早めの連絡になりますが、日曜日の更新もお休みさせていただきます。ご了承ください。
束さんのところに来て2日目の朝。
僕は何やら首を軽く締められているような息苦しさで目が覚めた。
「うっ……いつものか……」
どうせ束さんが僕のベッドに潜り込んで、抱きついてきているのだろう。
キングサイズのベッドを用意されたことからも、それは容易に想像できる。
さて、さっさと起こして義肢を返してもらおう。
「束さん、起きてくだ……」
顔を横に向けると、そこにはブロンド髪の綺麗な女性の顔があった。
え、束さんじゃない?ていうかこの人……
「スコールさん!?」
「うぅん……あら、おはよう。よく眠れたかしら?」
「あ、あの……これはどういう……」
「昨日は激しかったわね」
「何もありませんでしたよね!?」
寝ぼけているのか?
いや、絶対に僕のことをからかっている。スコールさんの目がそんな目をしている。
「本当のことを言うと、深夜に仕事から帰ってきて自分の部屋に行こうと思ったんだけど、将冴が来ているのを思い出したから、一緒に朝を迎えて驚かそうと思って」
「十分驚きましたよ……」
「それなら良かったわ。さ、起きましょうか。今車椅子に乗せてあげるわね」
スコールさんは僕を抱きかかえると、ベッドの近くに置いてあった車椅子に乗せてくれる。
しかし、深夜に仕事から帰ってきたとは……スコールさんは何をしていたのだろうか?
聞いてもいいものかどうか。
「とりあえず篠ノ之博士のところに行きましょう。私は報告することがあるし、あなたはメンテナンス頼んでいたんでしょう?」
「そう、ですが……」
「それじゃあ、早速行きましょう」
一緒に行くのなら、何をしていたか聞けるか。
同時に、ダイモンの話も聞かなきゃいけない……。
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束さんの研究室の前まで行くと、スコールさんが扉をノックする。
すると中から「はぁ〜い」と間延びした声が帰ってきた。
「失礼するわ」
「失礼します」
研究室に入ると、たくさんの画面を前にキーボードを叩く束さんの姿があった。
「篠ノ之博士、報告に来ました」
「やぁ、すーちゃん」
束さんはくるりとこちらを向き、スコールさんに冷たい視線を向けた。
「この束さんに報告する前に、しょーくんのベッドで一緒に寝るとはどういうことなのかな?」
「あら、私は1人では不便だろうと思って、そばで介助してあげようと思っただけよ?」
「しょーくんとの添い寝は束さんが一番最初にやる予定だったのに!」
「早い者勝ちよ」
なんだこれ……。
「しょーくん、この金髪ビッチに何もされてないよね!?」
「それは束さんがよく知っているのでは……?」
どうせ、あの部屋にはカメラでも仕掛けてあるだろうし。
というか、何もされていないと信じたい。
「何もされてないならいいんだけどぉ……。とりあえず、報告してくれる?」
「ええ。篠ノ之博士に頼まれていた、各国のIS整備に関わっている者の調査ですが、ほとんどの国でアレの息がかかった者がいるわね。まだ特定はできていないけど」
「そう。わかった」
束さんは考え込むような姿勢のまま、そう答えた。
スコールさんの活動範囲ってかなりものなのではないだろうか……。
「じゃあ次にしょーくん!とりあえずこれね」
束さんは僕の義手を取り出し、有無を言わさず僕の腕部分にドッキングした。
「義手のメンテナンスは終わったよぉ!バーチャロンはもう少し待っててね。義足はバーチャロンの拡張領域に入ってるから、義足もお預けね」
「はい、わかりました。ありがとうございます、いろいろと」
「しょーくんのためならえんやこーらだよぉ。それで、しょーくんは束さんにお話があるんじゃないかな?」
目つきが変わった……お見通しだったのか。
まぁ、束さんなら全て分かっていてもおかしくないか……。
「束さん……ダイモンについて教えてください」
僕の言葉に束さんは表情を変えずに頷いた。
「とうとうしょーくんも知るべき時が来たんだね。しょーくんは、ダイモンについてどこまで知っているのかな?」
「二年前、僕たち家族を誘拐した黒幕。最近僕の周りで起こっている事件にも全部絡んでいること……くらいでしょうか」
「ふぅん……ダイモンも随分大盤振る舞いしたみたいだねぇ……今しょーくんが言ったことは全部本当だよ」
「あいつは……いったい何者なんですか?」
「それを話すには、少し昔話をしなきゃいけないかな。話も長くなるだろうし、朝食を食べながら話そっか。すーちゃん、くーちゃんに頼んで朝食持ってきてくれるかな?」
「わかったわ」
スコールさんが研究室を後にする。
そして束さんはゆっくり語り始めた。
「そうだね……先ずは、あの事件のことから話さなきゃかな」
突然のシリアス。
Q.どうしてこうなった
A.眠かった←
次回から回想を何話か挟みます。