IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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ブレメモのメダルがたまっていく一方の作者です。とうとう500枚突破しました。三回ほどシングルで回しましたが、☆2しかでてません。

クラリッサが出たら全部投入します。待ってますからね(威圧


127話

 

「くっ!」

 

 

同時に迫る8本のビームを横に飛びながら躱す。

それでも全て躱せるわけない。

 

右足と左手をビームが掠めた。少しシールドエネルギーが減ってしまう。

 

 

「同時に攻撃されるのは苦手みたいね。今のくらいは無傷でくぐり抜けれると思ったんだけど」

 

「ちょっと予想外の攻撃でね。でも、どう戦えばいいかはわかった」

 

「なんですって?」

 

「ここからは僕のターンだよ。『アファームド』」

 

 

音声認識でアファームドを呼び出す。両手にはサブマシンガンを展開している。

 

 

「形状が変わった!?」

 

「単一能力とでも思って。さぁ、行くよ!」

 

 

サブマシンガンをジェニファーに向けて掃射する。

ジェニファーは装甲脚で体を守る。うん、やっぱり。

 

最初の近接戦、僕が苦し紛れに撃ったエネルギー弾、さっきの砲撃。おそらくジェニファーは装甲脚に依存し、戦闘の全てを任せている。

 

タイプとしては、セシリアに似ているんだ。セシリアもブルーティアーズのBT兵器に頼る傾向があり、自身の動きが疎かになる。兵器の違いはあれど、対策的にはセシリアと同じでいいはずだ。

 

 

「このっ、ちまちまと!」

 

 

4本の装甲脚で自身を守りながら2本の装甲脚をこちらに向けてビームを放ってくる。

 

 

「砲門2つくらいなら、何の障害でもない!」

 

 

サブマシンガンを掃射しながら横に飛び退く。ここから、接近する!

 

受け身を取りながら、瞬時加速で一気に近づく。

 

 

「瞬時加速!?でも、真っ直ぐすぎるわよ!」

 

 

瞬時加速のため、サブマシンガンでの射撃は止んでいる。

 

ジェニファーは装甲脚全てをこちらに向ける。同時にビームを撃つ気なんだろうけど、同じ攻撃なら見切るの容易い。

 

 

「手数が多くても、攻撃が単調じゃ意味ないよ!」

 

 

僕はバーティカルターンで右に軌道を変える。

 

 

「なっ!?瞬時加速中で軌道が!?」

 

 

目に見えて狼狽えている。

でもまだ攻めどきじゃない。

 

そのまま連続してバーティカルターンを繰り返す。ジェニファーの周りをグルグルと回るように。

 

 

「なんでそんなことできるのよ!この、この!」

 

 

ジェニファーが装甲脚の砲門で狙いもつけずにビームを乱射し始めた。

 

いい感じに狼狽えさせられたかな。早く隙を見せて欲しい。長い時間、この状態を保持するのは僕の体が耐えきれない。今も、鼻から血が出てると思う。上唇から血の味が……。

 

すると、完全に僕を捉えられなくなったのか、ジェニファーが射撃を止めた。ここだ。

 

完全な死角になっている背後から一気に近づいた。

 

 

「なっ……」

 

「これで終わりだよ」

 

 

両腕のビームトンファーを展開し、振り下ろす。

 

 

「ぐあっ!?」

 

「まだまだぁ!」

 

 

そのまま前方宙返り。そして後ろから攻撃されたせいか、後ろに仰け反ったジェニファーの顔面に……

 

 

「ぐむぅ!?」

 

 

かかと落としをお見舞いした。

 

あぁ……やりすぎたかな?

 

 

『ジェニー、シールドエネルギー0。将冴の勝ちだ』

 

 

チーフさんのアナウンスとともに、ナターシャさんとステフがこちらに向かって走ってくる。

 

僕はISを待機状態に戻し、義肢を全てつけて地面に立った。あぁ……ナターシャさんとかティッシュ持ってないかな。

 

 

「ショウゴ!……って、大変血塗れじゃない!は、ハンカチを」

 

 

僕の顔を見たナターシャさんがポケットからハンカチを取り出し、僕の鼻にあてた。

 

 

「な、ナターシャさん。ハンカチと手が汚れちゃいます!」

 

「いいのよ安物なんだし!」

 

 

いいんですか……。

 

 

「ジェニー、大丈夫?」

 

 

ステフは地面に倒れたままのジェニファーの顔を覗き込んでいる。すでにISは待機状態に戻したようだ。

 

……流石に、女性の顔面にかかと落としはなかったよね。

 

 

「……私、負けた。あんな貧弱そうな男に」

 

「もう、まだそんなこと言ってる!私から見ても、ショウの方がジェニーよりもすごかったよ。いい加減認めなよ」

 

「でも、車椅子なのよ!?そんな奴……に……」

 

 

僕の方を見たジェニファーが目を見開いた。

ああ、そういえば今義足つけてた。

 

 

「なんで立ってるのよ!」

 

「本当だ。ショウ足あったんだね!」

 

「その言い方は何か引っかかるんだけど」

 

 

この反応も、なんだか懐かしい。

 

 

「ジェニー。もう車椅子っていうのは使えないね」

 

「うう、でも貧弱そうなのは変わらないでしょ!」

 

「ちゃんとショウの体見た?」

 

「え?」

 

 

ジェニファーの視線が僕のお腹の方に移動していく。

 

あのぴっちりしていることで有名なISスーツのせいで、僕のお腹は見事に丸見えだった。

 

 

「……」

 

 

まさに、開いた口が塞がらない状態のジェニファー。

その様子を見たステフも、僕の方を見ながら、ジェニファーの肩に手を置いた。

 

 

「私もさっき気づいたけど、ジェニーは全てにおいてショウに勝ててないよ」

 

「うぅ……」

 

 

悔しそうな目を僕に向けられても……。

 

 

「ふふ、ショウゴの腹筋は芸術的ね」

 

「あの、そんなに触らないでもらえますか、ナターシャさん」

 

「あら、いいじゃない。ほらほら〜」

 

「あ、や、ちょっ!?」

 

 

ナターシャさんが執拗に僕のお腹を撫で始める。

いや、慣れてるけど、これ以上はクラリッサに顔向けできなくなる!

 

 

「二人とも、ご苦労だったな」

 

「チーフ!」

 

 

訓練場に降りてきたチーフさんを見て、ジェニファーが急いで立ち上がり敬礼した。僕も見よう見まねで敬礼をする。……ハンカチで鼻を抑えながら。

 

 

「楽にしろ」

 

 

そう言われ、敬礼を解く。

 

 

「ジェニー、満足したか?」

 

「……」

 

 

ジェニファーはまだ悔しさが顔に出ている。

 

 

「試合してわかっただろうが、将冴はジェニーよりも強い。今日、それを痛感できただろう。これを糧に、明日以降の訓練に取り組め」

 

「はい……」

 

「将冴。いい試合を見せてもらった。が、明日からの訓練では無茶をするな。その鼻も、無茶したせいだろう」

 

「はい。すみません……」

 

 

いろんな人に口すっぱく言われ続けたことを、今日あったばかりの人にも言われてしまった。

 

むぅ……今日のは無意識にやってしまったから、無茶というわけではないのだけど……。

 

 

「では今日はこれで解散だ。明日、遅れるんじゃないぞ」

 

「「「はい!」」」

 

 

僕、ジェニファー、ステフの声が重なった。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

チーフさんに解散と言われた後、ジェニファーはさっさとどっかへ行ってしまい。ステフは僕に一言「ごめんね」と言い残し、ジェニファーを追っていった。

 

僕はナターシャさんと基地を出た。

 

 

「さ、私の家に行きましょう。ショウゴ、疲れたでしょう?」

 

「本当に、ナターシャさんの家に泊まるんですね……」

 

「そうよ。だって、軍の寄宿舎なんて汚くて男臭くて、ショウゴがいていい場所じゃないわ」

 

 

いや、一週間くらいならそれで構わないのだけれど……。

 

 

「それとも、私と住むのは嫌?」

 

 

正直、あまり乗り気ではないのだけれど、ナターシャさんの好意を踏みにじるのは……。

 

 

「いえ、嫌ではないです」

 

「そう、よかった!」

 

 

はぁ……クラリッサに知られたらと思うと、気が重い。

 

もう夕方……ドイツはもう夜かな。クラリッサの声が聞きたい。

 

 

「何か、考え事?」

 

「え?」

 

「難しい顔してる。何か困ったことがあるなら、なんでも言って」

 

 

そんな顔をしていたか……。別に困っているわけではない。完全に惚気だ。

 

 

「いいえ、なんでもないです。さ、行きましょう」

 

「……ええ」




ナターシャのキャラが迷子に……。

大丈夫、書きなれてないだけ……多分。
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