例によって例のごとくリアルが忙しくて書く時間が取れませんでした。
不定期休載タグでもつけようかという血迷った考えが巡りました。まず毎日更新タグもつけてないから、なんのこっちゃですね。
突然せり上がった地面には、車一台が侵入できそうな通路があり、オータムさんはそこに迷いなく突っ込んだ。
十中八九、束さんが作った秘密の通路だろう。今まで束さんのラボに行くときは眠らされていたりしていたからどうなっていたかわからなかったけど、こうなっていたのか……。
通路を少し走ったところで車が止まり、オータムさんが車を降りた。
「ほら、着いたぞ」
「あ、はい!」
急かされながら車を降りて、すぐにトランクへ荷物を取りに行く。オータムさんに任せたままにするわけにはいかない。
「よっ、と……」
「荷物なら私が……」
「いえ、これくらいは自分でやりますので」
そう言うと、オータムさんは「そうか」と小さく呟き、近くにある扉から出て行く。
さて、少し気を張っておこう。束さんは何をしでかすかわからない。
オータムさんに続き扉をくぐると、そこには2年前にラボに来たときと同じ廊下が続いていた。
そしてこちらにゆっくりと近づいてくる、ラウラと同じ綺麗な銀髪の女性。
「将冴様、お久しぶりです」
「久しぶりです。クロエさん。少しの間お世話になります」
「はい、どうぞ寛いで行ってください。オータム様、お迎えお疲れ様でした」
「別に。私は部屋に戻るから、あとで酒持ってきてくれ」
「かしこまりました」
オータムさんはクロエさんにそう伝えると、自室であろう部屋へ籠ってしまった。
あ、お礼言ってなかった……。
「将冴様、早速部屋へ案内しますね」
「ありがとうございます。そうだ、荷物を置いたら束さんに挨拶しに行きたいんだけど」
「束様は、いつもの研究室にいます。将冴様に会いたがっていましたよ」
会いたがっていたときいて、嫌な予感がするのは僕だけだろうか……。何もされなければいいけど。
「では、こちらになります」
クロエさんに案内され、部屋へ向かう。
途中、少し廊下を見回すと、2年前より部屋の数が増えている気がした。オータムさんやスコールさんもここにくるから、増設したのかな?
そう時間もかからずに部屋へ到着する。部屋の中はベッドと必要最低限の家具が置いてあるだけのシンプルな部屋だった。
ただ……
「ベッド、大きすぎないかな……」
「キングサイズです」
「さいですか……」
束さんがいらんことを考えているのが丸分かりだった。まぁ、今に始まった事ではないし、気にしないでおこう。
僕は荷物をベッドの上に置きすぐに部屋を出る。
「すぐに研究室に向かわれますか?」
「はい。もう心の準備はできてます……」
「心の?」
「ああ、気にしないでください」
僕個人の問題だ。
数分とかからず、研究室の扉の前までくると、クロエさんがコンコンとノックした。
「束様、将冴様がいらっしゃいました」
……返答がない。束さんならすっ飛んできそうだけど……。
「束様?」
クロエさんが扉開こうと手を伸ばした瞬間、ゾクリと背後から嫌な予感がした。
マズい、と思ったときにはもう手遅れだった。
背中の方の服の隙間から、スルスルと何か入ってきて、ガシッとお腹を掴まれた。
「のわぁ!?」
「ムフフ、さすがしょーくんだねぇ〜。さらに逞しくなって、束さんは興奮度MAXだよぉ〜、ぬふふふふ」
後ろからそんな声が聞こえると、束さんが僕の服の襟の隙間からポンっと頭を出した。伸びる!襟が伸びちゃう!
「束さん!?これは何を!?」
「しょーくんの匂いに包まれながら、しょーくんの腹筋を愛でつつ、しょーくんの首筋をペロペロするための最・終・形・態!なんだよ。ペロペロォ〜」
「あ、や、ちょっと、首はっ!」
束さんが首筋を舐めてくる。くすぐったいし、なんだか変な感じがする。
「しょーくんの悶える姿だけでご飯10杯は行けそうだよ!」
「お、お願いだから、やめっ……クロエさん助けてください!」
「私としては、もう少し眺めていたいなと……」
しまった、クロエさんが束さんに毒されている……。
味方がいない。
背中にぴったりくっついてしまっているから手も届かないし、振り解こうにも服の間に入ってしまっているからふりほどけない。
どうすれば……
「義肢を外せ」
「え?」
「早く」
突然聞こえてきた声に戸惑いながらも、義肢を全て拡張領域にしまう。その瞬間、ガシッと腰あたりを掴まれ思いっきり引き抜かれた。
「わぶっ!?」
引き抜かれた僕は上半身裸のままに何者かに抱っこされた。……あれ、この匂い。
「あ!しょーくんがいなくなっちゃった!でも、この服はいいかもしれない……」
束さんは僕の服を身に纏い、くんくんと匂いを嗅いでいる。長時間飛行機に乗っていたから、着替えもしてないし、汗臭いはずだからやめてほしいのだけれど……。
「大丈夫か?」
「え、あ、すいません。助かりまし……た……」
「ん?なんだ?」
顔を上げると、そこにはよく見知った顔があった。
「千冬さん……?」
将冴とマドカが初顔合わせ。
はてさて、どうなることか……。