IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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予告通り、昨日はお休みさせていただきました。感想への返信も遅れてしまい申し訳ありません。

早めの連絡になりますが、日曜日の更新もお休みさせていただきます。ご了承ください。


149話

 

束さんのところに来て2日目の朝。

 

僕は何やら首を軽く締められているような息苦しさで目が覚めた。

 

 

「うっ……いつものか……」

 

 

どうせ束さんが僕のベッドに潜り込んで、抱きついてきているのだろう。

 

キングサイズのベッドを用意されたことからも、それは容易に想像できる。

 

さて、さっさと起こして義肢を返してもらおう。

 

 

「束さん、起きてくだ……」

 

 

顔を横に向けると、そこにはブロンド髪の綺麗な女性の顔があった。

 

え、束さんじゃない?ていうかこの人……

 

 

「スコールさん!?」

 

「うぅん……あら、おはよう。よく眠れたかしら?」

 

「あ、あの……これはどういう……」

 

「昨日は激しかったわね」

 

「何もありませんでしたよね!?」

 

 

寝ぼけているのか?

 

いや、絶対に僕のことをからかっている。スコールさんの目がそんな目をしている。

 

 

「本当のことを言うと、深夜に仕事から帰ってきて自分の部屋に行こうと思ったんだけど、将冴が来ているのを思い出したから、一緒に朝を迎えて驚かそうと思って」

 

「十分驚きましたよ……」

 

「それなら良かったわ。さ、起きましょうか。今車椅子に乗せてあげるわね」

 

 

スコールさんは僕を抱きかかえると、ベッドの近くに置いてあった車椅子に乗せてくれる。

 

しかし、深夜に仕事から帰ってきたとは……スコールさんは何をしていたのだろうか?

 

聞いてもいいものかどうか。

 

 

「とりあえず篠ノ之博士のところに行きましょう。私は報告することがあるし、あなたはメンテナンス頼んでいたんでしょう?」

 

「そう、ですが……」

 

「それじゃあ、早速行きましょう」

 

 

一緒に行くのなら、何をしていたか聞けるか。

同時に、ダイモンの話も聞かなきゃいけない……。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

束さんの研究室の前まで行くと、スコールさんが扉をノックする。

 

すると中から「はぁ〜い」と間延びした声が帰ってきた。

 

 

「失礼するわ」

 

「失礼します」

 

 

研究室に入ると、たくさんの画面を前にキーボードを叩く束さんの姿があった。

 

 

「篠ノ之博士、報告に来ました」

 

「やぁ、すーちゃん」

 

 

束さんはくるりとこちらを向き、スコールさんに冷たい視線を向けた。

 

 

「この束さんに報告する前に、しょーくんのベッドで一緒に寝るとはどういうことなのかな?」

 

「あら、私は1人では不便だろうと思って、そばで介助してあげようと思っただけよ?」

 

「しょーくんとの添い寝は束さんが一番最初にやる予定だったのに!」

 

「早い者勝ちよ」

 

 

なんだこれ……。

 

 

「しょーくん、この金髪ビッチに何もされてないよね!?」

 

「それは束さんがよく知っているのでは……?」

 

 

どうせ、あの部屋にはカメラでも仕掛けてあるだろうし。

というか、何もされていないと信じたい。

 

 

「何もされてないならいいんだけどぉ……。とりあえず、報告してくれる?」

 

「ええ。篠ノ之博士に頼まれていた、各国のIS整備に関わっている者の調査ですが、ほとんどの国でアレの息がかかった者がいるわね。まだ特定はできていないけど」

 

「そう。わかった」

 

 

束さんは考え込むような姿勢のまま、そう答えた。

 

スコールさんの活動範囲ってかなりものなのではないだろうか……。

 

 

「じゃあ次にしょーくん!とりあえずこれね」

 

 

束さんは僕の義手を取り出し、有無を言わさず僕の腕部分にドッキングした。

 

 

「義手のメンテナンスは終わったよぉ!バーチャロンはもう少し待っててね。義足はバーチャロンの拡張領域に入ってるから、義足もお預けね」

 

「はい、わかりました。ありがとうございます、いろいろと」

 

「しょーくんのためならえんやこーらだよぉ。それで、しょーくんは束さんにお話があるんじゃないかな?」

 

 

目つきが変わった……お見通しだったのか。

まぁ、束さんなら全て分かっていてもおかしくないか……。

 

 

「束さん……ダイモンについて教えてください」

 

 

僕の言葉に束さんは表情を変えずに頷いた。

 

 

「とうとうしょーくんも知るべき時が来たんだね。しょーくんは、ダイモンについてどこまで知っているのかな?」

 

「二年前、僕たち家族を誘拐した黒幕。最近僕の周りで起こっている事件にも全部絡んでいること……くらいでしょうか」

 

「ふぅん……ダイモンも随分大盤振る舞いしたみたいだねぇ……今しょーくんが言ったことは全部本当だよ」

 

「あいつは……いったい何者なんですか?」

 

「それを話すには、少し昔話をしなきゃいけないかな。話も長くなるだろうし、朝食を食べながら話そっか。すーちゃん、くーちゃんに頼んで朝食持ってきてくれるかな?」

 

「わかったわ」

 

 

スコールさんが研究室を後にする。

 

そして束さんはゆっくり語り始めた。

 

 

「そうだね……先ずは、あの事件のことから話さなきゃかな」




突然のシリアス。

Q.どうしてこうなった

A.眠かった←

次回から回想を何話か挟みます。
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