IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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気づけば次回で総話数200話です。
小説検索でも、話数が多い順に探した方が早いというところまできました。

200話記念……というのもやってみたかったですが、何も準備ができなかったです。もし、読者の方でこれやって欲しいなどございましたら、ご一報下さいませ。ただ、作者のリアルとの相談となるので、全部できるというわけではありませんので、ご了承くださいませ。


168話

 

織斑先生達と話をしたあと、今日はなんだか訓練する気分でもなくなってしまい、クラリッサと適当に時間を潰して夕食を食べて、部屋に戻ってきた。

 

マドカには、夜に来るように言ってある。マドカのことだから夕飯を食べ終わったらすぐ来るだろうけど……まぁ、来るまでチーフからもらった戦闘教義指導要綱でも読んでよう。

 

僕はベッドに腰掛けて戦闘教義指導要綱を開いた。クラリッサは僕の隣で指導要綱を覗き込んでいた。

 

 

「それは、アメリカでもらったのか?」

 

「うん。僕を指導してくれたチーフさんに。結構実践的なこと書いてあるから、読み込もうと思って」

 

「ふむ……指導要綱13『一撃必殺』、指導要綱20『援護防御』……これはよくできたマニュアルだな」

 

 

何度読んでいるこの指導要綱だが、本当にためになることしか書いていない。今度の訓練で試してみよう。

 

と、その時。コンコンと扉をノックする音が聞こえた。多分マドカだろう。

 

 

「マドカか?」

 

「そうだと思う。どうぞ」

 

 

僕の声が聞こえたのか、扉を開き部屋に入ってくる。予想通り、それはマドカだった。

 

 

「邪魔する」

 

「いらっしゃい、マドカ」

 

「何か飲むか?」

 

「気遣い無用だ。さっさと用事を済ませよう。消灯時間が過ぎる」

 

 

なんだか変なところ律儀だな、マドカは。まぁ、いいんだけど。

 

 

「そうだね。それじゃあ、単刀直入に聞くけど、どうしてIS学園に生徒として来たの?」

 

「束に頼まれたからだ。織斑千冬に資料を届けて、この学園に入り将冴を守れ、と」

 

「僕を?」

 

「束が、ダイモンは今までのような生半可なことはしない。もっと襲撃は苛烈さを増す。下手をすれば、将冴やその周りの人が傷つきかねない、とな。織斑千冬にもこのことは伝えてある」

 

 

……束さんが僕の周りの人を心配したことに驚きだけど、それは今は置いておこう。学校公認と言うのなら何も問題はない、ということなのかな?

 

 

「将冴。ダイモンが執拗に将冴にスペシネフを使わせようとしているのには何か理由がある。束もそれについてはわかっていない。だが、将冴も念を押されているように、スペシネフは危険だ。私も直接見たわけではないが、あれが危険なことだけはわかる」

 

「そう……」

 

 

正直、スペシネフを使った時のことはあまり覚えていない。記憶が飛ぶほどの負の感情……もしそれに飲み込まれたら……。

 

 

「将冴……」

 

 

クラリッサが不安そうな顔を浮かべる。

 

 

「そんな不安な顔しないでよ、クラリッサ。大丈夫、ドイツの時だってなんとか抑えられたんだから」

 

「……ああ。私は将冴を信じてるからな」

 

「ありがとう」

 

 

そう言うクラリッサだったけど、不安は拭いきれないみたいだ。

 

……今考えても仕方ない。とりあえずマドカに話の続きを……。

 

 

「マドカがここに来た理由はわかった。次なんだけど……どうして僕の従姉妹ってことになったの?」

 

「織斑という名字では色々と誤解を招き、動きずらいと思ってな。将冴を守るために来たのだし、将冴の近くにいて周りに怪しまれないようにするにはと考えた結果だ。ちなみに織斑千冬の提案だ」

 

 

千冬さん……あらかじめ伝えてください。

 

 

「どうして一番伝えなきゃいけない人に情報が伝わっていないのか……」

 

「心配させたくないそうだ」

 

「伝えてくれた方が良かったよ!」

 

「それは……すまない」

 

 

マドカは悪くないのに謝らせてしまった……。いや、これくらいは許してほしい。

 

マドカが教室入ってきた時、本当に頭が痛かったんだから!

 

 

「マドカ、ダイモンがいつ襲撃してくるなどはわかっているのか?」

 

「束が予測を立てていた。100%その日と断定したわけではないが」

 

 

さすが束さん、といったところか。でも、あの人が断定しないというのは、なかなかに珍しい……。

 

 

「それはいつだ?」

 

 

クラリッサは気が気じゃないようで、かなり必死になっている。心配してくれる人がいる、というのはなかなかにいいものかな。

 

少し申し訳ない気持ちになってしまうけど。

 

 

「今月末……学園祭の日が一番怪しい、と」

 

「学園祭か……よく束さんが行事のこと覚えていたね」

 

「将冴、そこじゃないだろう……」

 

 

珍しくクラリッサにツッコミを入れられてしまった。いや、昔から束さんを知ってる身としては、なんだか束さんが成長しているようで嬉しいのだけれど。

 

 

「聞けば、学園祭は外部の人も呼び込むのだろう?」

 

「詳しくは知らないけど、確かそうなっていたはず。明日、学園祭について詳しい説明あるみたいだけど」

 

「そうか。とにかく、その日は学園外から来る人でごった返す。襲撃するにはうってつけの日だ」

 

「そうだね。ダイモンからすれば、こんな好機はない。このこと、学園側は?」

 

「千冬を通じて伝わってると思う。対策はこれからになるだろう」

 

 

千冬さん、さっきわざと黙っていたのかな……。僕に負担をかけないようにということなのかな。

 

 

「……うん、大体わかった。ありがとうマドカ」

 

「いや、もう少し早く伝えるべきだった。すまない」

 

「謝らなくていいよ。マドカも大変だったんでしょ?楯無さんの相手とか」

 

「ああ……何かと絡まれてな。今日も、ここに来る前にしつこく言い寄られてな……」

 

「多分、織斑先生に似ているのもあると思うよ……」

 

「難儀な容姿だ……」

 

 

初めてマドカが疲れたような顔を見せた。本当に面倒だったんだなぁ……楯無さん。

 

 

「ん、そろそろ消灯時間だな。織斑千冬に捕まる前に戻る。……はぁ」

 

「その……頑張って。愚痴なら聞くから」

 

「ああ。では失礼する。今度お腹を触らせてくれ」

 

 

触るっていうか、ペチペチしたいだけじゃ……とは言えず、マドカはそのまま部屋を出ていた。

 

 

「マドカも色々と苦労しているようだな」

 

「うん、色々と辛い生き方しているみたいだからね」

 

「そうか……。私たちもそろそろ寝るか」

 

「そうだね」

 

 

僕達はさっさと寝る準備をして、同じベッドに入り手をつなぎながら眠りについた。




メインキャラにマドカが増えたことで、作者の頭はパンク寸前。

……この小説終われるのかな……
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