アメリカ編では、なかなか珍しいほのぼのした話が続くかもしれません。
デレジェニーがわからん。
「……」
「……」
ジェニーと並んでキッチンに立ったのはいいものの、お互い特に会話もなく、僕は玉ねぎを、ジェニーは人参をみじん切りにしていた。
どうにもこれは居心地が悪い。
何か話題を……。
「ジェニーって料理はよくするの?」
「まぁね。ステフが壊滅的に料理できないから、ルームメイトの私がやるしかないのよ」
「ステフの料理ってそんなに壊滅的なの?」
「クッキー作らせたら、クッキーに見える劇薬ができたわ」
「あぁ……」
セシリアと同じだ。
見た目は問題ないのに、味が壊滅的にダメダメなんだ……。
「ショウも、手馴れてる感じがするけど」
「小さい時から、両親の帰りが遅い時が多くてね。人並みにはできるようになったかな」
「両親は、どんな仕事を?」
「新しいISの研究。僕のISの設計をしたのは、両親なんだ。それを、今僕が所属している企業が開発したってわけ」
「へぇ……すごい両親じゃない。今もISの研究してるの?」
「ううん。二年前に亡くなった」
ジェニーの手が止まった。
「ごめん……」
「気にしなくていいよ。知らなかったんだから仕方ないし。あ、人参それくらいでいいよ」
ジェニーがみじん切りにした人参を受け取り、油を引いたフライパンに移した。僕が切っていた玉ねぎも同様にフライパンに。
「ジェニー、冷蔵庫から卵出してもらえるかな」
「う、うん」
僕は火をつけ、人参と玉ねぎを炒める。ジェニーがすぐに卵を僕の近くに置いてくれる。
「ありがとう。あと、チーズもお願い」
「うん……何を作ってるの?」
「オムレツ。あとは大丈夫だから、ステフのところに戻ってていいよ」
「そういうわけにも行かないわよ。サラダくらいならすぐにできるし、トーストもあるから焼いておくわ」
ジェニーはトーストをトースターに入れ焼ける間に、冷蔵庫から野菜を取り出し切り分け始めた。
「わざわざありがとう、ジェニー」
「ナターシャ少尉にフォロー頼まれたんだから、これくらいはやるわよ」
「お客さんにやらせることじゃないんだけどね……」
なんだか申し訳ない気分だけど……。
っと、炒め終わったかな。一旦ボウルに炒めた玉ねぎと人参を移して、今度は卵をといてを焼き始める。
少し焼いたところで、さっき炒めた玉ねぎと人参を入れる。あとチーズも。
あとは、これを包むようにして……
「完成っと」
皿に今作ったオムレツを移す。うん、大きめに作ったし、お昼には丁度いいかな。
「ジェニー、そっちは?」
「とっくにできてるわ。ほら、私が運ぶから」
ジェニーはオムレツを奪い取るようにして持っていく。もう片手には、大皿で盛られたサラダが。
これくらいはできるのにな……。しょうがない、皿とかフォークとか、トーストに塗るバターとか持って行こう。
リビングに戻ると、暇そうに足をバタバタさせているステフがいた。
「あ、できた?」
「できたわよ。ほら、並べるからちょっと避けて」
「お、大っきいオムレツ!美味しそー」
「もう少しでトーストも焼けるね」
僕がそういった瞬間、トーストが焼きあがる。
「さ、遠慮せず召し上がれ」
「お言葉に甘えて」
ステフがオムレツを一口頬張ると、美味しそうに目を細めた。ジェニーもオムレツを一口。
「んー、美味しい!」
「そうね、なかなかやるじゃない」
「気に入ってくれたなら何よりだよ」
僕もオムレツを食べる。うん、我ながらうまくできたんじゃないかな。
「ショウ、本当に料理できるんだね。私もこれくらいできるようになりたいなぁ……」
「なら、まずはレシピ通りにできるようになりなさいよ」
「作ってるよ!ただ、隠し味とかをちょっとね……」
「ステフ、まずはレシピ通り作るようにしないと、料理は上達しないよ?」
「ショウまでぇ……」
そう嘆くステフをみて、僕とジェニーはクスクスと笑いをこぼした。
と、その時ピリリと僕の携帯が鳴る。
「あ、ちょっとごめんね」
携帯を見ると、クラリッサから電話が来ていた。そうか、あっちはもう仕事が終わる時間か。
思わず頬が緩んでしまう。
「おやおや、ショウの彼女から電話かな?」
ドキッとした。顔だけでわかったのか……?
「え、その顔……図星だった?」
「いや、まぁ……あはは」
「ショウ、彼女いたんだ……」
意外という顔をする2人。
高校生なんだから、彼女くらいいても不思議じゃないよね……?
「ごめん、少しだけ席外すね」
「えー!ショウの彼女見たい!テレビ電話にして、みんなでお話しようよー」
「ちょ、それはさすがに……」
「私も、ちょっと見たいかも……」
「ジェニーまで!?」
どうやら八方塞がりのようだ。
はぁ……
「相手に聞いてみるから、少し待ってて」
「うん、いい知らせを期待してるね」
期待されても……
とりあえず、電話に出ながらリビングを出た。
「もしもし、クラリッサ?待たせてごめんね」
『いや、何かあったのか?』
「うん、実は……」
僕はさっきのことをクラリッサに伝えた。
「というわけなんだけど、いいかな?断ってもいいんだけど……」
『いや、将冴が世話になっているんだ。私も少し話をさせてもらいたい』
クラリッサ、変なとこ律儀だな……。
まぁ、そこがいいところというか、なんというか……。
「わかった、じゃあテレビ電話に切り替えるね」
僕は電話の設定を切り替えながら、リビングに戻った。
「2人とも、OK出たよ」
「さっすがショウ!どんな子なのかな?」
「可愛い系の顔してるんじゃないかな?ほら、ショウもそんな顔してるし」
「ジェニーみたいな子かもしれないよ?」
「ステフ、それどういう意味?」
2人がなにやら予想しているけど……まぁ、みてもらったほうがいいか。
僕は携帯を立てかけれるように小物を集めて、テーブルの上に置いた。
「それじゃ、紹介するね。僕がお付き合いしている……」
『クラリッサ・ハルフォーフだ。将冴が世話になっている』
「「え……」」
2人は予想外とでも言いたそうな顔で絶句した。
クラリッサ成分が足りない。
将冴とクラリッサが絡んでいるイラストを誰か描いてください、お願いしますなんでもしますから。
作中、作者はつい癖で携帯携帯言ってますが、これスマホのつもりで書いてます。そのうち修正しようと思っています。