IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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更新が滞って申し訳ありません。
コラボは難しくてなかなか……。

察していただけると嬉しいです。


コラボ第16話

ラウラとシャルロットを散々からかい倒し、将冴と狼牙はメイド喫茶を出た。

 

朝のお詫びということで、将冴が会計したが狼牙すこし納得がいかないようだった。

 

 

「将冴、さすがに全てご馳走になるのは、俺の望むところではないのだが」

 

「そんなの気にしなくていいよ。僕、めったにお金使わないし、毎月給料が振り込まれるから、溜まっていく一方なんだ」

 

「しかし……」

 

「それに、狼牙お金持ってないでしょ?」

 

 

寝ているところを突然飛ばされたため、狼牙は財布など持っているはずもなく、結局のところご馳走になるしかなかったのだ。

 

 

「……そうだったな……。何かしてほしいことはないか?それでお返しというわけではないが……」

 

「それじゃあ、今日1日車椅子を押しもらおうかな。それで貸借りなしってことで」

 

「ふっ、お安い御用だ」

 

 

狼牙は将冴の車椅子を押し、将冴は満足そうに笑みを浮かべた。

 

 

「それで、この後はどうするのだ?」

 

「せっかくの休日だし、その辺プラプラしようよ。狼牙の世界と違うものがあるかもしれないから、狼牙の行きたい場所でいいよ」

 

「承知した。では、レゾナンスの方でいいか?」

 

「もちろん」

 

 

二人は大型ショッピングモール「レゾナンス」へと歩を進めた。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

休日ということで、レゾナンスには多くの人で溢れかえっていた。しかし、そんな中でも2人は特に苦労せずにレゾナンスの中を進めていた。

 

理由としては、狼牙の容姿が一番大きな要因だろう。銀髪に金の瞳という容姿は、どうあっても目立ってしまう。それに加え、車椅子を押していることも相まって、なかなかに声をかけずらい。

 

結果、こちらが避けなくても、人々が道を開けてくれるのだ。狼牙はこれ幸いと気にせずレゾナンスを見学していた。

 

 

「あそこの音楽店、こっちではアパレルショップだったな」

 

「やっぱりところどころ違うところはあるみたいだね」

 

「ああ。とは言っても、ほんの数箇所といったところだろうか。大まかなところは変わらないな」

 

「そっか」

 

 

などと他愛もない話をしながらレゾナンス内を見て回っていると、将冴と狼牙の前に2人の女性が立ちはだかった。

 

1人は胸元が大きく開いたドレスのような服を着たブロンドの女性。もう1人はスーツを着た茶髪の女性だ。

 

 

「はぁい、お兄さん達。私たちとお茶でもしない?」

 

 

ブロンドの女性がそう話しかけてくる。

 

 

(ナンパか?面倒だな……)

 

 

女尊男卑の思想が広まってる今、女性からの誘いを断ると面倒ごとに巻き込まれることが多い。

 

狼牙は、とりあえずやんわり断りを入れようと思い、口を開こうとする前に、将冴が言葉を発した。

 

 

「いいですよ。ご一緒しましよう」

 

「なっ!?」

 

「ありがとう。こっちに個室のある店があるから、そこでお話ししましょう?」

 

 

女性2人は先に店の方へ向かっていく。狼牙は将冴に耳打ちをした。

 

 

「おい、将冴。どうして断らなかったんだ?お前にはクラリッサというものがありながら……」

 

「行けばわかるよ。ほら見失っちゃうよ」

 

 

将冴の答えに、狼牙は渋々といった様子で車椅子を押し、2人の後についていった。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

連れてこられた個室に四人が座り、一番に言葉を発したのは将冴だった。

 

 

「それで何かありましたか?スコールさん、オータムさん」

 

「将冴、お前この2人を知ってるのか!?」

 

「うん。この2人は束さん下で働いてる……諜報員って感じかな?」

 

「諜報員……?」

 

 

突然のことでうまく状況の飲み込めない狼牙。

 

すると、ブロンドの女性……スコールが残念そうな顔をして将冴の頭をツンっと突っついた。

 

 

「もう、将冴君ったら。もう少し彼の反応を楽しもうと思っていたのに」

 

「そんなのに付き合わされる私の身にもなってくれよ。面倒ったらねぇぜ」

 

 

スーツを着た女性……オータムが呆れたように呟く。どうやらスコールの遊びに付き合わされていたようだ。

 

 

「もう何が何だか……」

 

「ちょっと遊びすぎたみたいね。自己紹介するわ。私はスコール・ミューゼル。篠ノ之博士の協力者よ。よろしくね、銀狼牙君。こっちが……」

 

「オータムだ。スコールの遊びに付き合わせて悪かったな」

 

「ちょっと、私が悪いみたいな言い方やめてよ」

 

「十中八九お前が悪いだろ!」

 

「おい、将冴。この2人、本当に束さんの協力者なのか?」

 

「うん。すごい頼れる人たちなんだよ?」

 

 

この様子を見ただけでは信じ難いが、将冴が言うならそうなのだろうと納得することにした狼牙。

 

 

「スコールさん、オータムさん。僕たちに用があって来たんたんですよね?」

 

 

将冴の声に、二人は言い争いをやめた。

 

 

「ごめんなさい、すこし熱くなっちゃって」

 

「誰のせいだよ……」

 

 

オータムの疲れた顔を見て、スコールにいつも絡まれているのだろうと同情する狼牙。

 

と、スコールが先ほどまでと打って変わって真剣な表情を浮かべた。

 

 

「将冴君。ダイモンが動きを見せてるわ。昨日から各地でオーブの姿が確認されてる」

 

「ダイモンが……目的は?」

 

「おそらく、狼牙君が関係していると思うわ」

 

「そうですか……」

 

「ちょっと待ってくれ。ダイモンとはなんだ?説明してもらわないと、俺も困るのだが?」

 

「そうだったね。じゃあ、簡単にだけど説明するよ」

 

 

将冴はダイモンのことを狼牙に説明する。

 

将冴の両親の仇であること。

様々なテロ事件を起こしていること。

世界の混乱を引き起こそうとしていること。

 

 

「……どの世界でも、そういう輩はいるようだな。それで、その危険人物が俺を狙っていると?」

 

「ええ。篠ノ之博士が言っていたのだけど、昨日あなたがこの世界に飛んでくるとき、各地で電子製品の不調が相次いだらしいわ。幸いにも一時的なものだったけど、ダイモンはそれがあなたがこの世界に飛んできた証拠だと考えたんじゃないかしら。あなたがこの世界に来たことも、あのダイモンなら感知しててもおかしくないし」

 

「平行世界からきた男性操縦者……話を聞く限り、そのダイモンとやらが狙うには十分な理由か」

 

「いつ襲撃があってもおかしくないってことですね?」

 

「私達で対処出来ればそうしたんだが、どうもかなりの戦力を用意したみたいでな。襲撃があったら、2人にも戦ってもらうかもしれねぇ」

 

「わかりました」

 

「突然な話だな。ま、いつものことだが」

 

 

元の世界で慣れたとでもいいたげに、首を横に振る狼牙。

 

将冴は申し訳なさそうに、狼牙に話しかけた。

 

 

「ごめんね、狼牙。巻き込むような感じになっちゃって」

 

「将冴が謝ることではない。元はと言えば、こちらの世界の束さんのせいだ。それに、多少はいい運動にもなる」

 

「篠ノ之博士、どこにいても破天荒なのは変わらないようね」

 

「むしろ、真面目なうさ耳博士なんて見たくもねぇよ……絶対に気持ち悪いぞ」

 

 

オータムの言葉に、オータム以外の3人は確かにと声を揃えた。




ラグ0109様の作品はこちら

http://novel.syosetu.org/41194/
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