IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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読者の皆さんは昨日のサマーウォーズ見ましたでしょうか?

作者はサマーウォーズを見ていて、更新すっかり忘れてました←

帰ってきたらちょうどやってたんだもん!


159話

 

「本日は朝早くからありがとうございました」

 

「いえいえ、こちらこそ何のおもてなしもできず」

 

 

と、玄関先でクロエさんとアランさんが握手をした。

どうやら話は滞りなく終わったようだ。なんの話をしていたかはわからないけど……。

 

 

「将冴、今日は無理やり話聞いてごめんね」

 

「いや、僕もすぐ話すべきだったし、謝らないでよ」

 

「ありがとう。じゃあ、また学校でね」

 

「うん、学校で」

 

 

シャルに手を振ると、アランさんがずいっと僕に詰め寄ってきた。

 

 

「将冴君」

 

「は、はい?」

 

「シャルロットには私のせいで辛い思いをさせてしまった。本当なら、私が尽力すべきなのだが、君の方が適任だ。今後とも、娘をよろしく頼む」

 

「……勿論。兄ですから」

 

「兄と言わず、このままシャルと籍を入れてみては……」

 

「ちょっとお父さん!?変なこと言わないでよ!」

 

「い、痛い!痛いぞ!シャルロット!」

 

 

シャルがアランさんの背中をバシバシ叩きまくっている。

 

シャルにクラリッサのこと話したばかりだっていうのに、こればっかりは苦笑いするしかない。

 

 

「はは、それでは今日は失礼しますね」

 

 

こういうのは逃げるに限る。

僕たちは2人に見送られながら、デュノア邸を後にした。

 

 

人参ロケットを隠してある森へ向かう途中、僕はオータムさんがずっと押し黙ったままなのに気づいた。あの違和感バリバリのキャラが見る影もない。

 

 

「オータムさん、どうかしましたか?」

 

「あ?何がだ?」

 

「いえ、さっきから黙ったままだったので」

 

「……別に。なんでもねぇよ」

 

 

なんでもない……か。

どう考えても何かある気がするんだけど、これ以上は踏み込まない方がいいかな。

 

思えば、オータムさんやスコールさん、マドカとはそんなに交流があったわけじゃない。

 

僕が気にすることではないか……。

 

 

「なんでもないなら、いいですけど……なんか変なこと言ってすいません」

 

「……」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

1時間後。

人参ロケットで束さんのラボまで帰ってきた。帰りは少し慣れたのか、なんら問題はなかった。

 

 

「オータム様、将冴様。本日はありがとうございました」

 

「いえ、僕は何も……」

 

「同じく。礼を言われるようなことじゃねぇ。先に部屋戻ってる」

 

 

オータムさんはそそくさと自室に向かってしまった。んー、やっぱり様子がおかしいような……。

 

 

「もうこんな時間ですね。急いで着替えて、夕食の準備をしますね」

 

「あ、僕も手伝います」

 

「いえ、将冴様もお部屋でお休みください。それにそろそろメンテナンスも終わってる頃……」

 

「そのとーり!」

 

「のわぁ!?」

 

 

突然背後から束さんが現れた。

いや、神出鬼没にもほどがありますよ……。

 

 

「やあやあしょーくん!わざわざフランスまでお疲れ様だったねぇ」

 

「いえ、行って帰ってきただけですから……」

 

「まぁ、気にしたら負けだよ。さて、さっそく束さんの研究室に行こうか。色々と話したいこともあるからねぇ」

 

 

話したいこと……ISに関することだと、スペシネフの話か。

 

 

「あ、くーちゃん。私おでんが食べたい気分だなぁ!」

 

「かしこまりました」

 

 

夏におでん……?

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

研究室まで連行されると、束さんは僕に資料を手渡してきた。資料にはグラフが表示されているけど、こういう専門的なものはわからないんだけど……。

 

 

「それは、しょーくんの感情値の観測データだよ。2週間位前のところ、一気に数値が上がってるよね?」

 

「……はい」

 

 

これは初めてダイモンと会った時のものだ。

クラリッサのおかげで、スペシネフを出すことはなかったけど。

 

 

「結構危ないところだったよぉ〜。このまま感情値が上がり続けてスペシネフを使っていたら、一発アウト。EVLバインダーがしょーくんの怒りの感情を増幅し続けて、暴走していただろうね」

 

「そう……ですか。できるだけ怒ったりしないようにはしていたのですが……」

 

「しょーくんがここまで感情を爆発させるなんて、束さんも予想外だったよ。まぁ、それは仕方ないか。大切な人のことを言われたら、束さんも感情を押し殺すことなんてできないだろうしねぇ」

 

「……」

 

「今回は未遂だったし、次からは気をつけてね。もし危ないと思ったら、くらちゃんに助けてもらってね」

 

「……くらちゃん?」

 

 

束さんは誰のことを言ってるんだ?

束さんに近しい人で、くらちゃんなんて呼ばれる人なんていたっけ……?

 

 

「くらちゃんだよ〜。クラリッサ・ハルフォーフ。しょーくんの彼女の」

 

「な!?」

 

 

バレてる?僕が話す前に!?

どこでバレた!?ここに来てからクラリッサの話はしていないはず……。

 

 

「今日ね、くらちゃんに会ってきたんだよ」

 

「会ってきたって……」

 

「感情値が急激に下がった理由が知りたくてねぇ。ドイツで思い当たるのがくらちゃんだけだったから」

 

 

よくそれだけの情報でクラリッサまでたどり着くことができるな……。束さんの規格外もいい加減にしろと言いたくなる。

 

 

「まさか、くらちゃんに先越されるとは思わなかったなぁー」

 

「あの……すいません。本当は僕から伝えようと思っていたんですが……」

 

「いいよいいよぉ〜。いくら束さんでも、他人の感情云々は思い通りにできないし」

 

 

そんなことができたら、たまったものじゃない……。

 

しかし、束さんならクラリッサに何かしかねないと思っていたんだけど……。

 

 

「むむ?今失礼なこと考えたでしょ!」

 

「い、いえ、そんな……」

 

「プンプン!束さんだってその辺は弁えてるよ!」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「わかればよろしい!」

 

 

と、束さんはバーチャロンの待機状態であるピアスを手にし僕に近づいてきた。

 

 

「さ、バーチャロン返すね」

 

「あ、自分でつけれますから……」

 

「いいからいいから。束さんにつけさせてよ」

 

 

束さんが手際よく僕の耳にピアスをつけていく。

ほんの2日くらいなのに、ピアスの感触がすごく久しぶりな気がする。

 

 

「はい、できたよ」

 

「ありがとうございます」

 

「今度から、もっとこまめにメンテナンスするようにしてね。アファームドの拳、大破寸前だったよ?」

 

 

バーニングジャスティス(アレ)のせいだ……。

 

 

「気をつけます……」

 

「あ、それとこれ渡しておくね」

 

 

渡されたのは、銀色の小さな輪っか。これは……指輪?

 

 

「あの、これは?」

 

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)

 

「な、福音!?」

 

「気になることがあったから、回収したんだよねぇ」

 

 

……確かに、僕も気になっていた。ダイモンがどうやって福音を操っていたのか。束さんの開発したISを操るなんてこと、どうすればできるのか……。

 

 

「それらしい痕跡は見つけたんだけど、そっちは解析に時間がかかるんだ。IS本体の方に問題はなかったから、しょーくんから持ち主に返してあげて」

 

「束さん……ありがとうございます!」

 

 

本当に、感謝してもしきれない。

福音を救えなかったのが、あの事件の心残りだったから。

ナターシャさん、喜んでくれるだろうか。

 

 

「むふふ、束さんに惚れてもいいんだよ?」

 

「それはちょっと……」




毎度思っていた。福音が救われなさすぎると。

そして福音も将冴に惚れて、ハーレム要因に……
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