IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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とうとうアメリカ編です。

どのくらいの量になるか私も把握してないです。ドイツ編と同じくらいになるかもしれませんし、長くなるかもしれないですし、短くなるかもしれませんし……書いてみないとわかんないっす←


124話

 

イッシー・ハッターさんにより飛行機に担いで乗せられ、間もなくして飛行機は離陸した。

 

しばらくして、シートベルト着用のサインが消え、僕はすぐにシートベルトを外した。

 

あっちに着くのは昼頃。フライトは10時間くらいだから……あと一時間くらいしたら時差調整のために寝ようかな。

 

実を言うと、昨日はクラリッサとずっとベットの中でお話ししてたから、少々寝不足だ。

 

しかし、この飛行機……さすがはチャーター機というかなんというか……。少し豪華なホテルの個室のようだ。……お金のかけるところ違わないか?

 

 

「さぁ、少年。長いフライトになるぞ。何か食べるか?それとも何か飲むか?ドリンクはなんでもあるぞ!」

 

「えっと……それじゃあ水を」

 

「水でいいのか?欲がないな!ハッハッハ!」

 

 

暑苦しい……この人と10時間一緒なのか……周りにはいないタイプだから、どう対処したものか。

 

イッシーさんは僕に水のボトルを渡してくれる。

彼は手にウイスキーの瓶を持っていた。呑むのか……

 

っと、そういえば僕の自己紹介をしていなかった気がする。

 

 

「イッシーさん、挨拶が遅れてしまいました。ご存じかもしれませんが、柳川将冴です」

 

「ハッハッハ、わざわざ挨拶か!礼儀正しい日本人らしいな!よろしくな、ショウゴ!俺のことはハッターとでも読んでくれ!そっちの方が呼ばれ慣れているんだ」

 

「わかりました。ハッターさん」

 

 

ハッターさんは、それでいいと言いながらグラスにウイスキーを注ぎ、ぐいっと一口で飲み干した。

 

僕はそれを見ながら、水を少しずつ飲み込んだ。

 

 

「……ハッターさんは、ナターシャさんのお知り合いってことでいいんですよね?」

 

「ん?ああ、そうだ。ナタルとは一緒の部隊でな。階級はあっちの方が上で、こんな風にこき使われているってわけだ。ま、酒が飲めるのはありがたいがな!」

 

「やっぱり、ハッターさんも軍人なんですね」

 

「軍曹だ。ナタルは少尉。天と地の差だな。まぁ、今のご時世、女が優遇されるのは仕方ないがな。ISなんてものが出ちまったからな」

 

 

軍でも、女尊男卑の思考はかなり根付いているようだ。

ドイツ軍では、男の人と会ったことないからなぁ……。こういう話はあまりできなかった。

 

 

「でもまぁ、ショウゴのように男の操縦者が出て来てくれれば、これから世界も変わっていくさ。頑張ってくれよ!ハッハー!」

 

 

バシバシと背中を叩かれる。

痛いです、痛い痛い。

 

 

「むむ?さっき担いだときにも気になったが、かなり体が締まっているな!結構結構!あっちについてからの訓練が楽しみだな」

 

「はは……その言い方だと、訓練もハッターさんと一緒なんだね……」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

酔っ払ったハッターさんを相手しながら、仮眠を取りつつ到着を待った。

 

ハッターさんの相手をして、かなり疲れた……暑苦しいし面倒臭いんだもの、あの人……。

 

 

「む……ショウゴ。もう着くぞ!シートベルトを締めろ!」

 

 

いちいち叫ばなきゃダメなんですか……。

まぁ、言われた通りシートベルト締めますけど……。

 

機長からのアナウンスが入り、着陸態勢に。

着陸の衝撃で少し揺れたが、何も問題なく着陸した。

 

 

「着いたな。さ、荷物は俺が持とう。アメリカの大地への第一歩は自分で踏みしめるんだ!……お前の場合だと車椅子だから一歩ではないな」

 

「はは、そーですね」

 

 

おかしいな、仮眠は取ったはずなのに疲れた……。

 

ハッターさんは僕の荷物を持ってくれる。僕は車椅子に乗り移り、飛行機を降りた。

 

 

「それで、これからどうするんです?確か、午後から顔合わせっていう予定のはずですが……」

 

「ああ、そうだ。空港から車で向かうことになっている。そうそう、空港に迎えが来てるぞ。お前の知ってるやつだ」

 

「知ってる人……」

 

 

アメリカで、僕が知っている人なんて、あの人しかいない。

 

 

「ショウゴ!」

 

 

僕を呼ぶ声がし目を向けると、そこにはブロンドの綺麗な髪を揺らし、手を振るナターシャさんの姿があった。

 

 

「おう、ナタル!出迎えご苦労だな!」

 

「ハッターはお呼びじゃないわよ!ショウゴぉ〜、あのとき以来ね。もう会いたかったわ!」

 

「ナターシャさん、お久しぶりです」

 

「そんな他人行儀じゃなくていいわ。ナタルって呼んで」

 

 

うぅ、年上の人を相性で呼ぶのはなんだか気が進まない……。

 

 

「さ、長いフライトで疲れたでしょ?車椅子押すわね」

 

「あ、自分でできますから」

 

「いいからいいから」

 

 

ナターシャさんはなんとも嬉しそうに僕の車椅子を押してくれる。

 

 

「ふふ、ショウゴと会えるのを楽しみにしていたのよ!アメリカにいる間は、私になんでも言ってね」

 

「お、お世話になります……」

 

「おい、待てよ!お前人使い荒すぎるだろう!ショウゴを連れてきたのは俺だぞ!てか、俺とショウゴで扱い違いすぎるだろうが!」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

ナターシャさんに連れられて車に乗り込む。車にはすでに運転手がいて、助手席にハッターさん。後部座席に僕とナターシャさんが座った。

 

 

「チーフ、車出して。軍の養成所ね」

 

「ああ」

 

 

チーフと呼ばれた運転手さんは、車を発進させた。

横顔しかわからないけど、ハッターさんと同じくらいの歳かな?

 

かなり落ち着いた雰囲気を醸し出してる。

 

 

「おい、ナタル。わざわざチーフに運転させなくてもいいじゃねぇか」

 

「あら、頼んだら快く引き受けてくれたわよ?」

 

「だからと言ってよ、チーフだって代表候補生の指導があるんだぞ?」

 

「あら、知らないの?今日はショウゴと候補生たちの顔合わせで、指導はないわよ」

 

「し、知らねえぞ!そんなこと」

 

「まぁ、ハッターはショウゴの迎えに行ってもらってたからね」

 

「お前なぁ……前もって言えよ、そういうことは」

 

「別にいいじゃない。それに、ハッターは私よりも階級下なんだから、敬意を払いなさい」

 

「うるせぇ!俺より年下じゃねぇか!」

 

 

ナターシャさんとハッターさんが言い争っている。

あのぉ、車内でそういうことは……。

 

 

「二人とも。少し静かにしないか。彼が困っているぞ」

 

 

チーフさんが二人を止めてくれる。

なんだか、アメリカでやっとまともな人と会えた気がするよ。

 

 

「ご、ごめんなさいショウゴ!ちょっと熱くなっちゃって……」

 

「すまないな、ショウゴ」

 

「いえ、気にせずに」

 

 

アメリカでは、チーフさんに頼ったほうがいいかもしれないと、心の中にとどめることとなった。




ハッターに続き、チーフも出てきました。

バーチャロン知らないと、何が何だかわからないですね……申し訳ない。


今日のキャラ紹介は山田真耶。


山田真耶

原作と変わらず、最終決戦兵器(胸部装甲的な意味で)。
相変わらずのドジっ子。
今作では、おそらく一番のむっつり。
将冴の弟属性にコロっとやられてしまった。
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