IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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過去編ラスト。

何が何でもラスト。

過去編なんてやるんじゃなかった!
今回は回想ありません。

回想って書きづらいですね……しみじみと思いました……


153話

 

「亡国機業?」

 

「私とオータムがいた組織よ。今も便宜上そう名乗っているけどね」

 

「その組織が、ダイモンと繋がりが?」

 

「繋がりというか……むしろ、亡国機業はダイモンが所持している組織の中の一つだったのよ。ダイモンはたくさんの裏組織を操っていたの」

 

 

裏組織……おそらく、僕が普通に過ごしていれば耳に入らないようなものだろう。

 

順当に、僕は真っ当な道を外れてきている気がしてきた。

 

 

「亡国機業は、世界中の裏社会に浸透している組織だった。戦争に介入してその戦いが長引くように操作して兵器を売って利益を得ているような組織だった」

 

「スコールとオータムさんが、そんな組織に……」

 

「あの頃は、それが正しいと思っていたからね。部下を信じ込ませるために、世界平和のためとかいう薄っぺらな言葉に何の疑問も感じてなかった」

 

「……それで、どうしてその組織を抜けようと?」

 

「ダイモンの闇を見てしまったから……かしらね」

 

 

ダイモンの闇。裏組織をいくつも牛耳るダイモンの闇が、どれだけ深いものなのか……。

 

スコールさんとオータムさんが組織を抜けようと思うほどのものとは、いったい……。

 

 

「ダイモンの命令一つで、たくさんの人が死ぬ。下手すれば、簡単に国一つが滅ぶかもしれない。そんな力を持った人の元にいるのが、嫌だったの」

 

「よく組織を抜けることができましたね。そんな危険な組織なのに……」

 

「篠ノ之博士のおかげよ。亡国機業では、私とオータムは任務中に死んだことになってるわ」

 

「ちょうど束さんの手足になってくれる人を探してたんだよねぇ。すーちゃんとアレの実力は申し分なかったし」

 

 

アレって、オータムさんのことか……そういえば、前に電話でオータムさんのことを「それ」って言っていたな……あの時はわからなかったけど。

 

 

「ダイモンは恐ろしい相手よ。自分の目的のためなら、人が死ぬのも厭わない……いや、あれを目的と言っていいのか……」

 

「ダイモンの目的……?」

 

「世界の混乱だよ」

 

 

束さんがなんの興味もなさそうに言い放った。いや、おそらく本当に興味がないんだろう。

 

 

「世界の?」

 

「そ。そんなことをして何がしたいのか知らないけどねぇ。苦しむ人たちを見たいとか、そのまま自分か世界を支配するとか、そんなどうでもいい理由だよ。まぁ、あいつの目的なんて束さんは知ったことじゃないよ」

 

「束さん……」

 

 

知ったことじゃないなら、なぜここでダイモンの話を……。

 

 

「ふふ、知ったことじゃないのに、なんでダイモンを追っているのかって顔しているね」

 

「そんなに顔に出てましたか?」

 

「思いっきりね。まぁ、理由は3つだよ」

 

 

束さんが指を3本立てて、僕の顔に当たるくらいまで手を近づけてきた。

 

 

「一つは、束さんの大切な人たちが危険になるから」

 

 

束さんの大切な人……千冬さんや一夏、箒のことか……。

 

 

「二つは束さんの子供たちに手をかけたから」

 

 

子供たち、というのはISのことかな。

VTシステムや、福音の時のことを言っているんだろう。

 

 

「最後、これは感情論みたいになってしまうんだけどね……束さんの夢の行き先を邪魔してるから」

 

「束さんの夢……?」

 

「目の前に障害があったら、ぶっ飛ばすしかないでしょ?えいえいって」

 

 

束さんが何もないところに拳を放つ。

 

 

「あ、それともう一つあった」

 

「もう一つ?」

 

「うん。しょーくんを傷つけたから、束さんはダイモンを許さないんだ」

 

 

今までで一番怖い顔をして、束さんが呟いた。

 

隣でスコールさんも顔を引きつらせて怯えていた。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

朝食を食べ終わり、ダイモンの話も大方聞いたところで、研究室の扉が開いた。

 

そこにはクロエさんとオータムさんがいた。

 

 

「束様、食事はお済みですか?」

 

「あ、くーちゃん。もう食べ終わったから下げてもいいよぉ〜」

 

「かしこまりました」

 

 

クロエさんは僕らが食べた食器を片付け始める。

 

オータムさんはというと、カツカツと靴音を鳴らしながらスコールさんに詰め寄っていた。

 

 

「おい、スコール。帰ってたんなら一言いえよ」

 

「あら、心配してくれたの?相変わらず優しいんだから」

 

「そんなんじゃねぇよ!ったく……」

 

「そうやってすぐヘソ曲げちゃって、愛しの彼の前よぉ〜?」

 

「な、ば!?本人いる前でそういうこと言うんじゃねぇよ!」

 

「愛しの彼については否定しないのね」

 

「ち、ちげぇぞ!そんなこと思ってねぇからな!」

 

「もう、素直になっちゃいなさいよ。じゃないと私が取っちゃうわよ?」

 

「ふ、ふん!勝手にすればいいだろ!わ、私には関係ないからな!」

 

「あ、そう。それじゃ、今夜も将冴と寝ちゃおうかしら」

 

「今夜『も』!?」

 

 

あぁ……スコールさんがオータムさんで遊んでる。まぁ、スコールさんの気持ちもわからないではない。なんとなくオータムさんっていじりたくなるんだよね……。

 

 

「すーちゃん!しょーくんと寝るのは束さんだよ!」

 

「あら、これは三つ巴かしら」

 

「だから私は!」

 

 

ここにいる間は、退屈しなさそうだ。




やっと書きづらいところ終わった……と思う。

次から少しラブコメってもらってちょっとお使いして束編終わりかな。

早く学園に帰りたいね……
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