さて、実は束編はもう少しで終わります。束編が終わったら、学園で過ごす夏休み終盤の話を2〜3話ほど書こうと思います。
それに伴い、前にチラッと話していたように、夏休み編が終わったら一週間ほど休載させていただきます。今までも少しずつお休みはしていたのですが、纏まってお休みします。楽しみにしていただいてる読者の方には申し訳ありませんが、ご了承いただければと思います。
束さんにクラリッサと付き合っていることがばれた日の夜。僕は携帯でクラリッサの番号を呼び出していた。
ラボにいる間は、いつ束さんが突撃してくるかわからず、クラリッサと話をするのを控えていた。でも、もうばれてしまったし、気にしなくてもいいと思ったんだ。
『もしもし、将冴か?』
すぐにクラリッサが出てくれた。ほんの数日だけだったのに、久しぶりに声を聞いた気がする。
「うん。ごめんね、電話できなくて……」
『いや、構わない。電話できない状態だったのだろう?」
「束さんにバレるかもしれないからと思って……まぁ、何もしてなくてもバレちゃったみたいだけど」
『すまない……篠ノ之博士がこっちに来て、その時に……』
「クラリッサのせいじゃないよ。それに、束さん怒ってる様子もないし、結果オーライだよ」
『それならいいんだが……』
少し罪悪感を感じてしまっているのかな。
束さんにもっと早く話していればよかった。
「……ねぇ、クラリッサ。少し相談があるんだけど」
『ん?なんだ?』
「僕たちのこと、学校の人たちに話すかどうかを決めないといけないなって」
『そ、そうだな……すでに知っているのは、隊長だけだろうか?』
「あとシャルもね。それ以外は、学校関係者じゃないし……」
『うむ……』
「とりあえず、専用機組には話そうと思ってるんだ」
『それがいいだろうな。将冴に近い者たちだからな。あと、織斑先生と山田先生にも話しておいたほうがいいだろうか』
「そう……だね……」
その2人に伝えるのは、なかなかに勇気がいるな……。今更ではあるけど、2人には特別気に入られている気がするし……まぁ、あの2人なら束さんよりも常識的だろう。
「とりあえずはその辺だね。あまり広まらないように、それ以外の人には伝えないようにしよう」
『ああ。IS学園の雰囲気からして、広まればひと騒動あるに違いない』
「それだけは避けないとね」
あそこの学生の欲望に忠実なことといったら……すぐに黛先輩がすっ飛んでくるに違いない。あの人が絡むと面倒だ。
『まぁ、一番の強敵はなんとかなったんだ。学園でもなんとかなる』
「うん、そうだね」
とりあえず、事前に話しておかなくちゃいけないことは話せたかな。
『っと、すまない。そろそろ仕事に戻らなければ』
「あ、ごめんね。忙しい時に」
『構わない。休憩中だったからな。明日は電話できるか?』
「大丈夫だよ。今日と同じ時間で大丈夫?」
『ああ。それじゃ、また明日』
「うん、明日ね」
通話を切り、僕は一人では大きすぎるキングサイズベッドに倒れ込んだ。
はぁ……早く会いたいよ。2週間……長いなぁ。
コンコン
ん?ノック音?
誰だろう?
「はい?」
「……オータムだ。ちょっといいか?」
「オータムさん?どうぞ」
扉が開き、オータムさんが入ってくる。
やっぱり、なんだか浮かない顔をしている。
「飯、できたから呼びに来た」
「あ、わかりました。今行きます」
「……」
「……」
なんでこっちをジッと見ているんだろう……。
夕飯ができたから呼びに来た……だけじゃないのかな?
「あの……オータムさん?まだなにか?」
「あ、いや、その……」
「?」
なんだか言いずらそうにしてるけど……。
「……今日、お前とデュノアの娘が話してるところ聞いちまってよ……」
「シャルとの……」
クラリッサの話か。
いや、まぁ、聞かれても問題はなかったのだけれど。
「悪い。盗み聞きみたいなことして」
「いや、別に構わないけど……もしかして、今日様子がおかしかったのって、そのせい?」
「そういうわけじゃねぇけど……なんかモヤモヤすんだよ。お前の話を聞いてから……」
モヤモヤ……?
どういうことだろうか。
もしかして……とは思ったけど、オータムさんとはそんなに交流なかったし、そんなはずは……。
「……忘れろ。変なこと言った」
「でも……」
「いいから忘れろって。どうかしていた」
オータムさんはそれだけ言うと部屋をそそくさと出て行ってしまった。
忘れろとは言われたけど……気になる。
「……クラリッサに相談してみようかな」
なんでも話せる相手……リョーボさんのアドバイスを実行させてもらおう。
モヤモヤするオータムさん。
オータムさんが調子くるっている姿が可愛いですね。