私の作品と、ラグ0109さんの作品はどちらもページ数が多いので読むのが大変だとは思いますが、ぜひどちらも読んでもらいたいですね。
狼牙の存在で、教室が騒然となりながらも、午前中の授業は終了した。千冬はいつも通り滞りなく授業を進めていたが、真耶はそうもいかず、何度か小さなミスを起こしていた。
将冴の隣の席となった狼牙は、「山田先生はどこにいっても山田先生だな」と安心したようにつぶやいていた。
昼休みになり、クラスの女子達が我先にと狼牙に声をかけようとするが、その前に将冴がクラリッサを伴って先手をうった。
「狼牙、一緒に学食にいかない?専用機組に狼牙のことを話しておきたいし」
「こちらとしては願ってもいないが……二人の時間を邪魔してしまうのではないか?」
「私たちも、基本的にはラウラ隊長やデュノアと一緒に食べているから気にするな。それと一応一般生徒に私と将冴のことは正式には話していない。あまり口外しないでくれ」
「失礼した。そういうことなら一緒させてもらおう」
「ありがとう。一夏達にはもう伝えてあるから、早速行こうか」
将冴はクラリッサに目をやると、クラリッサは少し頷き将冴の車椅子を押して教室を出た。
「……話してなくても、アレでは周りに関係を教えているようなものではないのか?」
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学食に行くと、すでに一夏達が席を取っており、昼食も持ってきていた。将冴とクラリッサ、狼牙も昼食を注文して急ぎ一夏達の元へ向かった。
因みに、将冴は焼き魚定食、クラリッサがミックスフライ定食、狼牙がお粥だった。
「ごめんね一夏。待たせちゃって」
「いや構わねぇよ」
大きなテーブルに将冴、クラリッサ、狼牙、一夏、箒、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラが座り、さながら小さな宴会でも開かれるのかというほどの大所帯となった。
「さて、とりあえずご飯食べながらにしようか」
「そうだな。じゃあ……」
『いただきます』
9人が同時に手を合わせ、昼食にありつく。
そのなかで、狼牙は改めて自己紹介を始めた。
「1組の者は知っていると思うが、2組のものもいるから改めて。銀狼牙だ。転校生として今日から世話になる」
「よろしくな。俺は……」
一夏も自分の名前を言おうとするが、その声は狼牙によって遮られた。
「織斑一夏、だろう?」
「お、おう。さすがに俺のことは知ってるか。ずっと騒がれていたし」
「ああ……」
狼牙の言葉が歯切れ悪くなる。
すでに知っている者に、初めてあったように自己紹介をされるのは、わかっていても辛いものがある。
将冴は、横目で狼牙のことをちらりと見た後、言葉を発した。
「狼牙は平行世界のIS学園から来たんだよ。だから、みんなのことは知ってると思うよ?」
盛大に爆弾を落とした。
これには狼牙も予想外だったようで将冴の方を振り向く。
一夏達はというと、将冴が何を言っているのかわからない様子だった。
「シャルにラウラ、セシリアは変に思わなかった?初対面の狼牙がフレンドリーに話しかけてきたこと」
「そ、そういえば……」
「やけに馴れ馴れしく話しかけてきたな……」
「でも、スパイとかだったりしたら、僕たちに取り入るためにってことも……」
「スパイが僕の部屋にいきなり現れるようなことすると思う?」
将冴という信頼している者からの言葉に、一夏達は無条件にそうなのかと納得してしまう。
「なんでかしら、将冴に言われると納得せざるを得ない気持ちになるのよね……」
「鈴。もしかして、将冴って昔っからそうだった?」
「そうよ。だから苦手なのよ。将冴のこと……」
鈴とシャルがヒソヒソと話しているが、全て将冴に聞こえている。しかし、将冴は特に何も言わずに話を続けた。
「このことは他言無用だよ?まぁ、ISなんてとんでも兵器があるくらいだし、そういうことがあってもいいんじゃないかな?」
「そう頻繁にあっても困るのだがな……」
思わず頭を抱えずにはいられない狼牙。もしかしたら、この世界で恐ろしいのは将冴なのではないかと考えてしまう。
「将冴よ、良かったのか?俺のことを話しても」
「大丈夫だよ。それに仲間は多すぎず少なすぎず。ここにいる人たちは信頼できるから。狼牙もわかってるんじゃない?」
まるで見透かすように言い放つ将冴。
やはり、一番食えないのはこの男だと、狼牙のなかで位置付けられた。
当の本人は、そんな位置づけされたとは知らずに、魚をつついていた。
「銀、一つ質問をしてもいいか?」
今まで口を挟んでいなかった箒が手を挙げた。
別に拒む理由もないので、狼牙は「なんだ?」と聞き返す。
「平行世界、と言ったが、銀はそういうものがあると知っていたのか?正直、私は未だに信じ難いのだが」
「……少しややこしい話になるから割愛するが、確かに平行世界というものがあるのは知っていた。まぁ、知っていても、少しパニックに陥ってしまったがな」
「そうか……まだ完全に信じきれたわけじゃないが、とりあえずはお前の言葉を信じることにする」
「そうしてくれると助かる。これ以上はあまり話したくないのでな」
そう言うと、狼牙はお粥を口に運んだ。
なんとも気まずい雰囲気になってしまったため、将冴はまた口を開く。
「そういえば狼牙って元の世界でセシ……」
「それは言わせんぞ!」