IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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今週中にはアメリカ編を終わらせようと思ってます。

そのあとは束編か……目の前が真っ暗になりそう。

まぁ、どうにかなるはず……はず……

少し駆け足で話を進めたいと思います。


142話

 

アメリカに来て4日目。

 

午前中のハッターさんとのスパーリングを終え、昼食を取ろうと食堂へ続く廊下を歩いていると、後ろから声をかけられる。

 

 

「ショウ!」

 

 

振り向くと、こちらに小走りで駆け寄ってくるステフとジェニーの姿があった。

 

 

「ステフ、ジェニー。お疲れ様」

 

「ショウもお疲れ。前みたいに動けなくなるってことはなくなったみたいね」

 

「うん、少しペース落としてもらったから。今日は決め技の練習だけだったし」

 

「ああ、襲撃の時に叫びながら放ってたやつ?」

 

 

しっかりジェニーに覚えられていた。

 

でも、今日練習してわかったのだけれど、叫ばなければ本気で打てなかった。ハッターさんが、重要と言っていた意味がよくわかる。

 

 

「でも、よくついていけるね。ハッター軍曹のスパーリングはかなり厳しいって聞くけど」

 

「手加減してもらってるんだよ。じゃないと、僕だってすぐに倒れるさ」

 

「いやいや、あの体見ちゃうとその言葉は信用度低いよぉ〜?」

 

 

そう言われましてもね……。

小さい時から剣道で鍛えていたんだから、仕方ないというかなんというか……。

 

 

「その調子なら午後も問題なさそうね」

 

「うん。先日は迷惑かけちゃったから、今日はしっかりやらせてもらうよ」

 

「もうクレーター作らないでよね」

 

「善処するよ……」

 

 

一夏も授業で一回クレーターを作ってた気がするな……。

あまりISの操縦に関して、一夏に強く言えないかも。

 

 

「ジェニー、ショウ。早くランチ食べようよ。私お腹減っちゃった」

 

「僕もお腹ぺこぺこだよ」

 

「食べさせてあげようか?」

 

「ジェニーが食べさせるなら私も!」

 

「一人で食べれるから!」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

午後の訓練を無事に終えて、家に戻ると既に鍵が開いていた。ナターシャさん、帰ってきてるのかな。

 

 

「ただいま……」

 

「ショウゴォー!!」

 

「むぐう!?」

 

 

突然の抱擁。柔らかい感触が僕の顔を包み、息ができない。

 

 

「1日家を開けてごめんね。何も問題なかった?私はもう、心配で撮影どころじゃなったわぁ!」

 

「む、むぅ!?」

 

「あ、ごめんなさい!強く抱きすぎちゃった」

 

 

なんとか窒息死する前に解放されて、僕は一息ついた。

 

 

「ふぅ……お帰りなさい、ナターシャさん。お仕事、お疲れ様でした」

 

「ありがとう。ショウゴも訓練お疲れ様。ご飯にする?お風呂にするそれとも……」

 

「シャワー浴びてご飯が食べたいです」

 

「最後まで言わせてよ……イケズ」

 

 

どこでそんな言葉を覚えたんだ……アメリカでもそういう言い方するのかな?

 

とりあえず、シャワー浴びてこよう。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

ショウゴがシャワーを浴びに行っちゃった。

一緒に浴びようかと思ったけど、ショウゴにダメって言われるのはわかってるし、夕飯でも作りましょうか。

 

でも、ショウゴって性欲ないのかしら?結構誘惑してるつもりなのに、全部回避されて……ショウゴくらいの年頃なら、もっとお盛んだと思ったんだけど……。

 

 

「そういえば、ショウゴって彼女とかいるのかしら?」

 

 

そういえば気にしたことなかった。

 

……そうよ、IS学園なんて女の子の宝庫じゃない!毎日女の子あんなことやこんなことを……。

 

 

「って、ショウゴがそんなケダモノなわけないじゃない!それに、私には学生にはない色気だって……」

 

 

……色気があるはずなのに、ショウゴは反応しない……?

 

ますますわからなくなってきた。もしかしてショウゴってゲ……

 

 

ピリリリ

 

 

「きゃ!?け、携帯?」

 

 

テーブルに置いてある携帯の音に年甲斐もなく驚いちゃった。

 

あの携帯って……ショウゴのかしら?

勝手に出るのは失礼だし、ショウゴがシャワーから上がったら教えてあげましょう。

 

ピリリリ

 

ピリリリ

 

ピリリリ

 

 

「ダメ、やっぱり気になる!」

 

 

ショウゴには後でいっぱい謝りましょう。

 

相手は……クラリッサ?

確か、IS学園の教師にそんな名前の人が……。

 

留学という名目で来ているし、教師から連絡が来てもおかしくはないかしら。一緒に住んでいるし、私から挨拶しておいたほうがいいわよね?

 

私は通話ボタンを押して、携帯を耳に当てた。

 

 

「Hello」

 

『な……お前は誰だ?』

 

「失礼、ナターシャ・ファイルスです。ショウゴの宿泊先を提供している……」

 

『ナターシャ・ファイルスだと?なんでお前が将冴の携帯に……』

 

「ショウゴなら今シャワーを浴びてるわ。それで、一緒に暮らしているから、私からも挨拶をと……」

 

『一緒に暮らしているだと!?そんなこと一度も聞いていないぞ!』

 

 

聞いていないって、ショウゴ話してなかったのかしら?

 

 

「下宿先を提供しているんだけど……ショウゴから聞いていない?こっちにいる間は、私の家で一緒に……」

 

『聞いていない……ナターシャ・ファイルス。お前、将冴に変なことはしていないだろうな?』

 

「変なことって、私が留学に誘ったのに、そんなことするわけないじゃない!IS学園のほうからも、護衛を頼まれてるし……」

 

 

昨日は急な仕事でいなかったけど……。

 

 

『将冴に変なことをしたら許さないからな……』

 

「するつもりはないけど……」

 

 

一緒にシャワー浴びようとか、朝の処理を手伝おうとか、それくらいよ、うん。

 

 

「あなた、教師にしてはやけにショウゴのこと気にかけてるのね。ちょっと、一教師としては踏み込み過ぎじゃないかしら?」

 

『わ、私は!……その……』

 

 

なんか、途端に歯切れ悪くなったわね。

なんなのかしら、この教師。

 

 

『将冴のヘルパーも兼任している。心配するのは当然だ』

 

「あらそう。なら心配しないで、ショウゴのことは全部お世話するわ」

 

『そんなの信用できるわけ……』

 

「あ、そろそろ夕飯の支度しなきゃ。それじゃあ、ヘルパーさん。失礼するわね」

 

『ちょっ、まっ』

 

 

無視して電話を切る。

 

それと同時に、ショウゴがシャワーから上がってリビングに戻ってきた。

 

 

「シャワーあがりました。あれ、携帯鳴ってました?」

 

「ええ、IS学園の教師の人からよ。クラリッサって言っていたかしら?挨拶しておいたほうがいいと思って」

 

「え……」

 

 

ショウゴがなにやらマズイといったような顔をする。

 

あの教師といい、ショウゴといい、様子がおかしい。

 

 

「何か悪いことしたかしら?」

 

「い、いえ……ちょっと電話してきますので、携帯を……」

 

「ええ、はいどうぞ」

 

 

ショウゴに携帯を渡すと、すぐに電話をかけ始めた。

 

……もしかして……。




今作初の修羅場。

まさかナターシャと修羅場になるとは思わんかった←
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