IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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ラグさんの方のコラボ回も最終話が掲載されました。

自分のキャラを使っていただくというのは、なんというか恐れ多いですね。

思えば、私がTwitterでコラボしたいとつぶやかなければ、コラボは実現しなかったわけで……お互いに毎日のようにああじゃないこうじゃないと話し合いながらコラボを書くのは楽しかったです。

今度コラボやるときは、もう少し時間が取れるときにしようと決意しました……。


165話

 

午前中の授業が何事もなく終了し、昼休み。

 

みんなマドカに話しかけることができず、教室はずっと緊張感に包まれていた。はぁ、仕方ない。昼休みは近況報告することになっているから、専用機組にマドカを紹介しよう。

 

……っと、クラリッサはお昼は仕事あるのかな?

 

 

「クラリッサ、お昼はどうするの?」

 

「少しやらなければならないことがある。すまないが、一緒にいられない……」

 

「わかった。お仕事頑張ってね。僕も、専用機組に伝えてくるよ。僕とクラリッサのこと」

 

「ああ、私も織斑先生と山田先生にそれとなく伝えておく」

 

「うん、お願い。何かあったらすぐに伝えて」

 

「こちらの台詞だ。それじゃ、また午後の授業で」

 

 

クラリッサは教室を出ていく。

夏休み明けでも、忙しそうだな……。クラリッサの場合は、ドイツ軍との二足の草鞋だし、余計に大変だろう。

 

さて、マドカを誘うとしよう……と、その前に。

 

 

「一夏、お昼なんだけど、先に行っててもらえる?」

 

「ん?ああ、別に構わないけど、何かあったのか?」

 

「うん、マドカも誘おうと思って。みんなに紹介しないとと思ってね」

 

「そうか。まぁ、俺も気になっていたし、そうしてくれた方がありがたいかもな」

 

「そう言ってくれて助かるよ。それじゃ、マドカと一緒にそっちに行くから」

 

「おう、待ってるぜ」

 

 

一夏はそう言うと、専用機組を連れて教室を出て行った。ラウラとシャルは心配そうに僕の方を見ていたけど、僕が軽く手を振ると、安心したのかそのまま一夏について行った。

 

 

「マドカ」

 

「ん、将冴か」

 

 

マドカは窓際の席でじっと座っていた。僕が話しかけて、漸くこちらに顔を向けたくらいだ。

 

 

「お昼、一緒に食べない?一夏達にマドカのことを紹介したいし」

 

「構わない。行こう」

 

 

気持ちいいくらいの即断即決。

まぁ、悩まれるよりはいいんだけど……。

 

マドカは僕の車椅子を押して食堂へ向かった。

 

食堂に着くと、一夏達はすでに昼食を持って席についていた。僕とマドカは手早く洋定食を頼み、それを手に一夏達のところへ向かった。

 

 

「みんな待たせてごめんね」

 

「そんなに待ってないから大丈夫だ」

 

「とりあえず、ご飯食べながら話そうか」

 

 

僕がそう言うと、みんないただきますと言いながら昼食に手をつける。マドカも少し遅れながらもいただきますとつぶやき、洋定食を食べ始めた。

 

 

「それじゃ、まずマドカの紹介するね。えっと……マドカは僕の従姉妹で……」

 

 

しまった、それ以上に口裏を合わせる情報を持っていない……。

 

すると、マドカは流暢に語り始めた。

 

 

「将冴と同じ、MARZ所属だ。お互いに従姉妹同士と知ったのはつい最近だから、お互いにそんなに詳しくない。今回はMARZ社長の厚意でIS学園に編入した」

 

 

事前に決めてあったかのように話すマドカ。僕にも事前に伝えて欲しかったのだけれど……。

 

 

「織斑千冬に似ているとよく言われるが、特別に交流があったわけでもない」

 

「そうなのか……いや、千冬姉にめちゃくちゃ似てるから、千冬姉の隠し子かと思ったぜ」

 

「年齢的にそれはないでしょ。っと、自己紹介しなきゃね。私は2組の凰鈴音。気軽に鈴って呼んで」

 

 

鈴を皮切りに、みんなが自己紹介していく。

マドカは表情を変えず黙って聞いていたけど、多分みんなのこと資料か何かで事前に知っているんだろうな……。

 

 

「将冴と同じ会社ってことは、束さんの会社だよな?」

 

「うん。夏休みに束さんのところに行ったら、そこでマドカと会ってね。従姉妹がいたなんて知らなかったけどねぇ、ハハハー」

 

 

嘘っぱちなんだけどね。

 

 

「そうか。まぁ、マドカの詮索はこれくらいにしておいて、みんな夏休み何していたか聞かせてくれよ。俺は……」

 

 

それぞれ夏休みのことを話していく。

 

一夏は雪羅の特訓を織斑先生につけてもらっていたらしい。夏休みびっちりやれば、かなりの力はついただろう。

 

箒は実家であった篠ノ之神社の手伝いに帰っていたみたい。祭で神楽舞をやったらしい。少し見てみたかったかも。一夏は見に行ったみたいだけど。

 

セシリアはイギリスに帰って、いろいろとやることがあったようで、忙しい日々を過ごしたという。帰ってきたのも、僕の1日前だという。

 

鈴は日本に残って、中学の頃の友達と会っていたという。僕もしばらく会ってないなぁ……。

 

シャルはフランスに帰って、お父さんといろいろ話してきたという。まぁ、僕は一度フランスで会ってるから、知っているんだけど。仲よさそうでよかった。

 

ラウラはドイツ軍の仕事に追われたと嘆いていた。隊長さんだから、仕方ないよね。クラリッサが手伝うくらい溜まってたっていうし。

 

そして、とうとう僕の話となった。

 

 

「僕はずっと海外だったかな。ドイツで両親の墓参りして、ラウラの隊の新人さん相手に教官みたいなことしていたし。アメリカ留学も、結構有意義に過ごせたよ。アメリカ軍の教官や代表候補生、国家代表の人にもあったよ。あとは、MARZの方に顔を出した……くらいかな」

 

「お前、夏休みほとんど休めてないんじゃないのか?」

 

「そんなことはないよ。まぁ、少し疲れが出たからか、昨日は体調崩しちゃったんだけど……」

 

 

みんなにそれだけやっていたら体調崩すのは当たり前だ、と突っ込みを入れられながらも、近況報告は一通り終わった……いや、まだ伝えてないことがあった。ていうか、さっきからシャルとラウラがこっちを見ている。

 

僕はシャルをそんな妹に育てた覚えは……。ラウラはシャルに入れ知恵されたせいだな……。

 

 

「あ、あと一つ報告があるんだ」

 

 

僕の言葉に、みんながこちらを向く。うっ……そんなに注目しなくても……。

 

 

「えっと、そのぉ……」

 

「お兄ちゃん、早く聞きたいなぁ」

 

「シャルは黙ってて……」

 

 

はぁ、と一息つき、僕は意を決して言葉にした。

 

 

「クラリッサと付き合うことになりました」

 

 

途端にみんなしぃんと静まり返る。

え、なんかリアクションないの?

 

 

「今まで付き合ってなかったんですの!?」

 

「え、そっち?」

 

「てっきり、もう付き合っているものだと思っていたぞ」

 

 

セシリアと箒にそう言われる。

今までそう思われていたの……?

 

 

「いや、あれは俺でも付き合ってんだなと思うくらいだぜ?」

 

「一夏にまでそう思われていたのか……」

 

 

ということは、もしかしてクラスのみんながそう思っている……?

 

シャルとラウラはすでに知っていたから、どこ吹く風といった風だが、鈴はというと……。

 

 

「ちゃんと言えたんだ」

 

 

僕の考えていることをすでに知っていたからか、みんなとは反応が違った。

 

 

「うん……少し素直になろうと思ってね」

 

「いいじゃない。また少し、将冴のこと知れたわ」

 

 

そう言うと、鈴は食べ終わった食器を持って立ち上がった。

 

 

「じゃ、私はもう行くわ。やらなきゃいけないこと思い出したから」

 

 

鈴はそのまま食器を片付け、食堂を出て行った。

……鈴に話してよかったかもしれない。こういうの鈴はとても大きな存在に見える。

 

 

「将冴」

 

 

隣に座っていたマドカが僕を呼んだ。

 

 

「どうしたの?」

 

「今、更識楯無がボイスレコーダーで将冴の話を録音していた」

 

「……え?」




楯無が漸く本格始動。
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