IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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最近休みがちの作者です。

思うように浮かばないですね……ほぼ毎日更新の辛さといいますでしょうか……。書き溜めすれば解決するんでしょうかね。


161話

 

ラボに来て4日目。

 

昨日メンテナンスが終わったバーチャロンのテストのために、僕はラボの訓練場にいた。

 

テストはスペシネフを除いた全フォームの運動性能と、武器動作の確認だ。まぁ、束さんが直々にメンテナンスしてくれたし、なんの問題も起こらない。

 

 

「よっと」

 

 

フェイ・イェンを纏い、レイピアを流し気味に振るう。

 

格好はともかく、このフォームは早いし軽いから使い勝手はいいんだよなぁ……。

 

 

『……うん、フェイもいい感じだねぇ。OK、テスト終了だよ』

 

 

束さんの通信が耳に届き、すべてのフォームのテストが終わった。メンテナンスしてもらった後は、なんだか初めてバーチャロンに触ったときのことを思い出す。

 

まぁ、あの時はかなり強引に乗せられたから……。

 

 

『しょーくん、どうかした?』

 

 

っと、ぼーっとしすぎていたようだ。

 

 

「いえ、なんでも。ちょっと、初めてバーチャロンに乗った時のこと思い出して……」

 

『むふふ、あの時のしょーくんの顔、可愛かったねぇ』

 

 

束さん、男に可愛いというのはどうかと……。

僕の心中は微妙なものに……。

 

 

「まぁ、ちょっと思い出しただけです。今戻ります」

 

「待て」

 

「え?」

 

 

突然呼び止められ声の方を向くと、そこにはマドカが立っていた。

 

 

「マドカ、どうしたの?」

 

「私と、模擬戦をしないか?」

 

「模擬戦?それはまたどうして……」

 

「……将冴と戦ってみたくなった」

 

「あー、なら仕方ないね」

 

『しょーくん、それは仕方ないの?』

 

 

誰かがIS動かしているの見ると、その人と戦ってみたいと思うことあるから……。

 

あれだよ、横で誰かがゲームしてたらやりたくなるのと同じだよ。

 

 

「僕は構わないけど、マドカはIS持ってるの?」

 

「持ってる」

 

「それじゃあ、やろうか。束さん、いいですよね?」

 

『それはいいけど……』

 

「束さん?」

 

『まーちゃん強いよ?』

 

「でしょうね」

 

『でしょうねって……はぁ、しょーくんそんなに戦うの好きだったっけ?』

 

 

別に好きってわけではないけど……自分の腕を確かめてみたいっていう感じかな。

 

 

『それじゃ、準備して……』

 

「もうできてる」

 

 

少し目を離した隙に、マドカはすでにISをまとっていた。量産機……ではないか。赤を基調としたフルスキンタイプで、手には見たことない武器を持っている。やたらトゲトゲしくて……少しバーチャロンに似ている?

 

 

『マイザーΔポイズン。束さんがすーちゃん、吊り目、まーちゃんに作ってあげたISだよ』

 

「束さんが?」

 

『うん。しょーくんのバーチャロンの元にね。V.ドライブは積んでないからフォームチェンジはできないけどね』

 

 

バーチャロンが元なら似ててもおかしくないか。

その姿からどんな攻撃をしてくるのか想像できないけど……。

 

 

「将冴、準備はいいか?」

 

「ちょっと待ってね」

 

 

フェイ・イェンからテムジンにフォームチェンジし、マドカに向き直った。

 

 

「お待たせ。じゃあ、やろうか」

 

「ああ」

 

『それじゃ、二人とも正々堂々と戦うよーに。試合かいしー!』

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「それで、どっちが勝ったの?」

 

 

夜、夕食のシチューを食べながらスコールさんが聞いてきた。

 

 

「どっちも攻撃が当たらなくて、同時にエネルギーがなくなって引き分けです」

 

「あら、よくエムと引き分けれたわね。すっごく強いのに」

 

「しょーくんもすっごい強いんだよ!」

 

「久しぶりにいい戦いができた。将冴、また頼む」

 

「僕でよければいつでも。っと、そろそろ時間か」

 

「将冴様、この後用事が?」

 

「うん、クラリッサと電話する約束してて」

 

 

あ、そういえばクロエさんとスコールさん、あとマドカに話してなかった。

 

 

「クラリッサ、というと……」

 

「しょーくんの彼女だよ」

 

「あら、将冴君彼女いたの?」

 

「え、ええ。まぁ……」

 

「……ごちそうさま」

 

 

オータムさんがシチューを残して席を立った。

……やっぱり昨日から様子がおかしい。

 

 

「オータム様、もうよろしいのですか?」

 

「ああ……あとで部屋に酒持ってきてくれ」

 

「かしこまりました」

 

 

そのまま食堂を出て行ってしまった。

 

 

「……私ももういいわ。ちょっと部屋で休んでるわね」

 

 

スコールさんも、オータムさんを追うように食堂を出た。

さすがに、気にならないわけないか。

 

 

「お二人とも、お口に合わなかったのでしょうか……」

 

「たんに食欲がなかっただけだと思いますよ。僕も、部屋に戻りますね。クロエさん、ごちそうさまでした」

 

「お粗末さまでした。食器はそのままでかまいません」

 

「ありがとうございます」

 

 

片付けを任せ、僕は部屋に戻り、すぐに携帯でクラリッサの番号に電話をかけた。

 

ものの数秒と経たずに、電話がつながった。

 

 

『時間通りだな、将冴』

 

「約束したからね。ちょっと相談したいこともあるし」

 

『相談?』

 

「うん、僕一人じゃ判断しきれなくて……」

 

『そうか……ふふ』

 

「何かおかしかった?」

 

『いや、将冴が私を頼ってくれたのが嬉しくてな。つい笑みが隠しきれなかった』

 

「いつも頼ってるつもりなんだけどな……」

 

『もっと頼ってくれてもいいんだ。それで、相談というのは?』

 

「ああ、それが……」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

部屋に戻った私……オータムはすぐにベッドに横になった。

 

まただ、なんだよ。このモヤモヤは。イライラする……。

 

 

コンコン

 

 

あん?クロエが酒持ってきたか?

 

 

「入っていいぞ」

 

 

横になったまま返事をすると、扉が開きカツカツとヒールの音がした。

 

……クロエじゃねぇな。

 

 

「なんだよスコール」

 

「調子悪そうだったから様子を見に来ただけよ」

 

「……別に、なんでもねぇよ」

 

「にしては不機嫌そうな顔ね」

 

「お前が来たからだろ」

 

「あら酷い」

 

 

相変わらず、つかみどころのねぇ奴。

結構長い付き合いだが、スコールの考えてることはよくわかんねぇ。

 

 

「何か悩み事?相談に乗ろうか?」

 

「悩みなんてない。いいから出てけよ」

 

「私には悩んでいるようにしか見えないけど?」

 

「……」

 

「厳密には違うわね……何に悩んでいるのかわからないんでしょ」

 

 

図星だ。

 

なんでこんなモヤモヤするのかわかってない。

将冴の話を聞いた時から……ずっと……。

 

 

「いい加減、素直になったら?」

 

「何が……」

 

「将冴君のこと、意識してるんでしょ?」

 

「……」

 

「オータム?」

 

「そう……かもな」

 

「あら、あっさり認めるのね」

 

 

お前が素直になれとか言ったんだろうが……。

 

 

「将冴君に彼女がいて、嫉妬してるんじゃないの?」

 

「……違う。多分、嫉妬じゃない」

 

「じゃあ、なに?」

 

「……悔しい。なんかよくわかんねぇけど、悔しい」

 

「……そっか。これからどうするの?」

 

「どうもしない。明日からいつも通りに戻る」

 

「できるの?」

 

「やる」

 

「わかった。オータム、辛くなったらいつでも言いなさい。お酒の相手くらいならしてあげるから」

 

「……おう」

 

 

スコールはそのまま部屋を出て行った。

 

はぁ……なんか面倒くせぇな。私。

 

 

コンコン

 

 

今度こそクロエか。

 

 

「開いてる」

 

「失礼します」

 

 

え、クロエの声じゃない……?

 

ベッドから体を起こし、入ってきた奴顔を見ると、さっきまで話題になっていた将冴が携帯を片手にそこにいた。




戦闘書けない病。何回も書き直したけど、マジで書けなかったのでカットしました。復活したらどこかで書きます。

あと、攻撃が当たらなくて引き分けという結果でしたが、これ実は作者の実体験です。

昔バーチャロンマーズで友達と対戦していて、アファームドとマイザーΔで時間無制限で30分戦い続けました。最後はお互いに集中力切れてだれてしまったので、強制終了で引き分けになりました。
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