IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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昨日お休みして申し訳ありません。

……この挨拶も何回目でしょうね……。

できるだけ休まないようにはしているんですが、やっぱり難しい日がありまして……。ご理解いただければと思います。


132話

 

基地を出て、ナターシャさんに連れられてきたのは小さなバーのようなお店だった。

 

なんでも、知り合いが待っているとか……

 

 

「このお店ですか?」

 

「そうよ、行きつけなの。さ、入りましょう」

 

 

店に入ると、中はガランとしていた。

まぁ、時間的にはまだ早いし、しょうがないか。

 

 

「おーい、ナタル。こっちこっち」

 

 

ナターシャさんを呼ぶ声。

目を向けると、テーブル席のほうに茶髪の女性が手にビールジョッキを持って座っていた。

 

 

「イーリ、待たせたわね」

 

 

ナターシャさんに車椅子を押されながら、その人の元へ。

 

近づいてわかったけど、テーブルの上には空になったジョッキが何個もある……結構飲んでるな……。

 

 

「ナターシャさん。このかたは?」

 

「紹介するわね。彼女はアメリカの国家代表のイーリス・コーリング。私の友達よ」

 

「よろしくな」

 

「それで、この子が貴重な男性IS操縦者の……」

 

「柳川将冴です。よろしくお願いします、イーリスさん」

 

「そんなにかしこまるなよ。私のことはイーリでいいぞ」

 

 

こっちの人は、相性で呼ばれないと気が済まないのだろうか……。

 

ともあれ、自己紹介も済んだところでテーブルにつく。お腹が減ってしょうがない。

 

 

「イーリ、もう飲んでいたの?」

 

「ナタルが来るのが遅かったからよ。あ、料理はテキトーに頼んでおいたから」

 

「あらそう、それじゃ私も飲もうかしら。ショウゴは?」

 

「水をもらえますか?」

 

「そんなのでいいのか?お前も飲もうぜ」

 

 

イーリスさんが茶化すように僕にジョッキを押し付ける。

 

 

「いえ、僕は……」

 

「なんだよ、つれねぇな」

 

「ちょっと、ショウゴはまだ未成年なの。マスター、ビールと水ちょうだい」

 

 

ナターシャさんが注文を伝えると、マスターらしき人が小さく頷いた。

 

数分とせずに、マスターがビールと水を持ってきてくれる。

 

 

「それじゃあ、ショウゴとの出会いを祝して」

 

「乾杯!」

 

「か、乾杯……」

 

 

僕は水だけど……

 

ナターシャさんとイーリスさんはビールを一気に飲み干した。

 

 

「っぷは!いやぁ、この一杯のために生きてるな」

 

「もう何杯も飲んでるくせして、何言ってるのよ」

 

「細かいことはいいんだよ。そうだよな、坊や」

 

 

坊やって……まぁ、そうかもしれないけど。

 

 

「そ、そうですね」

 

「なんだ?綺麗なお姉さん2人と一緒で緊張してんのか?」

 

「いえ、そういうわけじゃなくて……」

 

「イーリ、ショウゴは疲れてるんだから、あんまり絡まないでよ」

 

「疲れてるって……ああ、候補生たちと訓練してから来たのか。あいつら、かなりハードな訓練してるらしいからなぁ。まぁ、チーフが教官なら仕方ないかもしれねぇが」

 

 

チーフさんの訓練ってそんなにキツいのかな?

今日は色々疲れていたし、キツく感じる前に訓練やめさせられたし……。

 

 

「坊や、ジェニーに試合申し込まれてコテンパンにやられたんじゃないのか?あいつはかなり強いからなぁ」

 

「イーリ、コテンパンにやられたのはジェニーの方よ」

 

「え、マジかよ!お前ジェニーに勝ったのか!?」

 

「はい、まぁ、一応……」

 

 

コテンパン、というほどやってはいないけど……。

 

 

「じゃあ、疲れてるってなんで……」

 

「ハッターよ」

 

「あぁ……」

 

 

ハッターさんの名前が出ただけで把握できるのか。

まぁ、暑苦しいのはみんな知っているだろうしね。一緒にいるだけで疲れるからなぁ……。

 

 

「お待たせしました」

 

 

マスターさんが料理を運んできてくれる。

 

ステーキ、ピザ、フライドチキン……昨日と似たような……いや、こっちに来てから脂っこいものばっかりなんだけど!?

 

 

「きたきた、 さぁ食うぞ!」

 

「ちょっとイーリ!なんでこんな脂っこいものばっかり!」

 

「ナターシャさん、イーリスさんのこと言えませんよ」

 

「え?」

 

「昨日の夕食のメニュー、思い出してください」

 

 

ナターシャさんは思い出すような仕草をし、「あ」とだけ言って顔を青ざめた。

 

 

「なんだぁ?ナタルも人のこと言えねぇんじゃねぇか」

 

「き、昨日は、ショウゴがきたから……」

 

 

あの分のカロリーを消費するのはなかなか大変だったよ……。

 

 

「まぁ、1日食べたからってすぐにどうなるわけじゃないさ。ほら、坊やも食べなって」

 

「あはは……いただきます……」

 

 

明日も早く行ってトレーニングしよう。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「へぇ、それでその体にねぇ」

 

「うう、ショウゴ。そんな大変な人生を送ってたのね……」

 

「ナターシャさん、あなたが泣くことじゃないですから……」

 

 

飲み始めてから1時間ほど経ち、なぜか僕の身の上話を2人に聞かせていた。そんなに楽しいものじゃないし、僕もあまり話したくはなかったんだけど……断るのも興醒めしてしまうだろうし。

 

 

「ほら、ナタル。泣き止めって。坊やが困ってんぞー」

 

「イーリ、あなたは薄情よ!こんな話聞いて、何も思わないの?」

 

「いや、思うところはあるけど、ナタルが泣きすぎてて若干引いてる」

 

「なによそれぇ!」

 

 

まぁ、この2人を見ていると、なかなかに楽しいのだけれど……。

 

 

「もう、イーリったら……ちょっと席を外すわ」

 

「おう、トイレか。行ってこい行ってこい」

 

「わざわざ言わなくていいから!」

 

 

ナターシャさんは顔を赤くして、席を立った。イーリスさんに、いつも遊ばれているみたいだ。

 

 

「はっは、ナタルは何しても面白いからな。坊やもそう思うだろ?」

 

「まぁ、2人のやりとり見てると、楽しそうだなぁとは思います」

 

「まだ15なのに、達観してんな。面白くないってよく言われるだろ」

 

「いやぁ……はは」

 

 

実際に言われたことはないけど、自分でもなんとなくそう思う。

 

 

「……どうだ、ここは楽しいか?」

 

「楽しいですよ。ナターシャさんがいて、ハッターさん、チーフさん、ステフにジェニー。退屈はしないです」

 

「そうか。にしては、寂しそうな目をしてるな」

 

 

ドキッとした。

心の中を全部見透かされているようで。

 

 

「女か」

 

 

ニヤッとして聞いてくる。

ああ……その顔は少し腹がたつ……的確に当てられてるから余計に……。

 

 

「図星か。若いのにやるねぇ、ひゅう〜」

 

「だったら何ですか……もう……」

 

「どうもしねぇよ。ま、ナタルにはかわいそうなことしてると思うがな」

 

 

今の言い方……どういうことだろうか……。

 

 

「まぁ、お前は気にすんな。そうだ、訓練が辛かったら言えよ。ほれ、連絡先」

 

 

そう言って名刺を渡される。

んー……こうなんども渡されると、僕も名刺を持っていた方がいいのか、と思い始めてしまう。

 

日本に帰ったら、黛先輩に頼んでみようかな。

 

 

「いつでも連絡してくれ。相談くらいなら乗ってやるよ。性の悩みとか」

 

「そっちは結構です」

 

 

と、ここでナターシャさんが戻ってきた。

 

 

「イーリ!ショウゴのこと口説いているんじゃないでしょうね!ダメよ、ショウゴは私のものだから!」

 

「いや、ナターシャさんのものではないんですけど……」




イーリス難しい。
何回も書き直してしまいました。

「性の悩み」のところ、書き直す前は「一発くらいならやらせてやるぞ」ってなってました。

さすがにそれはないかなって……。
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