がある」

 

 

このダイモンという人物からすれば、一夏は不安要素だったっていうことなのか……?

 

 

「……VTシステムは?」

 

「あれは君の能力を知るために組み込んだ。ダイモンオーブを一撃で仕留めるだけのISを使いこなす君のね。あれで君のISデータを予想以上に取ることができた」

 

「そんなデータをとって、何をするつもり?」

 

「私の思惑を、そう簡単に喋るわけがなかろう?それに、まだ私の話の途中だ」

 

 

この人に付け入る隙がない。情報を引き出すのは難しいか……。

 

 

「次は……銀の福音だったな。あれは実験だよ」

 

「実験?」

 

「そう、実験だ。今世界の覇権を握っているのはISと言ってもいい。そのISを、開発者である篠ノ之束の手から離れさせる実験。福音はうまくやってくれたよ。落とされてしまったがね」

 

「一体どうやってISを……」

 

「その辺は篠ノ之束に聞くといい。それに、もうあの方法でISの主導権を握るのはやめたよ。IS一体を牛耳るのに、手間がかかりすぎる」

 

「なんで福音を……」

 

「たまたまさ。他意はない」

 

 

どうにも胡散臭い。

全て鵜呑みにしてもいいものかどうか。

 

 

「……IS学園をオーブが襲撃した時、見つけたという声が聞こえた。あれはあなたの声ですよね?」

 

「その通りだ。いやはやびっくりしたよ。二年前にドイツで初めて現れた時もだけどね」

 

「どういう意味?」

 

「V.コンバータを積んだ機体を私以外に所持していたからさ」

 

 

V.コンバータを知っている?

そういえば、あのオーブにもVコンバータが積んであった……

 

 

「なんでV.コンバータのことを……」

 

「君の両親の研究を盗んだからさ」

 

「なっ!?」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

将冴に待っていてと言われて言葉の通りにしているが……もうかれこれ30分以上経っている……。

 

 

「さすがに探しに行った方が……」

 

 

その時、ポケットに入れていた携帯電話が着信音とともに震えた。

 

電話?相手は……ルカか。

 

 

「もしもし」

 

『クラリッサ!?今どこにいるの!?』

 

「どこって、市街地の広場だが……」

 

『やっぱり……今すぐそこから離れて。できればハーゼの基地まで来て!』

 

「ま、待て!一体何が……」

 

『基地まで来たら説明するから、将冴くんも一緒に……エネルギーシールド0!?すぐに撤退させなさい!空軍に連絡して戦闘機による援護を要請して!……クラリッサ、いいわね。すぐに基地にくるのよ!』

 

「お、おいルカ!?……切れてしまった」

 

 

只ならぬ事が起きたのか……ここは言う通りにした方がよさそうだ。

 

将冴に連絡をして合流しなければ。

 

連絡先から将冴の番号を呼び出す。

しかし、すぐに切れてしまう。電波の届かない場所にいるのか?

 

 

「将冴……一体どこに」

 

 

胸騒ぎがする……早く見つけなければ。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「盗んだって……」

 

「言葉の通りだ。本当は機体データを盗もうと思ったんだが、見つからなかった。幸いにも、研究室にVコンバータのデータがあったから、それを拝借した。本当なら、直接聞き出して、機体データをもらうつもりだったのだが」

 

 

直接聞き出して……という事は、もしかして……

 

 

「まさか、あなたが……」

 

「君の考えている通りだ。私がテロリストを動かし、君たち家族を誘拐し、君の両親を殺し、君の四肢を奪った黒幕だ」

 

「な、あ……」

 

 

この人が……この……こいつが……お父さんとお母さんを……僕の手足を……

 

 

《警告。感情値、急上昇》

 

 

頭の中で声が聞こえる。これはスペシネフを発現した時と同じ……いや、そんな事はどうでもいい。

 

 

「お前が……お父さんとお母さんを……」

 

「怒っているのか。まぁ、無理もない。今まで過酷な人生を送ってきたとはいえ、君はまだ高校生だ。感情をむき出しにするのが当然だ」

 

「許せない……絶対に、絶対、絶対」

 

「さぁ、怒りをぶつけろ。そして見せてくれ。VTシステムを屠った負の塊を!」

 

「ダイモン!」

 

 

《感情値、規定指数を超えて上昇中。警告、これ以上感情値の増幅は危険です》

 

 

いちいち警告するな。

僕はこいつを……

 

 

「将冴!こんなところ、に……」

 

「クラリッサ……?」




難産が続きますね。
さて、昨日はうっかり普通にあとがき書いてしまいましたので、今日はオリキャラ紹介を。

滝沢洋子

28歳

IS学園の養護教諭。
養護教諭をする前は軍医をしていたとか、女版ブラック・ジャックだったという噂があるが、あくまで噂である。IS学園の養護教諭というだけで尾ひれがつきまくってしまった。本当に普通の養護教諭である。
将冴がよく保健室に運ばれてくるので、よく話す仲であり、千冬と真耶、クラリッサが将冴に向ける目が他の生徒と違うのに気づいて、外から見て楽しんでいる。
将冴の腹筋を見てから、腹筋フェチになったとかなってないとか……。
最近の悩みは出番が少ないこと。
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