なんで
さて、今回は少しだけ時間を戻して、模擬戦が始まるところからです。
新兵の皆さんがストレッチや筋トレなんかをそつなくこなしていき、訓練機の準備を始めた。
IS学園ほど数があるわけではないようで、出てきたのは3体のIS。
「ISはこれで全部?」
「いえ、あと1体ありますが、それは緊急時用の機体になってます」
「そう、わかった。もう模擬戦は始められるの?」
「はい、いつでも」
「それじゃあ、順番決めてください。僕は準備して待ってますので」
僕はそう言って、テムジンを展開。新兵の皆さんは、一箇所に集まりゴニョゴニョとなにやら作戦会議しているみたいだ。そんなに勝ちたいのかな……。
今日はいろんなフォームを使いまわしながら戦おうかな、などと考えていると、新兵の1人が僕のところまで走ってきた。
「将冴君、模擬戦の形式について相談が……」
「なんですか?」
「全員順番じゃなくて、成績上位3人と将冴君の乱戦にしたいんですけど……」
「乱戦?」
ドイツでは、そんな練習もしているのかな?
まぁ、僕は構わないけれども……。
「まぁ、いいけど、その場合は「いいんですね!ありがとう!みんな、許可おりたわよ!準備準備!」
最後まで言い切る前に遮られた。
乱戦の時はさっきの約束は無しって言おうと思っていたのに。
「はぁ……強引だなぁ」
「準備できました!」
「そして早いときた……」
訓練場には3人の新兵がISを纏って立っていた。
上位3名って言ってたけど、どれほどの実力なのか……。
『将冴君、準備はいい?』
アナウンスが流れる。
はぁ、諦めるしかないか。
勝たなきゃなにされるかわからないし、本気で向かおう。
「いつでも始めてください」
『では、カウント。5、4、3、2、1、試合開始!』
開始のブザーが鳴るとともに、新兵の3人が一斉に僕に向かってくる。
「うわぁ〜、それは酷いんじゃ……」
「戦闘に酷いもクソもないさ!」
「将冴君、覚悟!」
「1日私のものにしてあげる!」
とても僕より年上とは思えない。
だけどまぁ、なんとなくこうなるのではないかと思っていたよ。乱戦って聞いて。
「アファームド」
テムジンからアファームドにフォームを変えて、両手にサブマシンガンを持つ。
「乱戦なんだから、満遍なく戦ってほしいんだけどね!」
引き金を引き、サブマシンガンが火を噴く。
敵が3体だと、弾幕としては薄いか……止めれても2人。1人は……
「こっちがガラ空き!」
弾幕が意味をなさない近距離まで近づく。
弾幕を掻い潜って僕に迫った新兵は近接ブレードを手に斬りかかってくる。
「っく!」
右手のビームトンファーを起動させてブレードを受け止める。
さすがに軍で訓練されてるだけはある……。
「将冴君でも、3人はキツイでしょ?怪我をする前に降参してくれると助かるんだけど」
「申し訳ないですけど、僕には大事な人がいます。その人のためにも不貞をはたらくわけにはいかない。降参は以ての外です」
「男前なこと言うけど、3人の相手はどうするの?」
「簡単な話です」
空いてる左手にビームライフルを展開し、新兵のお腹の部分に押し付けた。
「へ?」
「1人づつ倒していけばいいだけです」
引き金を3回引く。
近距離でビームライフルを受ければ、かなりの衝撃が新兵を襲う。
「ぐぅっ!?」
「これであと2人です!」
ビームライフルを受けて隙だらけになったところで、顔面めがけて回し蹴りを繰り出す。
新兵はなんの抵抗もできず、壁に激突した。
「ふぅ、やり過ぎたかな」
「あんなあっさり!?」
「う、狼狽えるな!こっちはまだ2人いるんだから!一斉に仕掛けるわよ!」
「了解!」
残った2人が僕の周りを飛び回る。
撹乱、かな。
その状態のまま、アサルトライフルによる射撃が、僕に向かって放たれた。
「これは……」
周りは2人が飛び回っていて逃げ道がなく、アサルトライフルによる射撃で、少しずつシールドエネルギーが削られる。
一体多数は経験なかったけど、こんなこともされるのか。
「動けないでしょ?このまま私達の勝ちよ!」
「将冴君を1日お世話……愚腐腐腐」
「確かに動きにくくはなりました。でも……」
これくらいの弾幕、福音に比べたら!
「多少のダメージ覚悟で耐えれば問題はない!ライデン!」
フォームをライデンに変えて、肩のパーツを開く。
エネルギーを抑えて……
「70%、バイナリーロータス!」
両肩から極太のビームが放たれ、僕はそのまま周りを吹き飛ばすように、グルンと回った。
「ちょっ、そんなのアリ!?きゃあ!?」
「私の潤いがぁ〜!?」
バイナリーロータスに巻き込まれた2人は壁に激突。
ふぅ……囲まれた時は焦ったけど、いい経験をさせてもらったかな。
「3人とも、もう戦えないよね?終了の合図を……」
「まだよ」
「へ?」
声のする方を見ると、僕が最初に蹴り飛ばした新兵がスッと立ち上がった。
「まだ終わってないわぁ!」
「こっちだってぇ」
倒したはずの3人が立ち上がり、まるでゾンビのようや足取りでにじり寄ってくる。
いや、なにこれ!?
「ちょっ、3人とも〜?」
「「「全ては我等の潤いのために!!」」」
「なにその掛け声!?」
僕はすぐにテムジンに換装し、スライプナーで撃ち落とす……が
「腐腐腐、さぁ、降参しなさぁい」
全く効いていなかった。
「大丈夫よ、痛くしないからぁ〜」
「そう、先っちょだけよぉ〜」
「なんなんですかその執念は!」
スライプナーで切り捨てるも、すぐにスッと立ち上がり、僕に近づいてくる。
何度切り倒しても、何度撃っても、この人たちは倒れない。もうエネルギーほとんど無いのに!
「さぁ」
「お姉さんたちと」
「楽しいことしましょう!」
「ヒッ!?」
ごめん、クラリッサ……僕は負けてしまったよ……。
「やめんかこの馬鹿者どもがぁ!!」
「がふぅ!?」
僕が諦めた瞬間、誰かの叫び声とともに、新兵の1人が吹っ飛んだ。
一体なにが……。
「将冴、大丈夫か!?」
「く、クラリッサ……?」
新兵と同じISを纏ったクラリッサがそこにいた。
「待ってろ、こいつらにサンズリバーを渡らせる」
「クラリッサ大尉!こ、これは……」
「その、深い意味はなくてですね……」
「弁明は地獄でしろ」
3人は病院送りとなった。
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クラリッサがきっちり事後処理を新兵に押し付け、僕とクラリッサは市街地にある小さなレストランに来ていた。
「将冴、すまなかった。私がちゃんと見ていれば……」
「クラリッサのせいじゃないよ。僕が安請け合いしたせいで……」
「どうして、あんな約束を受けたんだ?」
「その……強引に押し切られて……」
女性同士の結束って、あんなに恐ろしいものなんだね……。数に比例するのかな。
「重ね重ね、本当にすまない……」
「謝らないで。クラリッサが助けに来てくれて、僕嬉しかったし、惚れ直したかな」
僕がそう言うと、クラリッサの顔が真っ赤に染まる。
「う、そ、その、直球で言うのは卑怯だ……」
「僕の彼女なんだから、別にいいでしょ?」
「あまり恥ずかしいことを言うなぁ!」
「ごめんごめん。これで許して」
僕はクラリッサの唇に軽くキスをする。
クラリッサはなにが起こったのかわからず、目をパチクリさせている。
「僕からするの初めてだね」
「や、やっぱり卑怯だ!」
「えぇ〜、じゃあどうしたら許してくれる?」
「えっ……そのぉ……」
ゴニョゴニョと小さく呟いて、聞こえない。
「なに?」
「だから、二人っきりのときに、もう一回してくれたら……」
うっ、これは僕も顔が熱くなる……。
「えっと……それじゃあ、寮に戻ってから……」
「……ぅん」
レストランで食べた料理の味を、僕は全然覚えていない。
ドイツ編書いてるとすごく楽しいですね。
あと2話で、ドイツ編おわらせようと思っています。
アメリカ編……実はまだあまり決めていないんだ……。
現実逃避のためにキャラ紹介いきます。
今日は織斑一夏と篠ノ之箒、セシリア・オルコットの2人。
織斑一夏
将冴と小学生のときからの付き合いというところ以外はあまり原作と変わったところはない。ただ、見せ場を将冴に何度も取られており、ハーレムが3人で止まった。
篠ノ之箒
原作と変わったところは少ないが、大きなところで言えば、将冴のおかげで力の使い方を正しく知ることができ、束ともわだかまりが取れた。
セシリア・オルコット
初登場時の例のアレがなくなった以外、変わった場所はない。