IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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とうとうドイツ編ラスト。そして、アメリカ編の始まりです。

作者、書いてて楽しかったです。ルカとかリョーボさんとか、久しぶりにかけたので。物語としても、かなり動きがありましたね。それにしても、2週間も書き続けたんですね、ドイツ編。毎日更新だから2週間で終わりましたが、毎週更新だったら14週間……84日もかかる計算ですね。

ちなみに、番外編合わせた全話で134話……この回を入れると135話。毎週更新だと135週で、日に直すと945日。だいたい2年半?

……こう見ると、なんか凄いですね……。


あ、今回はあとがきのキャラ紹介はありません。
次回はちゃんと書きます。


123話

8月15日。

僕とクラリッサ、ラウラ、ルカさん、リョーボさんは朝早くの空港にいた。

 

以前のように、ハーゼのみんながお見送りできないらしい。まぁ、ハーゼを空っぽにするわけにいかないからね。

 

 

「将冴、忘れ物はないか?」

 

「大丈夫。寮で一緒に確認したでしょ?」

 

「うぅ、そうだが……」

 

「ほら、クラリッサが不安がっていてどうするの。もし忘れ物があっても、日本で渡してあげればいいんだから」

 

「し、しかし……」

 

「あんた、そんなに将冴君と離れたくないの?昨日散々ヤったんでしょ?それでしばらくもたせなさいよ」

 

「な!?私と将冴はまだそんなことはしていない!!」

 

()()、ねぇ〜」

 

 

ルカさんがクラリッサをからかっている。まぁ、クラリッサの言う通り、そんなことはしていないのだけれど。……お休みのキスとかはしてるけど……。

 

 

「兄さん、クラリッサの何をやったんだ?」

 

「ラウラ、それはそのうち知ることになるから今は気にしなくていいよ」

 

「?わかった」

 

 

ラウラにはまだ早い。そのうち、授業でやるだろうし、こういうのは女性同士がいい。

 

もう一人の妹、シャルに任せよう。……まだ怒ってるかな……。

 

 

「また寂しくなるね」

 

「リョーボさん」

 

「1年前、将冴がいなくなったら、みんなしばらく元気が無くなってね。クラリッサなんか、もう目も当てられなくてな……」

 

「そうだったんですか……」

 

 

あの頃は電話すらできなかったから。本当にクラリッサには辛い思いをさせてしまっていたんだと、改めて考えてしまう。

 

 

「また来な。部屋はいつでも用意してやるから」

 

「はい。春休みとかには、また来れるようにします」

 

「ああ、待ってるよ」

 

 

リョーボさんと握手をする。

本当に、リョーボさんにはものすごくお世話になった。クラリッサと付き合えたのは、リョーボさんのおかげだ。

 

 

「将冴君」

 

 

クラリッサをからかい終わったのか、ルカさんが声をかけてくる。

 

クラリッサは顔を真っ赤にしてルカさんを睨みつけていた。散々弄んだようだ。

 

 

「1年前は見送りできなかったから、今回はできてよかった」

 

「そういえば、そうでしたね」

 

「クラリッサには、こまめに連絡してあげて。将冴君と離れるの、本当に辛いみたいだから」

 

「はい。僕も、クラリッサの声聞かないと、辛いですから」

 

「お、一丁前に惚気るわね。羨ましいわね、このこの」

 

 

ルカさんが笑いながら小突いてくる。

 

 

「本当に、お世話になりました。クラリッサとこうなれたのも、ルカさんのおかげです」

 

「そうそう、感謝しなさい。結婚式には呼んでね」

 

「ふふ、まだ早いですよ」

 

「そう。ま、仲人くらいはやってあげるから」

 

 

だから早いと……まぁ、いいや。

 

みんなと話しているうちに、時間が迫っていた。

むぅ……クラリッサとしばらくお別れだ……。

 

 

「そろそろ時間なので、僕は行きますね」

 

「ああ、体には気をつけるんだよ」

 

「またハーゼに来てね」

 

「また日本でな、兄さん」

 

 

リョーボさん、ルカさん、ラウラが言葉をかけてくれる。

 

 

「クラリッサ、毎日電話するから」

 

「ああ。待ってるからな」

 

「うん」

 

「たかが2週間でしょうに……」

 

 

ルカさんに突っ込まれてしまっけど、その2週間は本当に辛いんだからね!

 

 

「それじゃ、行ってきます」

 

「あ、ちょっと待って!」

 

 

行こうとすると、クラリッサに止められ、そのまま唇を奪われた。前にもこんなことがあった気がするけど……まぁいいや。

 

あの時よりも長いキスをして、唇を離した。

 

 

「行ってらっしゃい」

 

「うん」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「ずいぶん情熱的なキスだったわね」

 

 

案の定、ルカが煽ってきた。

予想できたとはいえ、そう言われると恥ずかしくも感じる。

 

 

「別にいいだろう。しばらくできないのだから」

 

「あぁ〜、はいはい。惚気は一人の時にお願いね」

 

 

そう思うのなら煽って来なければいいのに……。

 

 

「兄さん、大丈夫だろうか……」

 

「大丈夫ですよ、隊長。隊長の兄で、私の恋人なんですから」

 

「そうだな……さぁ、戻ろう。仕事だ」

 

「了解であります。隊長」

 

 

隊長も気になるのは当たり前か。

大丈夫、すぐに会える。

 

 

「リョーボさん、そろそろ戻りますよ」

 

「ああ、わかってるよ。さて、将冴とクラリッサの部屋を片付けなきゃね。痕跡は見つかるかねぇ」

 

「何を見つけようとしているんです!?」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

クラリッサと別れた後、ナターシャさんがチャーターしたという飛行機の搭乗口を探して、荷物を膝に乗せて車椅子を動かしていた。

 

 

「えっと……3番搭乗口は……」

 

「Hey!そこの少年」

 

「ん?」

 

 

突然声をかけられ顔向けると、そこにはテンガロンハットをかぶり、何故かタンクトップに迷彩柄のズボンを履いた、ガタイのいい白人男性がいた。

 

……はて、こんな人知り合いにいただろうか?

 

 

「少年、3番搭乗口をお探しかい?」

 

「え、ええ。そうですが……」

 

「そうかそうか、待っていたぞ!さぁ、こっちだ」

 

「え、あ、ちょっと!?」

 

 

白人男性は、そう言うと車椅子に乗っていた僕を荷物ごと抱え上げ、車椅子を片手で持ち上げた。

 

え、その車椅子、色々機械積んでるからかなり重いんだけど……ていうか、この状況は一体!?

 

 

「あ、あの、僕一人でいけますから……」

 

「チッチッチッ、障害を持っているなら遠慮はいらない。これは健常者としての義務だからな!」

 

「は、はあ……」

 

 

暑苦しい……なんだこの人。一体誰なんだ。

 

傍目からみたら、誘拐されているようにしか見えないぞ。これ。

 

 

「さ、ここが3番搭乗口だ!ふむ、時間もピッタリ、パーティに間に合ったぜ!」

 

 

担がれたまま3番搭乗口を通り、飛行機へと乗り込んだ。

いや、なんで誰も止めないの?

この状況みたら異常だとわかると思うのだけれど……。

 

 

「さぁ、少年の席はここだ!」

 

 

どかっと席に座らせられる。ちょっと腰打った……

 

 

「食べ物飲み物は自由に頼んでくれ!ナタルから手厚くもてなせと言われているからな!」

 

 

ナタルって、ナターシャさんのことだよね……。3番搭乗口だから、間違いではなかったようだけど……本当にこの人はなんなんだ!

 

 

「あの、あなたは……」

 

「ん?俺か?」

 

 

白人男性はくいっとテンガロンハットをあげてこう言った。

 

 

「俺の名はイッシー・ハッター。よろしくな、友よ!」




待 た せ た な
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