IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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背中が痛い作者です。

次回で束編終わらせたいなぁと思っています。

と、一つお知らせなんですが、前々回の前書きで話した夏休み終盤の話ですが、1週間休載後に書こうと思います。
ちょっとした企画を考えているので、楽しみに待っていただけたらと思います。

今回は電話描写ばっかりや……


162話

『……なるほど。そのオータムという女性の様子がおかしいと?』

 

「うん、でも原因がわからなくて。オータムさんとは二年前のショッピングセンターテロで助けてもらった時と、二回ほど電話したくらいしか交流なかったんだけど、どうも気になって……」

 

『ふむ……将冴、ちょっと聞きたいことがあるのだが』

 

「なに?」

 

『将冴の、オータムに対する印象を聞いておきたくてな』

 

「印象?そうだな……普段は男勝りで結構怖い感じだけど、面倒見がいい人だと思う。助けてもらうことも多し。あ、あとたまにおっちょこちょいで、からかうと面白くてかわいげのある人だと思う」

 

『……聞いておいてあれだが、将冴の口から他の女性の話を聞くのはなかなかモヤっとするな』

 

「ご、ごめん……」

 

『いや、謝らなくていい。ちょっと嫉妬しただけだ……』

 

 

そう小さく呟く声が聞こえた。

女性の嫉妬は怖いというが、クラリッサのこの反応はすごく可愛いと思う。……僕だけだろうか?

 

 

『話が脱線したな。将冴、そのオータムとは話すことができるか?』

 

「え、多分できるけど……」

 

『では頼む。オータムと二人で話がしたい』

 

「わかった」

 

 

クラリッサに何か考えがあるのだろうか?

まぁ、僕じゃなにをしても無駄だろうし、ここはクラリッサの言う通りにしよう。

 

通話を繋げたまま、オータムさんの部屋の前まで向かう。

 

多分、部屋にいると思うんだけど……

 

 

コンコン

 

 

「開いてる」

 

 

一言そう帰ってきた。

 

 

「失礼します」

 

 

扉を開き中に入ると、少し驚いたような表情のオータムさんがベッドに腰掛けていた。

 

 

「おま、なんで……」

 

「ちょっとお話がありまして……と言っても僕じゃないんですけど」

 

「どういうことだ?」

 

「えっと、とりあえずこれを」

 

 

僕は通話が繋がったままの電話をオータムさんに手渡した。

 

 

「なんだよ、これ……」

 

「オータムさんとお話がしたいという相手です。それでは僕は部屋の外にいますので」

 

「あ、おい!」

 

 

オータムさん制止する声を無視し、僕は部屋を出た。

 

……気になるなぁ。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

将冴に携帯を押し付けられ、何が何だかわかんねぇ状態なんだが。さてどうしたものか……。

 

とりあえず、電話に出てみるか……。

 

 

「……もしもし」

 

『あなたがオータムか?』

 

 

女の声?

 

 

「そうだが……お前は誰だ」

 

『私はドイツ軍シュバルツェ・ハーゼ所属、クラリッサアルフォーフ』

 

「クラリッサ……」

 

 

確か、将冴の彼女……。

その彼女が私に何の用があるってんだ。

 

てか、明日からいつも通りにあいつと接するって決めたのに、タイミングの悪い……。

 

 

『まずは礼を言わせてくれ。二年前のショッピングセンターテロの時、将冴を助けてくれてありがとう』

 

 

二年前……ああ、あれか。

 

 

「別に、そんな昔のこと言われたってなんもねぇよ。私だって仕事だったんだからな」

 

『そうか』

 

「で、わざわざ礼を言うためだけに電話してるわけじゃねぇんだろ?あれか?私の将冴に手を出すな、とでも釘を刺しに来たのか?だったら……」

 

『いや、そんなことを言うために電話をしたのではない』

 

「じゃあ、なんだよ」

 

『あなたが将冴のことをどう思っているのか聞きたい」

 

「はぁ!?」

 

『いや、この言い方は正確ではないな。どうして将冴を意識するようになったか聞こうか』

 

「お、おま、なんで……」

 

『将冴から、あなたの様子がおかしいと相談を受けた。詳しく話を聞いたらわかったぞ。将冴のことを意識しているとな』

 

 

あいつ……余計なことを……。

 

 

「……はぁ。今日はめんどくせぇ日だな。スコールといい、お前といい……」

 

 

まぁいい。

こいつに話せば、案外スッキリするかもしれねぇ。

 

 

「……最初に見た時は何にも思わなかったよ。束から話は聞いていたしな。体に障害があって、ISを持っているって。むしろ、こんなやつがISを持ってて大丈夫なのかっていう方が気になった。まぁ、すぐにそんな心配はなくなったが」

 

 

変な女に絡まれても、ISを出さず、暴力も振るわなかった。

 

 

「本格的に意識し始めたのは、あいつから電話をかけてきた時だな」

 

『電話?』

 

「ああ。その……自分でも馬鹿らしいとは思ってるんだけど……将冴に、かわいいところもあるとか言われてから……」

 

『……』

 

「……」

 

『……』

 

「何か言えよ!」

 

 

無言が一番怖いだよ!

 

 

『いや、その……なんだ……その気持ちはよくわかるぞ』

 

「なんでお前に同情されてんだよ」

 

『つまり、あなたはチョロインだったわけだな』

 

「チョロ……?」

 

 

なんだかよくわかんねぇが、貶された気分だぞ。

 

 

『成る程な。確かに、この前読んだ漫画では、男勝りな女子が主人公に優しい言葉をかけられただけで惚れてしまうシーンがあったからな』

 

「お前、さっきから何言ってんだ」

 

『気にするな。それで、あなたは今後どうするつもりなんだ?』

 

「……どうもしねぇ。普通に過ごすだけだ」

 

『そうか。私としても、そうしてくれたほうが安心できる。長々とすまないな電話を将冴に返してくれ』

 

「ああ……なぁ、一つ聞いていいか?」

 

『なんだ?』

 

「将冴を好きになって良かったと言えるか?」

 

『……ああ。もちろん』

 

「そうか」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

部屋の前で待ちぼうけていると、オータムさんが出てきた。

 

心なしか、少しスッキリした顔をしている気がする。

 

 

「電話、返す」

 

「はい。……えっと、なんの話をしていたか、聞いてもいいですか?」

 

 

どうしても気になってしまったので、オータムさんに聞いてみる。

 

オータムさんはこっちをジッと見つめたあと、ポフッと僕の頭に手を乗せた。

 

 

「え?」

 

 

そしてそのまま頭をくしゃくしゃと撫で回し始めた。

 

 

「うわぁ!?」

 

「お前には関係ねぇよ。さっさと寝ろ、明日模擬戦付き合ってやっから」

 

 

そしてそのまま自分の部屋に戻ってしまった。はて、なんだったのだろうか?

 

あ、携帯繋がったままだ。

 

 

「クラリッサ、一体何の話してたの?」

 

『すまないが、こればかりは秘密だ』

 

「そう……まぁいいや。とりあえずはなんとかなったんでしょ?」

 

『どうだろうな、その辺はわからない。オータムの気持ち次第だ』

 

 

そっか……それなら大丈夫そうだな。

 

 

『そうだ、将冴。学園に帰るのは授業が始まる二日前だったな?』

 

「うん、そうだけど」

 

『迎えは必要か?』

 

「大丈夫だよ。直接学園に帰るから」

 

『そうか、わかった。学園で会えるのを楽しみにしている』

 

「僕も楽しみにしてる。それじゃあ、またね」

 

『ああ、また』

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

『束か』

 

「正解正解だいせいかぁーい!さっすがちーちゃん」

 

『要件はなんだ?』

 

「えっとね、約束通り敵のことを教えようと思ってね」

 

『……将冴はたどり着いたのか?』

 

「うん。黒幕と何度か接触したみたいだよ」

 

『そうか……』

 

「それじゃ、資料はちーちゃんのパソコンに送っておいたから、ゆっくり見てね」

 

『わかった。要件はそれだけか?』

 

「あ、もう一つ頼みごとがあるんだよねぇ」

 

『なんだ?』

 

「むふふ、実はね……1人IS学園に編入させたいんだよね」

 

『はぁ……お前はまたなんの冗談を……』

 

「冗談じゃないよ!本当だよ!」

 

『……なんのために編入させたい?」

 

「これから起こるかもしれない戦いに備えておくんだよ」

 

『束……』

 

「それじゃ、よろしくねぇ!」




電話ばっかりや……びっくりしたわ。

束さんが意味深なことを言いはじめる
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