IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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今回と次でコラボは終わりとなります。

もう少しお付き合いくださいませ。

本編はコラボ終わり次第、続けて投稿していこうと思います。


コラボ第18話

いち早く飛び出したのは、狼牙の天狼白曜だった。

 

狼牙は手加減するつもりはないらしく、最初からかなりの速度で飛び出した。将冴と模擬戦をした時のように出し惜しみはしない。

 

瞬時に一体のオーブに近づいた狼牙は、速度を生かしブレードトンファーでオーブを切り裂き、破壊した。

 

 

「玉遊びにしては、少々味気ないではないか」

 

「狼牙!囲まれてる!」

 

 

将冴の声に、狼牙は周りを見渡す。狼牙を取り囲むように、オーブが並びロックオンしている。

 

 

「統率は取れているといったところか。将冴、心配するな」

 

 

狼牙は将冴にヒラヒラと手を振ると、まるで楽しむかのように言い放った。

 

 

「こいつらとは相性がいい」

 

 

その瞬間に、オーブからビームが一斉に放たれる。狼牙は回避行動を取らずに、ビームの光に包まれた。

 

 

「狼牙!?」

 

 

次第にビームが治っていく。

 

将冴は直撃したものと思い、狼牙の元へ向かおうとするが、それは杞憂に終わる。

 

狼牙は何事もなかったかのようにそこにいた。

 

 

「え、狼牙……」

 

「心配するなと言っただろうに」

 

「どうやって?」

 

「ちょっとした単一仕様能力(ワンオフアビリティ)だ。それより、話してる場合はないぞ?」

 

 

狼牙の言う通り、オーブが再び二人をロックオンし始める。

 

まだ一体しか破壊していないため、まだまだ数はある。

 

 

「将冴、まだいいところなしだぞ?」

 

「そうだね。僕も本気で行かせてもらうよ」

 

 

将冴はスライプナーを変形させサーフボードのようにし、それに乗り近くにいるオーブにまっすぐ突っ込んだ。

 

サーフボードはエネルギーの刃を有しており、そのままオーブを切り裂いた。

 

 

「次!」

 

 

サーフボードを巧みに操り、急カーブしもう一体オーブに突撃し、破壊した。

 

 

「やるではないか。こちらも負けていられないな」

 

 

狼牙は将冴に張り合うように速度を上げ、オーブを切り裂き、群狼で噛みちぎる。

 

将冴もまた、フォームをアファームドに変え、両手のビームトンファーをオーブに突き刺し、引き裂くように手を広げ真っ二つにする。

 

 

「これ程までの力を有していたか……オーブだけでは武が悪そうだな」

 

 

将冴と狼牙の手によってオーブはみるみる数を減らし、とうとう最後の一体となった。

 

 

「狼牙!」

 

「ああ、盛大に決めてやろう!」

 

 

オーブを挟む打つように、二手に別れる将冴と狼牙。

 

そして二人とも右拳を構える。

 

 

「これで……」

 

「ラスト!」

 

 

将冴はハッター直伝の拳を、狼牙は掌に搭載された『咆哮銀閃』を放った。

 

軋む音とともにオーブはひしゃげ、火花を散らし爆発した。

 

 

「ふむ……数で押せばあるいはと思ったが、そう簡単に行くものでもないようだな。まぁ、いい。今回は諦めるとしよう」

 

 

オーブが全て破壊されたのを見たダイモンは、踵を返しその場から離れようとするが、その目の前に天狼白曜が降り立った。

 

 

「どこに行くつもりだ。言っただろうに、一発殴るとな」

 

「殴るだけじゃないよ」

 

 

ダイモンの背後に将冴が降り立ち、スライプナーを向けた。

 

 

「ダイモン、あなたを拘束する」

 

「ここで捕まるのは私としても好ましくない。申し訳ないがここで退散させてもらう」

 

 

ダイモンの姿が歪み始め、霞んで行く。

 

 

「ま、待て!」

 

「今回は手を引くが、私は君のことをは諦めないぞ。柳川将冴、君の闇を手に入れるまでな」

 

 

そう言い残し、ダイモンの姿はかき消えた。

 

将冴と狼牙はISの展開状態を解く。将冴は悔しそうに拳を握った。

 

その様子を見た狼牙は、ポンと将冴の頭に手を置いた。

 

 

「その悔しさは、奴を殴るときまで取っておけ」

 

「うん……その時は、狼牙の分まで殴るよ」

 

「ああ、奴の顎を砕く勢いでやってしまえ」

 

「ふふ、僕の義手も壊れちゃうよ」

 

「そうだな。……さて、帰るとするか。さすがに腹が減った」

 

「その前に、織斑先生に怒られに行こうか」

 

「IS無断使用に大規模な戦闘……出席簿が落ちてくるな……」

 

「さすがに僕も落ちてきそうだなぁ……」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

スパーッン

 

学生寮の寮長室に鋭い音が一つ響いた。

 

 

「何故俺だけ……」

 

 

頭を抑えているのは狼牙だけであった。

将冴も、今回は叩かれるという覚悟を決めていたのだが、今日も今日とて出席簿が落ちることはなかった。

 

 

「突然だったとはいえ、一言連絡をよこせ馬鹿者」

 

「主に俺の方を向いて言うのは何故なんだ?」

 

「幸いにも人がいなかったからいいものの、一般人を巻き込んでいたらどうするつもりだったのだ」

 

「す、すいません、千冬さん……」

 

「はぁ……まぁいい。今回は二人とも巻き込まれた被害者だ。これ以上は何も言わん。もう行け」

 

 

狼牙は叩かれた頭をさすりながら出て行く。

将冴も出て行こうとすると、千冬に呼び止められた。

 

 

「将冴」

 

「はい?」

 

「大丈夫か?」

 

「ええ、怪我もないですし、特に問題ないです」

 

「そうか。呼び止めてすまない」

 

 

心配してくれたのかと、少し嬉しい気持ちになりながら、将冴は寮長室を出た。

 

廊下では、壁に寄りかかるようにして狼牙が待っていた。

 

 

「ごめん、待たせちゃって」

 

「気にするな。ようやくお前が叩かれない理由がわかったしな……」

 

「何か言った?」

 

「なんでもない。気にするな」

 

 

狼牙が将冴の車椅子を押そうと手をかけると、廊下の向こうからクラリッサが走ってきた。

 

 

「将冴!」

 

「クラリッサ、ただい……」

 

「ダイモンに襲われたと聞いたぞ!?大丈夫だったのか!?怪我は!?奴に変な挑発されてスペシネフを……」

 

「大丈夫だよ、クラリッサ。なんともないから」

 

「本当に大丈夫なのか……?」

 

「狼牙もいてくれたから、心配しないで」

 

「それなら……いいのだが……」

 

 

一瞬で桃色空間を作り出した二人を、狼牙は少し離れて眺めていた。




ラグ0109様の作品はこちら

http://novel.syosetu.org/41194/
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