IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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前書きのネタをひねり出すのが大変です。

毎日毎日そんなにネタありませんよね、普通。


114話

「どうして……」

 

 

待っててって言ったのに……拙い、クラリッサをダイモンに会わせるわけにはいかない。

 

 

「こんなところで何をしているんだ……そこの怪しい者は……」

 

「なんでもない、クラリッサ。今はこっちに来ないで!」

 

《感情値の低下を確認。スペシネフ展開シーケンスをキャンセルします》

 

 

スペシネフの展開がキャンセルされた?

感情が落ち着いたから?

 

 

「ふん、落ち着かせたか。興醒めだな」

 

 

ダイモンが僕らに背を向けて立ち去ろうとする。

 

 

「待て!まだ話が!」

 

「話の続きが聞きたいなら、篠ノ之束に聞くことだな。それと、今ドイツ軍が私の人形と遊んでいるようだ。どうやら、君の同級生が苦戦しているらしい。助太刀に行った方がいいぞ」

 

「なんだと……」

 

「聞けば妹のように接しているようじゃないか。こんなところで油を売っていていいのか?」

 

 

くっ、ダイモンを今すぐ捕まえたい……でも、ラウラ達が……。

 

 

「待て、そこを動くな。撃つぞ」

 

 

クラリッサが拳銃を取り出し、ダイモンに向けている。しかし、ダイモンは足を止めない。

 

 

「撃てばいい。無駄なことだ」

 

「動くなと言っているだろう!」

 

 

クラリッサがダイモンの足に向けて発砲する。しかし、弾は何かに弾かれるように消し飛んだ。

 

 

「なっ!?」

 

「無駄だと言っただろう。私は忙しいのだ」

 

 

ダイモンの姿が揺らぎ、フッと掻き消えた。

逃した……。

 

 

「なんだ、あいつは……」

 

「次……次に会ったら、必ず」

 

「将冴……あいつを知っているのか」

 

「……クラリッサには関係ない。これは僕のやらなきゃいけないことだ」

 

「しかし、将冴に危害を与える者なら放っておくことは……」

 

「関係ないって言ってるだろ!」

 

 

怒鳴ってから、ハッと気づいてしまった。僕はなんでクラリッサに八つ当たりのように……。

 

 

「将冴……」

 

「怒鳴ってごめん……ラウラの救援に行ってくる」

 

 

僕はテムジンを纏って、レーダーを頼りに交戦現場へ向けて飛んだ。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

将冴がテムジンで隊長の救援に向かうのを、私……クラリッサはただ呆然と見ることしかできなかった。

 

 

「あんな将冴を見るの……初めてだ」

 

 

今まで一緒にいたが、あんなに感情を剥き出しにするところを見たことがない。

 

思えば、将冴と過ごしてかなり経つが、将冴は本当の感情を表に出すことはあっただろうか。

 

あったとしても、自分でブレーキをかけていたのではないだろうか。

 

 

「まだ、私に本音は見せてくれないのか……」

 

 

その事が私の胸に突き刺さり、寂しく感じた。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

市街地に近づいてきた未確認機と交戦を始めてどれくらい経っただろうか。ハーゼから私……ラウラを含めて4体のISが出たが、私以外はシールドエネルギーが尽き、離脱した。

 

この未確認機……以前、見せてもらったIS学園でのクラス対抗戦で襲撃してきた球体と似ている。

 

ただ、あれと違うのは、大きな球体に小さな球体が何個も連なり、腕のようになっている事だ。

 

長いリーチと、強力なビーム兵器……厄介な相手だ。

 

私のシールドエネルギーは400と心もとない。空軍の戦闘機が援護に来たが、ミサイルはほとんど効いていないようだった。

 

 

「はぁ、はぁ……ルカ、援軍はまだ来ないのか?」

 

『基地のISを整備中ですが、まだかかります。もう少しだけ……この反応は?』

 

「なんだ?」

 

『そちらに高速で接近する機体が……識別信号確認。バーチャロンです!』

 

 

バーチャロン……兄さんが来てくれたのか!?

 

私は回線を兄さんに繋いだ。

 

 

「兄さん!」

 

『ラウラ、そこをどけて』

 

「え、あ、ああ……」

 

 

兄さんに言われた通り、少し動くと、私がいたところを高速で何かが通り過ぎていった。

 

 

「今のは!?」

 

 

テムジンがサーフモードで未確認機に突撃した。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

スライプナーをブルースライダーモードにし、ダイモンの作った機体にぶつかる。

 

前に襲ってきた球体と違い、腕がある……さしずめ、ダイモンアームと言ったところか?

 

 

「ふっ!」

 

 

ぶつかったと同時に、スライプナーをセイバーに戻し斬り下ろし、ダイモンアームを地面に叩きつけた。そんなに強くない……ラウラや、ハーゼのみんながエネルギーを削ってくれたおかげか。

 

 

「ライデン」

 

 

フォームチェンジでライデンを展開し、肩のバイナリーロータスを開く。

 

そして、チャージせずに左右の肩から交互にビームを放つ。

 

一発一発はチャージしたバイナリーロータスよりも格段に威力は下がるものの、連発されれば相手はひとたまりも無いだろう。

 

ダイモンアームはなす術なくビームを受け続け、火花が散り始め、そう時間は経たずに爆発した。

 

 

「……」

 

「兄さん!」

 

 

ラウラが僕に近づいてくる。

 

 

「助かりました。私だけではどうなっていたことか……兄さん?どうかしましたか?」

 

「……なんでも無いよ。基地に行った方がいいよね」

 

「はい、一応事情聴取をしなければならないので」

 

「じゃあ、早く戻ろう」

 

「あ、兄さん待ってください!」

 

 

僕は先に基地へ向かった。

その後を、ラウラが慌てて追いかける。




書いてて楽しくなってまいりました。

さぁ、頑張るゾォ。
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