コラボォ……
スコール、オータムと別れ、そろそろ帰ろうとレゾナンスを出た将冴と狼牙。
ダイモンが狼牙のことを狙っていると言うのなら、人の多い場所にいるのは得策ではないと考えてのことだった。
「将冴、そのダイモンという者の足取りは掴めないのか?」
「束さんがスコールさん達をつかって何とか見つけようとはしているみたいだけど、芳しくないね。何度か僕に接触してきたけど、かき消えるようにいなくなるから」
「そうか……。敵討ちのためにダイモンを追っているのか?」
「まぁ、それもあるけど」
将冴は含みを持たせたようにつぶやき、頬を掻いた。
「ダイモンのせいで苦しむ人がいるから。泣く人がいるからっていうのもあるんだ。遠回しとはいえ、クラリッサが僕に罪悪感を抱くようになってしまったのはダイモンのせいだし」
「クラリッサがお前に?」
「僕がドイツで誘拐された時、助けてくれたのがクラリッサっていうのは一夏から聞いたよね?」
「ああ」
「クラリッサはね、その時自分が油断しなければ、僕が手足を無くさずに済んだはずって思ってるんだよ。クラリッサは助けてくれたからそんなこと考えないで欲しいんだけどね」
「まぁ、クラリッサの気持ちがわからんでもないが」
「だからね、僕はダイモンを許さない」
そう言った将冴の顔は、ゾクリと寒気を感じさせるほど冷たいものだった。この少年は、こんな恐ろしい顔もするのかと、内心恐ろしくなった狼牙。
「随分と怖い顔をするようになったようだね。柳川将冴」
突然声をかけられその方を見ると、黒いスーツに身を包んみ、大きな一つ目が描かれた黒い仮面をつけた人物が立っていた。
「なんだお前は。見るからに怪しいが……まさか」
「君の推察通りだ。私はダイモン。銀狼牙、君を迎えに来た」
「そんなお迎えは必要ない。もちろん、黙って連れ去られるつもりもない」
「そうだろうね。だが、こちらもはいそうですかと帰るわけにはいかない」
「ダイモン、今日こそ捕まえる!」
将冴はテムジンを展開し、スライプナーをダイモンに向けた。
「おっと、今日は君に用事があったわけじゃないんだがね」
「そんなの知ったことじゃない。おとなしく付いてきてもらうよ。じゃなければ撃つ」
「君に私が撃てるのか?」
「撃つよ」
引き金に指をかけ、力をこめようとしたとき、将冴の体がぐいっと後ろに引っ張られた。
すると、先ほど将冴がいた場所にビームが降り注いだ。
「な……」
「頭に血が上りすぎだ。ロックオンされていることにも気付かずに」
将冴を引っ張ったのは、天狼白曜を展開した狼牙であった。
狼牙の言葉に、将冴が頭上を見上げると、そこには無数のダイモンオーブが漂っていた。
「惜しいな、もう少しだったのだが」
「随分と狡猾なようだな。だが、お前の話を聞くかぎり、俺も一発殴るくらいは許されそうだとわかった」
「怖い怖い。だが、その前に君たちにはオーブを相手してもらおうか?」
ダイモンが右手を挙げると、全てのダイモンオーブが将冴と狼牙をロックオンする。
「将冴、行けるか?」
「……」
「しゃんとしろ。奴を捕まえるのだろう?」
バシンと狼牙が将冴の背中を叩くと、将冴は前によろめく。
「……うん、ありがとう狼牙」
「では共闘と行こう。狼とロボットの異色コンビだ」
「厳密にはどっちもロボットだけどね!」