IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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今日も元気に更新更新……と言いたいですが、あまり元気ではありません。

へへ、試験終わった後に書くなんて偉いだろ……誰か褒めてくれよ……(涙目


125話

 

一時間ほど車で移動し、到着したのはいかにもな基地だった。空港から思ったより近いんだな……。

 

 

「ショウゴ、ちょっとまってね。今降ろすから」

 

 

ナターシャさんが反対側の扉から車を降り、回り込んで僕の方の扉を開けた。

 

別に一人で降りれるのだけど……。

 

 

「おうおう、少尉殿は甲斐甲斐しく少年のお世話か」

 

「私がアメリカに呼んだんだもの。世話くらいするわ。ショウゴが居る一週間はモデルの仕事も全部休みにしたんだから」

 

「え、そうなんですか!?」

 

 

わざわざそんなことをしなくても……手足はないけど、日常生活にはそんなに困らないのに。

 

 

「ショウゴは気にしなくていいわ。私が好きでやってるんだから」

 

「いや、でも……」

 

「ほらほら、気にしないの。車椅子出して、今乗せてあげる」

 

 

なんだか申し訳ない気分になりながらも、拡張領域から車椅子を取り出す。ナターシャさんは、僕を抱き上げゆっくりと車椅子に乗せてくれる。

 

クラリッサに見られたら、すっごい怒るだろうな……。

 

 

「ナターシャ、いつもの部屋に候補生を待たせてる。私は事務所に寄って行くから、先に行っていろ」

 

「了解よ、チーフ」

 

「ハッター、お前は私とこい。先日の報告書に不備があったから書き直しだ」

 

「ガッデム!?嘘だろ、チーフ!」

 

「嘘ではない。書き終わるまで今日は帰るな」

 

「マジかよ……」

 

 

ハッターさんは目に見えて落ち込みながら建物に入っていく。チーフさんもそれに続いていった。

 

 

「なんだか、ハッターさんといると疲れますね」

 

「あ、ショウゴもそう思う?暑苦しいのよね、ハッターは」

 

 

ナターシャさんも同じ考えだったようだ。

あの人と、うまく付き合う方法を見つけないと、こっちにまで暑苦しさが移りそうだ。

 

 

「あ、そういえば、チーフさんって本名はなんて言うんですか?」

 

「チーフの本名?……そういえば私も知らないわね」

 

「知らないんですか?」

 

「ええ、初めて会った時からチーフって呼んでるから。まぁ、困ったこともないし、いいんじゃないかしら」

 

「そうですか……」

 

 

アメリカ……謎多き未踏の地……。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

ナターシャさんに車椅子を押され、建物に入る。

中には、まさに軍人っという風な男の人がちらほら。全員がナターシャさんを見て敬礼し、僕には何故か熱い眼差しを送ってくる。……寒気がしてきた。

 

ドイツ軍では見なかったからなぁ……ハーゼにしか行ってなかったら当然か。

 

 

「みんな、ショウゴを見る目が違うわね。さすがは世界に二人だけの男性IS操縦者」

 

「というと?」

 

「ショウゴとブリュンヒルデの弟さんは、世界の男性の希望の的なのよ。今の女尊男卑の世界を変えてくれるってね」

 

 

飛行機の中で、ハッターさんにも言われたな。

まぁ、考えてみれば確かにそうか……僕の場合はかなり特殊な気がするけど……。

 

 

「さ、着いたわよ。ここで顔合わせ」

 

 

ナターシャさんが扉を開け、車椅子を押しながら中に入る。

 

そこには軍服を着た二人の女子がいた。一人は赤毛のショートカットで、キリッとした雰囲気の女子。もう一人は、ブロンドを一本に束ね肩から流し、そばかすのある女子。二人とも僕と同じくらいかな?

 

 

「ナターシャ少尉!」

 

 

赤毛の子が敬礼をし、ブロンドの子も少し遅れて敬礼した。

 

 

「楽にしていいわ。今日は一応オフの予定できたし」

 

「そうでしたか」

 

 

二人は敬礼を解くと、不思議そうな目で僕の方を見た。

 

まぁ、当たり前か。上官が日本人の男子を連れてきたら気になるに決まってる。

 

 

「二人とも、紹介するわね。彼が今日から留学することになった日本の男性IS操縦者の……」

 

「柳川将冴です。よろしくお願いします」

 

 

そう言って頭を下げる。アメリカって礼をする習慣ってなかったっけ……まぁいいか。

 

 

「知ってる知ってる!ニュースで見たからね。私、ステファニー・ローランド。ステフって呼んで」

 

「うん、よろしく。ステフ」

 

 

ブロンドの子……ステフが手を差し出しながら笑顔で答えてくれる。

 

僕は差し出された手を握り、握手をする。

 

 

「ジェニファー・キール」

 

 

赤毛の子……ジェニファーさんも腕を組みながらも挨拶をしてくれる。

 

 

「よろしく。僕のことは好きに呼んで」

 

「じゃあ、ショウって呼ぶね!この子のことも、ジェニーって呼んであげて」

 

「ちょっと、ステフ!」

 

 

と、お互いの挨拶が済んだところで、部屋にチーフさんが入ってくる。

 

 

「挨拶は済んだようだな」

 

 

ジェニファーとステフが敬礼をする。僕もした方がいいのかな……。

 

 

「楽にしろ。さて、ジェニーとステフ……それと将冴でいいか?」

 

「はい」

 

 

すごく流暢に僕の名前を呼んでくれた。例えるならカタカナから漢字になったような……。

 

 

「今日から一週間、この三人で訓練を行う。メニューを組んだから、目を通しておけ」

 

 

チーフさんから一週間の訓練メニューがビッシリ書かれた紙を渡される。午前中は体力作りのトレーニング、午後はISを使った模擬戦……なかなかハードなスケジュールみたいだ。

 

 

「将冴、午前中のトレーニングは参加できるか?」

 

「短時間なら、両手足を使えます。筋力トレーニングなら、胴体だけで大丈夫です」

 

「そうか。では、その都度メニューを伝える。他の2人はいつも通りだ。質問はないな?」

 

 

チーフさんがそう聞くと、ジェニファーがすっと手を挙げた。

 

 

「なんだ、ジェニー」

 

「はい、これから彼とISで模擬戦をさせてください」

 

「え?」

 

 

僕と模擬戦?

しかもこれからって……。

 

 

「……理由を聞こうか」

 

「日本の男性IS操縦者の実力が知りたいからです。失礼を承知で言いますが、ナターシャ少尉が呼んだとはいえ、私は彼にそれほどの実力があるとは思えません」

 

「ちょっと、ジェニー!」

 

 

ナターシャさんがジェニファーに詰め寄ろうとするが、チーフさんに止められる。

 

 

「……将冴、彼女はこう言っているが、お前はどうだ?」

 

 

そこで僕に話を振るのか……。

まぁ、そう思うのも仕方ないか……このご時世で、男の肩身は狭いから。

 

 

「僕は構いませんよ」

 

「ショウゴ!?別に受けて立たなくても……」

 

「ナターシャさん、僕はISの勉強のために来たんです。学べるチャンスがあるなら、僕は全て受けます」

 

 

留学という名目なのだから、糧になることをしなければ、来た意味がない。

 

 

「決まりだな。2人とも、準備しろ」

 

「「はい!」」




アメリカ編も波乱万丈の予感。
次回、早速バトルです。

今日の紹介はクロエ・クロニクルです。

クロエ・クロニクル

作者はアニメでその存在を知りました。
なので、設定があやふや。料理が苦手なはずなのに、この作品では家事全般をこなしています。
そして、車に乗るとスピード狂に。どうしてこうなった。
この作品で、一番原作からかけ離れていると思われる人物。
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