へへ、試験終わった後に書くなんて偉いだろ……誰か褒めてくれよ……(涙目
一時間ほど車で移動し、到着したのはいかにもな基地だった。空港から思ったより近いんだな……。
「ショウゴ、ちょっとまってね。今降ろすから」
ナターシャさんが反対側の扉から車を降り、回り込んで僕の方の扉を開けた。
別に一人で降りれるのだけど……。
「おうおう、少尉殿は甲斐甲斐しく少年のお世話か」
「私がアメリカに呼んだんだもの。世話くらいするわ。ショウゴが居る一週間はモデルの仕事も全部休みにしたんだから」
「え、そうなんですか!?」
わざわざそんなことをしなくても……手足はないけど、日常生活にはそんなに困らないのに。
「ショウゴは気にしなくていいわ。私が好きでやってるんだから」
「いや、でも……」
「ほらほら、気にしないの。車椅子出して、今乗せてあげる」
なんだか申し訳ない気分になりながらも、拡張領域から車椅子を取り出す。ナターシャさんは、僕を抱き上げゆっくりと車椅子に乗せてくれる。
クラリッサに見られたら、すっごい怒るだろうな……。
「ナターシャ、いつもの部屋に候補生を待たせてる。私は事務所に寄って行くから、先に行っていろ」
「了解よ、チーフ」
「ハッター、お前は私とこい。先日の報告書に不備があったから書き直しだ」
「ガッデム!?嘘だろ、チーフ!」
「嘘ではない。書き終わるまで今日は帰るな」
「マジかよ……」
ハッターさんは目に見えて落ち込みながら建物に入っていく。チーフさんもそれに続いていった。
「なんだか、ハッターさんといると疲れますね」
「あ、ショウゴもそう思う?暑苦しいのよね、ハッターは」
ナターシャさんも同じ考えだったようだ。
あの人と、うまく付き合う方法を見つけないと、こっちにまで暑苦しさが移りそうだ。
「あ、そういえば、チーフさんって本名はなんて言うんですか?」
「チーフの本名?……そういえば私も知らないわね」
「知らないんですか?」
「ええ、初めて会った時からチーフって呼んでるから。まぁ、困ったこともないし、いいんじゃないかしら」
「そうですか……」
アメリカ……謎多き未踏の地……。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ナターシャさんに車椅子を押され、建物に入る。
中には、まさに軍人っという風な男の人がちらほら。全員がナターシャさんを見て敬礼し、僕には何故か熱い眼差しを送ってくる。……寒気がしてきた。
ドイツ軍では見なかったからなぁ……ハーゼにしか行ってなかったら当然か。
「みんな、ショウゴを見る目が違うわね。さすがは世界に二人だけの男性IS操縦者」
「というと?」
「ショウゴとブリュンヒルデの弟さんは、世界の男性の希望の的なのよ。今の女尊男卑の世界を変えてくれるってね」
飛行機の中で、ハッターさんにも言われたな。
まぁ、考えてみれば確かにそうか……僕の場合はかなり特殊な気がするけど……。
「さ、着いたわよ。ここで顔合わせ」
ナターシャさんが扉を開け、車椅子を押しながら中に入る。
そこには軍服を着た二人の女子がいた。一人は赤毛のショートカットで、キリッとした雰囲気の女子。もう一人は、ブロンドを一本に束ね肩から流し、そばかすのある女子。二人とも僕と同じくらいかな?
「ナターシャ少尉!」
赤毛の子が敬礼をし、ブロンドの子も少し遅れて敬礼した。
「楽にしていいわ。今日は一応オフの予定できたし」
「そうでしたか」
二人は敬礼を解くと、不思議そうな目で僕の方を見た。
まぁ、当たり前か。上官が日本人の男子を連れてきたら気になるに決まってる。
「二人とも、紹介するわね。彼が今日から留学することになった日本の男性IS操縦者の……」
「柳川将冴です。よろしくお願いします」
そう言って頭を下げる。アメリカって礼をする習慣ってなかったっけ……まぁいいか。
「知ってる知ってる!ニュースで見たからね。私、ステファニー・ローランド。ステフって呼んで」
「うん、よろしく。ステフ」
ブロンドの子……ステフが手を差し出しながら笑顔で答えてくれる。
僕は差し出された手を握り、握手をする。
「ジェニファー・キール」
赤毛の子……ジェニファーさんも腕を組みながらも挨拶をしてくれる。
「よろしく。僕のことは好きに呼んで」
「じゃあ、ショウって呼ぶね!この子のことも、ジェニーって呼んであげて」
「ちょっと、ステフ!」
と、お互いの挨拶が済んだところで、部屋にチーフさんが入ってくる。
「挨拶は済んだようだな」
ジェニファーとステフが敬礼をする。僕もした方がいいのかな……。
「楽にしろ。さて、ジェニーとステフ……それと将冴でいいか?」
「はい」
すごく流暢に僕の名前を呼んでくれた。例えるならカタカナから漢字になったような……。
「今日から一週間、この三人で訓練を行う。メニューを組んだから、目を通しておけ」
チーフさんから一週間の訓練メニューがビッシリ書かれた紙を渡される。午前中は体力作りのトレーニング、午後はISを使った模擬戦……なかなかハードなスケジュールみたいだ。
「将冴、午前中のトレーニングは参加できるか?」
「短時間なら、両手足を使えます。筋力トレーニングなら、胴体だけで大丈夫です」
「そうか。では、その都度メニューを伝える。他の2人はいつも通りだ。質問はないな?」
チーフさんがそう聞くと、ジェニファーがすっと手を挙げた。
「なんだ、ジェニー」
「はい、これから彼とISで模擬戦をさせてください」
「え?」
僕と模擬戦?
しかもこれからって……。
「……理由を聞こうか」
「日本の男性IS操縦者の実力が知りたいからです。失礼を承知で言いますが、ナターシャ少尉が呼んだとはいえ、私は彼にそれほどの実力があるとは思えません」
「ちょっと、ジェニー!」
ナターシャさんがジェニファーに詰め寄ろうとするが、チーフさんに止められる。
「……将冴、彼女はこう言っているが、お前はどうだ?」
そこで僕に話を振るのか……。
まぁ、そう思うのも仕方ないか……このご時世で、男の肩身は狭いから。
「僕は構いませんよ」
「ショウゴ!?別に受けて立たなくても……」
「ナターシャさん、僕はISの勉強のために来たんです。学べるチャンスがあるなら、僕は全て受けます」
留学という名目なのだから、糧になることをしなければ、来た意味がない。
「決まりだな。2人とも、準備しろ」
「「はい!」」
アメリカ編も波乱万丈の予感。
次回、早速バトルです。
今日の紹介はクロエ・クロニクルです。
クロエ・クロニクル
作者はアニメでその存在を知りました。
なので、設定があやふや。料理が苦手なはずなのに、この作品では家事全般をこなしています。
そして、車に乗るとスピード狂に。どうしてこうなった。
この作品で、一番原作からかけ離れていると思われる人物。