作者はサマーウォーズを見ていて、更新すっかり忘れてました←
帰ってきたらちょうどやってたんだもん!
「本日は朝早くからありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそ何のおもてなしもできず」
と、玄関先でクロエさんとアランさんが握手をした。
どうやら話は滞りなく終わったようだ。なんの話をしていたかはわからないけど……。
「将冴、今日は無理やり話聞いてごめんね」
「いや、僕もすぐ話すべきだったし、謝らないでよ」
「ありがとう。じゃあ、また学校でね」
「うん、学校で」
シャルに手を振ると、アランさんがずいっと僕に詰め寄ってきた。
「将冴君」
「は、はい?」
「シャルロットには私のせいで辛い思いをさせてしまった。本当なら、私が尽力すべきなのだが、君の方が適任だ。今後とも、娘をよろしく頼む」
「……勿論。兄ですから」
「兄と言わず、このままシャルと籍を入れてみては……」
「ちょっとお父さん!?変なこと言わないでよ!」
「い、痛い!痛いぞ!シャルロット!」
シャルがアランさんの背中をバシバシ叩きまくっている。
シャルにクラリッサのこと話したばかりだっていうのに、こればっかりは苦笑いするしかない。
「はは、それでは今日は失礼しますね」
こういうのは逃げるに限る。
僕たちは2人に見送られながら、デュノア邸を後にした。
人参ロケットを隠してある森へ向かう途中、僕はオータムさんがずっと押し黙ったままなのに気づいた。あの違和感バリバリのキャラが見る影もない。
「オータムさん、どうかしましたか?」
「あ?何がだ?」
「いえ、さっきから黙ったままだったので」
「……別に。なんでもねぇよ」
なんでもない……か。
どう考えても何かある気がするんだけど、これ以上は踏み込まない方がいいかな。
思えば、オータムさんやスコールさん、マドカとはそんなに交流があったわけじゃない。
僕が気にすることではないか……。
「なんでもないなら、いいですけど……なんか変なこと言ってすいません」
「……」
ーーーーーー
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1時間後。
人参ロケットで束さんのラボまで帰ってきた。帰りは少し慣れたのか、なんら問題はなかった。
「オータム様、将冴様。本日はありがとうございました」
「いえ、僕は何も……」
「同じく。礼を言われるようなことじゃねぇ。先に部屋戻ってる」
オータムさんはそそくさと自室に向かってしまった。んー、やっぱり様子がおかしいような……。
「もうこんな時間ですね。急いで着替えて、夕食の準備をしますね」
「あ、僕も手伝います」
「いえ、将冴様もお部屋でお休みください。それにそろそろメンテナンスも終わってる頃……」
「そのとーり!」
「のわぁ!?」
突然背後から束さんが現れた。
いや、神出鬼没にもほどがありますよ……。
「やあやあしょーくん!わざわざフランスまでお疲れ様だったねぇ」
「いえ、行って帰ってきただけですから……」
「まぁ、気にしたら負けだよ。さて、さっそく束さんの研究室に行こうか。色々と話したいこともあるからねぇ」
話したいこと……ISに関することだと、スペシネフの話か。
「あ、くーちゃん。私おでんが食べたい気分だなぁ!」
「かしこまりました」
夏におでん……?
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研究室まで連行されると、束さんは僕に資料を手渡してきた。資料にはグラフが表示されているけど、こういう専門的なものはわからないんだけど……。
「それは、しょーくんの感情値の観測データだよ。2週間位前のところ、一気に数値が上がってるよね?」
「……はい」
これは初めてダイモンと会った時のものだ。
クラリッサのおかげで、スペシネフを出すことはなかったけど。
「結構危ないところだったよぉ〜。このまま感情値が上がり続けてスペシネフを使っていたら、一発アウト。EVLバインダーがしょーくんの怒りの感情を増幅し続けて、暴走していただろうね」
「そう……ですか。できるだけ怒ったりしないようにはしていたのですが……」
「しょーくんがここまで感情を爆発させるなんて、束さんも予想外だったよ。まぁ、それは仕方ないか。大切な人のことを言われたら、束さんも感情を押し殺すことなんてできないだろうしねぇ」
「……」
「今回は未遂だったし、次からは気をつけてね。もし危ないと思ったら、くらちゃんに助けてもらってね」
「……くらちゃん?」
束さんは誰のことを言ってるんだ?
束さんに近しい人で、くらちゃんなんて呼ばれる人なんていたっけ……?
「くらちゃんだよ〜。クラリッサ・ハルフォーフ。しょーくんの彼女の」
「な!?」
バレてる?僕が話す前に!?
どこでバレた!?ここに来てからクラリッサの話はしていないはず……。
「今日ね、くらちゃんに会ってきたんだよ」
「会ってきたって……」
「感情値が急激に下がった理由が知りたくてねぇ。ドイツで思い当たるのがくらちゃんだけだったから」
よくそれだけの情報でクラリッサまでたどり着くことができるな……。束さんの規格外もいい加減にしろと言いたくなる。
「まさか、くらちゃんに先越されるとは思わなかったなぁー」
「あの……すいません。本当は僕から伝えようと思っていたんですが……」
「いいよいいよぉ〜。いくら束さんでも、他人の感情云々は思い通りにできないし」
そんなことができたら、たまったものじゃない……。
しかし、束さんならクラリッサに何かしかねないと思っていたんだけど……。
「むむ?今失礼なこと考えたでしょ!」
「い、いえ、そんな……」
「プンプン!束さんだってその辺は弁えてるよ!」
「ご、ごめんなさい」
「わかればよろしい!」
と、束さんはバーチャロンの待機状態であるピアスを手にし僕に近づいてきた。
「さ、バーチャロン返すね」
「あ、自分でつけれますから……」
「いいからいいから。束さんにつけさせてよ」
束さんが手際よく僕の耳にピアスをつけていく。
ほんの2日くらいなのに、ピアスの感触がすごく久しぶりな気がする。
「はい、できたよ」
「ありがとうございます」
「今度から、もっとこまめにメンテナンスするようにしてね。アファームドの拳、大破寸前だったよ?」
「気をつけます……」
「あ、それとこれ渡しておくね」
渡されたのは、銀色の小さな輪っか。これは……指輪?
「あの、これは?」
「
「な、福音!?」
「気になることがあったから、回収したんだよねぇ」
……確かに、僕も気になっていた。ダイモンがどうやって福音を操っていたのか。束さんの開発したISを操るなんてこと、どうすればできるのか……。
「それらしい痕跡は見つけたんだけど、そっちは解析に時間がかかるんだ。IS本体の方に問題はなかったから、しょーくんから持ち主に返してあげて」
「束さん……ありがとうございます!」
本当に、感謝してもしきれない。
福音を救えなかったのが、あの事件の心残りだったから。
ナターシャさん、喜んでくれるだろうか。
「むふふ、束さんに惚れてもいいんだよ?」
「それはちょっと……」
毎度思っていた。福音が救われなさすぎると。
そして福音も将冴に惚れて、ハーレム要因に……