IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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戦闘がこれ以上に難しいと思ったことはないかもしれない。


コラボ第9話

千冬の合図と同時に、将冴と狼牙は一気に接近し、肉迫する。

 

テムジンのメインウェポン『スライプナー』と、天狼白曜の両腕についているブレードトンファー『一式王牙』がぶつかり合った。

 

 

「スピード、パワーともに申し分ないようだな」

 

「組み立てたのは束さんだからね。それなりのスペックはあるつもりだよ!」

 

 

将冴はスライプナーで狼牙を押し切り、すぐに切っ先を狼牙に向け、引き金を引いた。

 

スライプナーの切っ先にある銃口から、エネルギー弾が狼牙めがけて放たれる。

 

 

「くっ、銃剣一体か」

 

 

ブーストを吹かし、緊急回避でエネルギー弾の直撃を防ぐ。それと同時に、左腕のブレードトンファーの刀身が中程から分離し、ワイヤーブレードとなった。

 

 

「随分と危ない玩具だ!」

 

 

狼牙がワイヤーブレードを振るうと、ワイヤーが将冴のスライプナーに巻きつく。そのまま狼牙はワイヤーを引きスライプナーを将冴の手から離そうとする。

 

 

「テムジンの武装これだけなんだから……奪うような真似はしないで欲しいんだけど!」

 

「相手の攻撃を無力化するのは、戦闘の常套手段だろう!」

 

「そうかもしれないけど、そんなに武器を奪いたいなら」

 

 

将冴は抵抗をやめ、その場に踏ん張るのをやめる。

手は離していないため、当然体ごと狼牙に引き寄せられる。

 

 

「僕も一緒に近づくよ!」

 

「そうくるか。だが、それでは格好の的だぞ!」

 

 

ぐっと右腕のブレードトンファーを構える狼牙。将冴は逆らうことなく、狼牙に近づいていく。このままで、狼牙の攻撃が将冴に直撃する。

 

しかし、将冴は焦ることなく狼牙にこう言った。

 

 

「武装一つだけって言ったよね?あれ、嘘だったよ」

 

 

将冴はひらひらと左手に持ったものを見せつけるように振った。

 

 

「手投げボム」

 

「なっ」

 

 

狼牙のブレードトンファーが将冴に放たれる前に、将冴は狼牙の足元にボムを投げつけ、起爆させた。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

管制室のモニターには、将冴のボムによってできた土煙が映っていた。

 

その様子を、千冬、クラリッサ、楯無は眺めていた。

 

 

「またあんな無茶なことを!」

 

 

一番に声をあげたのはクラリッサだった。

もはや十八番のようになってしまった、将冴の自信を顧みない攻撃に、心配させられてる。

 

 

「もう将冴になにを言っても聞かん。それに、あの程度ではどちらも大したダメージではないだろう」

 

「まだ二人とも本気じゃなさそうですからね。将冴君はフォームチェンジしてないですし、狼牙君もあの程度じゃないでしょうし」

 

「ああ。そろそろ、二人もレベルを上げてくるだろうな」

 

「煙が晴れます」

 

 

アリーナの様子がようやく映る。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

土煙が晴れると、ほぼ無傷の状態の2人が立っていた。

 

 

「随分と無茶な攻撃をするものだな」

 

「いつもクラリッサに心配かけてるよ」

 

「俺と似ているな」

 

 

両者とも無理無茶は専売特許のようだ。

 

 

「さて、まだその程度ではないのだろう?」

 

「狼牙こそ、まだまだ本気じゃないでしょ?」

 

「お見通しか。いいだろう、お互いに本気を出していこうではないか」

 

 

再び構え直す狼牙に対し、将冴はスライプナーを下げたままだった。

 

 

「どうした、構えないのか?」

 

「うん……ちょっとした手品を見せようと思ってね。フォームチェンジ『ライデン』」

 

 

将冴の声を認識したISが、装甲の変換を始める。

 

テムジンとは打って変わって、ゴツゴツした重装甲の姿になった。

 

 

「形が変わった……変形機構か」

 

「ちょっと違うけど、まぁそんな感じ。そして、さっきと違うのは……」

 

 

ガシャンと肩のパーツが開き、パラボラアンテナのようになる。

 

 

「射撃特化っていうところかなっ!」

 

 

ライデンの両肩から、高出力のビームが放たれる。

その大きさは、テムジンのエネルギー弾などの比ではなく、当たればひとたまりもないだろう。

 

 

「この、なんてものを!?」

 

 

急ぎその場から離れ、ライデンの攻撃を凌ぐ。

 

 

「驚いたな、そんな攻撃まで出来るとは。ますます熱くなりそうだ」

 

「今ので熱くなっても良かったんだよ?」

 

「熱すぎて溶けてしまうだろ。これは俺も出し渋っている場合ではないな。行け、『群狼』!」

 

 

狼牙の天狼白曜の両肩についている狼の頭が射出され、まっすぐ将冴の方目掛け飛んでくる。

 

 

「これは……BT兵器?」

 

「その牙にご用心というやつだ。食い破れ!」

 

 

群狼が牙を剥き、ライデンに腕と足に噛み付く。

ライデンは鈍足であり、素早く動く群狼の攻撃を躱すことができない。

 

 

「くっ!」

 

「どうやら、先ほどのものよりも足が遅いようだな」

 

「見たら、わかるでしょ!」

 

 

将冴は腕に噛み付いたの群狼を、足に噛み付いている群狼に叩きつけ、なんとか引き剥がす。

 

 

「ふぅ……今のでかなりシールドエネルギーを持っていかれたか……」

 

「変形したほうがいいのではないか?そのままでは不利だろう」

 

「ご忠告どうも。お言葉に甘えて、変えさせてもらう。『アファームド』」

 

 

音声認識により、ISの形がまた変化し、両腕にビームトンファーを有し、迷彩柄が特徴的なフォームになった。

 

 

「ほう、まだあったのか」

 

「今狼牙から大きな攻撃をもらったからね。ちょっと仕返しさせてもらうよ」




ラグ0109様の作品はこちら

http://novel.syosetu.org/41194/
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