IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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ふと思い出したのですが、バーチャロンの毒蛇三姉妹の末っ子の名前、「ジェニファー」・ポイズンって言うんですよね。

まさかのジェニファー被り。
まぁ、だからと言ってジェニファーの名前を変えるわけではありませんし、話を進めれば進めるほど毒蛇三姉妹が出しづらいという状況に陥っているので無理して三姉妹出す必要はないかなぁと。

(毒蛇三姉妹を擬人化(?)した時の容姿が浮かばないとか口が裂けても言えない)

まぁ、今後毒蛇三姉妹に似た名前の人は出るかもしれませんが、それはいつものごとく作者のその時のノリというやつです。


131話

 

「はぁ、はぁ……」

 

「ショウゴ、大丈夫?」

 

 

そう言いながら、ナターシャさんが膝枕してくれる。

いつもならやんわり断るものだけど、今はそれどころじゃない。

 

ハッターさんとのスパーリングで、義肢をつけられるギリギリの時間までずっと絶え間なくハッターさんに拳を打ち続けたんだ。頭痛はもちろんのこと、ハッターさんが「全力で打ち込め」というので体力もほとんど持ってかれた。

 

 

「もう、ハッターってばこんなになるまでスパーリング続けるなんて……ショウゴ、明日は断っていいのよ?」

 

「いえ……ハッターさんが、僕のためにやってくれているんです。無碍にはできませんし、僕も最後まで食らいつきたいです」

 

「でも……」

 

「大丈夫です。無理だと判断したら、すぐにやめます。どっちにしろ、義肢をつけていられるタイムリミットもありますから」

 

 

何より、アファームドで決定打を叩き込めるようになるのは僕としても大歓迎だ。

 

ようやく息も整ってきたところで、こちらに近づいてくる足音が2つ。ステフとジェニファーだった。

 

 

「ショウ、お疲れ様。お昼持ってきたよ。あまりがっつり食べられないだろうから、ゼリー持ってきたよ」

 

「ナターシャ少尉の食事も持ってきました」

 

「あら、ありがとう。2人とも」

 

 

ステフが僕に携帯食用のゼリーを、ジェニファーが食事が盛ってあるプレートをナターシャさんに渡した。

 

今の状態だと、そのまま飲めるゼリーは嬉しい。

僕は気だるい体をなんとか起こした。

 

 

「ありがとう、ステフ」

 

「お礼を言われるほどのことじゃないよ。それにしても、すごい汗だね。えっと、タオルは……」

 

 

と、ステフがタオル探そうとした時、バフッと僕の顔に何かが投げつけられた。

 

 

「うわっ……これ、タオル?」

 

「使えば」

 

 

ジェニファーはそれだけ言うと僕から離れた場所で、食事を始めた。

 

これ、ジェニファーが……

 

 

「ふふ、今のジェニファーにはこれが精一杯みたいだね」

 

「なんだかよくわかんないけど、一歩前進ってことでいいのかな?」

 

「昨日に比べたら、すごい進歩じゃないかしら?よかったわね、ショウゴ」

 

 

別に何かしたわけじゃないけど、少しは近づけたかな。

 

 

「ジェニファー、ありがとう」

 

「……」

 

 

ジェニファーは無視して昼食を食べ進めていた。

まだ先は遠いな……。

 

 

「ショウゴ、ゼリー飲める?口移しする?」

 

「大丈夫です」

 

「じゃあ、私がしてあげよっか?」

 

「ステフまで悪ノリしないで!」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

午後のISの訓練、僕はひどいものだった。

 

そりゃ、午前にあれだけ消耗すれば当たり前というか……。

 

まず、急上昇急降下の訓練だったのだけれど、急上昇はなんら問題はなかった。問題は急降下。地面ギリギリで止まれと言われたんだけども……。

 

 

「ショウ、大丈夫?」

 

「大丈夫……地面にクレーターできたけど……」

 

 

止まり切れず、地面に激突。

地面にクレーターを作り、ステフに心配されてしまった。

 

 

「……」

 

 

ジェニファーは、「昨日、私はこいつに負けたのか」とでも言いたそうな目でこちらを見ていた。いや、なんかほんと、ごめんなさい。

 

でも、今日はそれだけではなかった。

 

瞬時加速すれば、停止できず壁に激突。

フォームチェンジに10秒ほど時間がかかる。

射撃はあらぬ方向へ。

etc

 

こんなの、クラリッサやラウラに見せれない。

絶対幻滅される……。

 

 

『将冴、今日はもうやめよう』

 

「は、はい……」

 

 

チーフさんに訓練をやめさせられる始末だ。

……明日はハッターさんに手加減してもらおう。

 

ISを待機状態にして、訓練場を出た。

 

はぁ……ジェニファーとステフに迷惑かけちゃったな……。

 

 

「ショウゴ、お疲れ様。今日は大変だったわね……」

 

 

訓練場の外ではナターシャさんがいた。

ずっと僕の様子を見ていたみたいだ。

 

 

「はは、あんなにひどいことになるとは思いませんでした」

 

「あまり気にしちゃダメよ。ハッターには私から言っておくわ」

 

 

本気でやるなら、今日くらいやったほうがいいんだろうけど、午後のことを考えると少しペースを落としてもらわないと難しい……。

 

 

「今日はもう帰りましょう。チーフにはもう伝えてあるわ。帰りにどこか寄ってご飯にしましょう」

 

「はい……それじゃあ、着替えてきます」

 

「ええ」

 

 

あれだけの失敗を繰り返したのは初めてだ……あまりネガティヴにならないようにしないといけないんだけど、今日ばかりは立ち直るのは難しい……。

 

あぁ……クラリッサの声が聞きたい……。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

ショウゴ、かなり参ってるみたいね……。

まだ2日目なんだけど……

 

 

「あ、そうだ」

 

 

私は携帯を取り出し、番号を呼び出した。

 

数秒コールした後、相手が電話に出た。

 

 

「あ、もしもし。今夜暇かしら?……そう、ちょうどよかった。この前話してた子と夕食行くんだけど……いつもの場所で。……え、もういるの?……わかった、すぐそっちに行くから。じゃあね」

 

 

仕事が終わるには早い時間だけど……まぁ、いっか。

彼女に会えば、少しは気分転換になると思うし。

 

……それにしても、ショウゴ着替えにしては遅いような……。

 

 

「着替えに手間取っているのかしら。フフー、手伝いに行って、あわよくば……」

 

「何を手伝いに行くんですか?」

 

「きゃあ!?しょ、ショウゴいたの?」

 

 

ちっ……

 

 

「ええ、今来たところですが」

 

「そ、そう……なんでもないわ。さ、夕食食べに行きましょう」




次回、作者が全く書ける自信のない彼女が。

資料が少なすぎるんですよねぇ……。
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