IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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140話です。

アメリカ編では、なかなか珍しいほのぼのした話が続くかもしれません。

デレジェニーがわからん。


140話

 

「……」

 

「……」

 

 

ジェニーと並んでキッチンに立ったのはいいものの、お互い特に会話もなく、僕は玉ねぎを、ジェニーは人参をみじん切りにしていた。

 

どうにもこれは居心地が悪い。

 

何か話題を……。

 

 

「ジェニーって料理はよくするの?」

 

「まぁね。ステフが壊滅的に料理できないから、ルームメイトの私がやるしかないのよ」

 

「ステフの料理ってそんなに壊滅的なの?」

 

「クッキー作らせたら、クッキーに見える劇薬ができたわ」

 

「あぁ……」

 

 

セシリアと同じだ。

見た目は問題ないのに、味が壊滅的にダメダメなんだ……。

 

 

「ショウも、手馴れてる感じがするけど」

 

「小さい時から、両親の帰りが遅い時が多くてね。人並みにはできるようになったかな」

 

「両親は、どんな仕事を?」

 

「新しいISの研究。僕のISの設計をしたのは、両親なんだ。それを、今僕が所属している企業が開発したってわけ」

 

「へぇ……すごい両親じゃない。今もISの研究してるの?」

 

「ううん。二年前に亡くなった」

 

 

ジェニーの手が止まった。

 

 

「ごめん……」

 

「気にしなくていいよ。知らなかったんだから仕方ないし。あ、人参それくらいでいいよ」

 

 

ジェニーがみじん切りにした人参を受け取り、油を引いたフライパンに移した。僕が切っていた玉ねぎも同様にフライパンに。

 

 

「ジェニー、冷蔵庫から卵出してもらえるかな」

 

「う、うん」

 

 

僕は火をつけ、人参と玉ねぎを炒める。ジェニーがすぐに卵を僕の近くに置いてくれる。

 

 

「ありがとう。あと、チーズもお願い」

 

「うん……何を作ってるの?」

 

「オムレツ。あとは大丈夫だから、ステフのところに戻ってていいよ」

 

「そういうわけにも行かないわよ。サラダくらいならすぐにできるし、トーストもあるから焼いておくわ」

 

 

ジェニーはトーストをトースターに入れ焼ける間に、冷蔵庫から野菜を取り出し切り分け始めた。

 

 

「わざわざありがとう、ジェニー」

 

「ナターシャ少尉にフォロー頼まれたんだから、これくらいはやるわよ」

 

「お客さんにやらせることじゃないんだけどね……」

 

 

なんだか申し訳ない気分だけど……。

っと、炒め終わったかな。一旦ボウルに炒めた玉ねぎと人参を移して、今度は卵をといてを焼き始める。

 

少し焼いたところで、さっき炒めた玉ねぎと人参を入れる。あとチーズも。

 

あとは、これを包むようにして……

 

 

「完成っと」

 

 

皿に今作ったオムレツを移す。うん、大きめに作ったし、お昼には丁度いいかな。

 

 

「ジェニー、そっちは?」

 

「とっくにできてるわ。ほら、私が運ぶから」

 

 

ジェニーはオムレツを奪い取るようにして持っていく。もう片手には、大皿で盛られたサラダが。

 

これくらいはできるのにな……。しょうがない、皿とかフォークとか、トーストに塗るバターとか持って行こう。

 

リビングに戻ると、暇そうに足をバタバタさせているステフがいた。

 

 

「あ、できた?」

 

「できたわよ。ほら、並べるからちょっと避けて」

 

「お、大っきいオムレツ!美味しそー」

 

「もう少しでトーストも焼けるね」

 

 

僕がそういった瞬間、トーストが焼きあがる。

 

 

「さ、遠慮せず召し上がれ」

 

「お言葉に甘えて」

 

 

ステフがオムレツを一口頬張ると、美味しそうに目を細めた。ジェニーもオムレツを一口。

 

 

「んー、美味しい!」

 

「そうね、なかなかやるじゃない」

 

「気に入ってくれたなら何よりだよ」

 

 

僕もオムレツを食べる。うん、我ながらうまくできたんじゃないかな。

 

 

「ショウ、本当に料理できるんだね。私もこれくらいできるようになりたいなぁ……」

 

「なら、まずはレシピ通りにできるようになりなさいよ」

 

「作ってるよ!ただ、隠し味とかをちょっとね……」

 

「ステフ、まずはレシピ通り作るようにしないと、料理は上達しないよ?」

 

「ショウまでぇ……」

 

 

そう嘆くステフをみて、僕とジェニーはクスクスと笑いをこぼした。

 

と、その時ピリリと僕の携帯が鳴る。

 

 

「あ、ちょっとごめんね」

 

 

携帯を見ると、クラリッサから電話が来ていた。そうか、あっちはもう仕事が終わる時間か。

 

思わず頬が緩んでしまう。

 

 

「おやおや、ショウの彼女から電話かな?」

 

 

ドキッとした。顔だけでわかったのか……?

 

 

「え、その顔……図星だった?」

 

「いや、まぁ……あはは」

 

「ショウ、彼女いたんだ……」

 

 

意外という顔をする2人。

高校生なんだから、彼女くらいいても不思議じゃないよね……?

 

 

「ごめん、少しだけ席外すね」

 

「えー!ショウの彼女見たい!テレビ電話にして、みんなでお話しようよー」

 

「ちょ、それはさすがに……」

 

「私も、ちょっと見たいかも……」

 

「ジェニーまで!?」

 

 

どうやら八方塞がりのようだ。

 

はぁ……

 

 

「相手に聞いてみるから、少し待ってて」

 

「うん、いい知らせを期待してるね」

 

 

期待されても……

 

とりあえず、電話に出ながらリビングを出た。

 

 

「もしもし、クラリッサ?待たせてごめんね」

 

『いや、何かあったのか?』

 

「うん、実は……」

 

 

僕はさっきのことをクラリッサに伝えた。

 

 

「というわけなんだけど、いいかな?断ってもいいんだけど……」

 

『いや、将冴が世話になっているんだ。私も少し話をさせてもらいたい』

 

 

クラリッサ、変なとこ律儀だな……。

まぁ、そこがいいところというか、なんというか……。

 

 

「わかった、じゃあテレビ電話に切り替えるね」

 

 

僕は電話の設定を切り替えながら、リビングに戻った。

 

 

「2人とも、OK出たよ」

 

「さっすがショウ!どんな子なのかな?」

 

「可愛い系の顔してるんじゃないかな?ほら、ショウもそんな顔してるし」

 

「ジェニーみたいな子かもしれないよ?」

 

「ステフ、それどういう意味?」

 

 

2人がなにやら予想しているけど……まぁ、みてもらったほうがいいか。

 

僕は携帯を立てかけれるように小物を集めて、テーブルの上に置いた。

 

 

「それじゃ、紹介するね。僕がお付き合いしている……」

 

『クラリッサ・ハルフォーフだ。将冴が世話になっている』

 

「「え……」」

 

 

2人は予想外とでも言いたそうな顔で絶句した。




クラリッサ成分が足りない。

将冴とクラリッサが絡んでいるイラストを誰か描いてください、お願いしますなんでもしますから。


作中、作者はつい癖で携帯携帯言ってますが、これスマホのつもりで書いてます。そのうち修正しようと思っています。
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