IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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どうも、スランプ作者です。

今回と次くらいで過去編終わらせたいなぁ……。
書きたいこといっぱいあるし……。

あと報告なんですが、今後の書きたいことを羅列してみました。200話程度で終わるのかなぁと思っていたこの作品……明らかに200話じゃ終わりませんでした←

というわけで、皆さん。まだまだお付き合いくださいませ。


152話

 

「で、どこまで話したっけ」

 

 

束さんがパンを頬張りながら聞いてきた。そんな忘れるほど時間は経っていないはずなんだけど……

 

 

「白騎士事件の話までしてくれましたよ。そのあとは政府にISコアを作って、重要人保護プログラムが施行されて……」

 

「あぁ、そうだったね。で、束さんは適当な数のISコアを作ったあとに姿を眩ませたわけなんだよ。3年ほど」

 

 

3年……丁度その頃だろうか、僕と束さんが初めてあったのは……

 

 

「ちーちゃん以外には誰にも姿を見せなかったんだけど、思いがけず人と会わなくちゃいけなくなったんだよねぇ〜。しょーくんのお父さんとお母さんに」

 

「それはどうして……?」

 

「本当に偶然だったよ。たまたま倉持技研のサーバーをハッキングしてしょーくんの両親の研究データを見てたら、ダイモンが侵入していた形跡を見つけてね。何度も侵入していたから、どんなものを研究してるのか気になって、会いに行ったんだ」

 

「それってもしかして……」

 

「うん、しょーくんの家に初めて忍び込んだ日だよ」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

〜7年前〜

 

 

「ここか、あの研究者の家は……」

 

 

真夜中。束は目的の家の前に立っていた。

 

まず玄関の扉のノブを握りガチャガチャと開けようと試みるも、鍵がかかっていたため開くことはなかった。

 

 

「はぁ、面倒だなぁ……」

 

 

ポケットから針金を取り出すと、それを鍵穴に差し込み、ものの数秒でカチャリと鍵が開いた。

 

 

「さてさて、お邪魔させてもらおうかなぁ。もうすぐ帰ってくるだろう……し……」

 

 

玄関の扉を開きながら、束は言葉を止めた。

そこには小さな子供……妹の箒と同じくらいの少年が、竹刀を構えて立っていたのだ。

 

 

「お姉さん……泥棒?」

 

「む、失敬だな!この大天才の篠ノ之束を泥棒扱いなんて!」

 

「篠ノ之……束?」

 

 

少年は束の名前を聞き、頭をかしげた。

 

 

「もしかして、ISを作った人?」

 

「そうとも、その束さんだよぉ?」

 

「そうですか……それで、その篠ノ之束さんがうちに何の用ですか?」

 

 

竹刀を構えたまま、少年が問いかけてくる。

 

 

「ご両親に会わせてもらいたいんだけど、今いるかい?」

 

束は面倒臭いと思いながらも、答えなければ邪魔になりそうだと考え、聞き返した。

 

 

「まだ帰っていません……お父さんとお母さんに何の用ですか?」

 

「君には関係ないよ。それじゃあ帰るまで待たせてもらおうかな」

 

 

束は靴を脱ぐとずかずかと家に上がりこむと、リビングのイスに座り込んだ。

 

一方少年は、竹刀を玄関に立てかけ、すぐに台所へパタパタ走っていき、冷蔵庫から麦茶を取り出すと、それをコップに注ぎ、慣れた手つきで束の元へ持ってくる。

 

 

「どうぞ」

 

「気が効くねぇ。感心感心」

 

「お父さん達のお客さんだったら、これくらいは……」

 

「ふぅん……」

 

 

束はなぜだかこの少年のことが気になった。

 

最初は自分のことを泥棒扱いしたのに、両親に用があると言ったらお茶を出す……どうにも簡単に自分のことを信じすぎているのではないかと。

 

 

「……ねぇ、君。名前はなんて言うの?」

 

「……将冴。柳川将冴です」

 

「ふぅん……子供はもう寝る時間なんじゃない?」

 

「あなたが玄関のドアをガチャガチャする音で起きたんです」

 

「……そう」

 

 

そのあと、言葉が出てこなかった。

 

年端もいかぬ少年と2人きりの時に、この沈黙は束でも居心地の悪さを感じた。

 

ふと、束が将冴に目を向けると、頭がカクンカクンと船を漕いでいた。確かに、子供には辛い時間帯だろう。

 

 

「(なんだか、箒ちゃん見ているみたい)君、部屋で寝たらどうだい?私はべつに何か盗みにきたわけじゃないし、君の両親と会うつもりだから、心配いらないよ」

 

「でも……お客さんを一人待たせるのは……」

 

「気にしなくていいから。ほら、自分の部屋に……」

 

「……すぅ……」

 

 

束の言葉は将冴には届かず、彼はひテーブルに突っ伏して寝息を立て始めた。

 

そして、それと同時に玄関の扉が開く音が聞こえてきた。

 

 

「鍵が開いてる?将冴、閉め忘れたのか?」

 

「変ねぇ。あの子しっかりしてるから、かけ忘れるなんてこと一度もなかったのに……あら、見慣れない靴が……」

 

「一夏君かな?……いや、今日くるという話は聞いてないし、サイズが違う……」

 

「玲二さん……」

 

「有香、俺の後ろに……」

 

 

どうやら束の目当ての人が帰ってきたようだ。

束の靴を見て、誰か入ってきていると思ったのだろう。

 

束は椅子に座ったまま、待つことにした。

 

やがて、ゆっくりとリビングの扉が開き、1組の男女が入ってきた。

 

 

「やぁ、待ちくたびれちゃったよ」

 

「き、君は誰だ!将冴は……」

 

「そこで突っ伏してるよ。あ、私が無理やり寝かせたとかそういうわけじゃないからね。何も危害を加えるつもりもない。早く部屋に連れて行ってあげてよ」

 

 

束の言葉に玲二と有香は互いの顔を見合わせ、頷く。

 

有香が急いで将冴を抱きかかえ部屋に向かい、玲二は束に警戒しながら近づいた。

 

 

「君はいったい……」

 

「篠ノ之束、って言えばわかるでしょ?ちょっとお話があってきたんだよ」

 

「篠ノ之……IS開発者の君が、俺に何の話があるというんだ」

 

「君たちの研究について。私の嫌いなやつが、興味を持っているみたいだから聞いてみようかと思ってね」

 

 

玲二からすれば何の話かさっぱりだが、IS開発者がこうして直接会いに来るというのはただ事ではないのがよくわかった。

 

 

「私も興味あるんだよ。少し研究を見せてもらったからね。外付けディスク型記憶媒体による容量の増加、それによるIS装甲の換装機能……なかなか面白いこと考えるよね。束さんですら思いつかなかったよ」

 

「篠ノ之束にそう言ってもらえるのは嬉しいが、研究を盗み見るのは犯罪だぞ」

 

「束さん的には些細な問題だよ。で、これは何のために作っているのかな?君たちの意図を聞きたいのだけれど」

 

「意図だと……?」

 

 

束はたかをくくっていた、

どうせ戦いのためにこんな研究をしているのだと。

 

 

「……ISの活動の場を広げるためだ」

 

「……え?」

 

 

束からすれば予想外の答えだった。

 

 

「ISは兵器としてだけ運用されるべきではない。篠ノ之束、君がISを作ったのは軍事利用されるためではないだろう?」

 

 

見透かされた気分がした。

 

自分がISを作った理由……宇宙への夢。

 

 

「……君が俺たちの研究をについて何か物申すことがあるなら、甘んじて受けよう。所詮は君のものに手を加える、浅はかな研究だ」

 

「……そう。まぁ、そんなのどうでもいいけどね」

 

 

束はスタスタと玲二の横を通り過ぎ、玄関に向かう。

 

 

「お、おい」

 

「またね、れーちゃん。ゆーちゃんと仲良く頑張ってね。あ、あと……」

 

「あと?」

 

「しょーくん、大切にしないとダメだぞ」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「今思えば、最後までダイモンのことを二人に伝えてなかったなぁ、って」

 

「束さんが伝えていなくても、あの時はどうにもなりませんでしたよ」

 

「そうかもしれないけど……」

 

「篠ノ之博士が珍しくへこんでるわね」

 

「だって束さんが認めた数少ない人なんだよぉ〜。なんだか思い出すと気分が落ちちゃうよ……」

 

 

確かに、こんなにへこむ束さんを見るのは珍しい。

 

まぁ、へこみながらも朝食は食べ続けているのだけれど。

 

 

「それで、ダイモンに関係する話はそれだけなんですか?」

 

 

両親の研究の話は、前にダイモンから聞いた話で補完できたからいいとして、束さんとダイモンの確執がこれだけとは思えない。

 

 

「あとは……」

 

「篠ノ之博士、それについては私が話すわ」

 

「スコールさんが?」

 

「ええ、私やオータムと関係ある話だから。私達……亡国機業(ファントム・タスク)のね」




うまく書けないなぁ……。

ここまで壮大な話にするつもりなかったから、そのしわ寄せがきた感じですかね……。

まぁ、なんとか頑張りマッス。
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