リア友に焦らしすぎと言われましたが、このスタンスは変えるつもりありません←
次回を楽しみにお待ちくださいっていう感じで……。
将冴のお仕置き(くすぐり)でぐったりしている一夏をよそに、ホームルームは滞りなく終了し放課後。
狼牙は千冬に言われた通りアリーナへ向かうために荷物をまとめていると、将冴とクラリッサが狼牙に話しかけた。
「狼牙、この後は何かあるの?」
「織斑先生に呼び出されている。アリーナに来いとのことだ」
「アリーナ……そういえば、先ほど織斑先生がアリーナの使用状況を確認していたな。そのあと、更識楯無に連絡を取っていた。何を話していたかまではわからないが……」
「楯無、か……」
「楯無さんがどうかしたの?」
「いや、あれが関わるとろくなことが起きないからな……」
「そう……なの?僕、あまり関わってないからわからないんだけど」
「正直、そのまま過ごすことをお勧めする」
楯無が狼牙に何をしたか気になりつつも、真剣な狼牙の表情を見て忠告を聞いておいたほうがいいと感じる将冴だった。
と、将冴達が話しているところに、カツカツと千冬が歩み寄ってきた。
「将冴、少しいいか?」
「はい、なんですか?」
「手伝ってもらいたいことがある。クラリッサと一緒でいいから、ついて来てくれ」
「わかりました。狼牙、また後でね」
「ああ」
将冴とクラリッサは千冬について行き、狼牙も腰を上げた。
「さて、俺もアリーナへ向かうとしよう」
途中、欲望に忠実なIS学園生徒の妨害を受けながらも、狼牙はアリーナへ足を進めた。
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「はぁ、やっと辿り着いたか……」
予定より倍の時間がかかりながらも、狼牙はアリーナに入った。まっすぐピットの方へ向かうと、そこには狼牙のよく知った人物が待っていた。
「あら、ずいぶん遅かったわね」
その人物がバッと扇子を開くと、そこには「遅刻」という文字が大きく描かれていた。
「申し訳ない。大量の女性に言い寄られていてな」
「あら、ずいぶんモテるみたいね。銀狼牙君?」
「こちらとしては、大変迷惑な話だがな。更識楯無生徒会長」
「あら、私のこと知っていたのね?」
「生徒会長のことくらいは知っておかねばならんだろう?」
「ふふ、そうね。ま、あなたの場合はもっと違うみたいだけどね」
意味深に笑みを浮かべる。
おそらく狼牙が平行世界から来たことを千冬から聞いたのであろう。
IS学園の生徒会は、特別な組織であるため、伝えるべきだという千冬の判断だろう。
「それで、生徒会長はどうしてここに?」
「ちょっと見学にきたのよ」
「見学?」
「ええ、あなたの実力を、ね。ほら早くIS展開して、アリーナに出て」
「……は?」
「あら、織斑先生から聞いてない?あなたの実力を見たいから、模擬戦するって」
「そんなこと、微塵も聞いていないぞ……」
「じゃあ、今聞いたでしょ?」
「暴君具合は相変わらずか!?」
しかし、このやり取りすこし安心感を得てしまう狼牙。
隔たりなく接してくれる楯無に、これほど感謝したことはないかもしれない。
「だいたい、相手は誰だ?」
「さぁ?織斑先生とか?」
「俺のことを潰すつもりか」
「冗談よ。でも、私も知らないのよ。織斑先生が相手は任せろって言ってたから」
「不安しかないぞ……」
しかし、ここで逆らえば何をされるかわからない。それに、模擬戦で体を動かすのは、この世界に来てからのモヤモヤを解消できるかもしれない。
そう思った狼牙は、カタパルトに立った。
「天狼、狩りの時間だ」
狼牙がそう呟くと、彼の体がISに包まれた。
全身装甲型で、両肩に狼の頭を模したIS。
狼牙の専用機『天狼白曜』だ。
「あら、かっこいいISね。私、狼は好きよ」
「そう言ってもらえて何よりだ。では、行かせてもらおう」
狼牙の声と同時にカタパルトが動き出し、狼牙はアリーナに飛び出した。
アリーナには、一つの機影があった。
「あれが俺の相手か」
すこし距離を開けたところに、狼牙は降り立つ。
その機影は、天狼白曜と同じく全身装甲型。まさにロボットという外見に、大きなセイバーを持ったIS。狼牙も不思議と胸が踊る。
「なかなかいいデザインだな。それで、中には誰がいる?」
「僕だよ」
一言返事と同時に、頭の装甲が取れ素顔が見える。
「将冴、か?」
「ビックリした?」
「なんとなく想像はしていたが……まさかこんなISだとは……」
「何か変かな?」
「いや、素晴らしいと思うぞ。胸が熱くなる」
「そう言ってくれると嬉しいな」
『話はそこまででいいか?』
2人のISに千冬の声が届く。
どうやら管制室で、2人の様子を見ていたようだ。
「織斑先生、せめて模擬戦ということは伝えて欲しかったのだが」
『ちょっとしたサプライズだ』
「あなたからサプライズなんて言葉を聞くとはな……」
『不満があるなら今すぐ帰ってもいいぞ」
「せっかくもらった機会だ、楽しませてもらう」
狼牙も楽しんでいたようだった。
「狼牙、結構すぐに受け入れるね」
「こういうことはよくあったのでな」
「声に覇気がないけど……」
「気にするな。将冴、準備はいいか?」
「もちろん、いつでも」
将冴は頭部装甲を再びつけて、武器を構える。
狼牙もまた、戦闘態勢に入る。
『準備はいいか。では、試合開始!』