IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

200 / 280
総話数200話です。
みなさんのおかげでここまで来ることができました。
前作、ゴッドイーターは60話たらずで無理やり終わらせてしまい、私としても不完全燃焼でしたが、この作品はなんとか完走したいですね。

前回、リクエストを募集しましたが、早速リクエスト送ってくださった方、ありがとうございます。全部拾って書きたかったのですが、本編の進捗状況や作者の書く時間との相談になってしまうので、多くて3つほどしか書けないと思います。

リクエストを書く際は、その方の名前を出させていただくことになるかもしれませんが、ご了承いただけると助かります。

あと、コラボ……というか、自分のキャラを使ってください、というのは今回ご遠慮願いたいと思います。コラボしたばかりで、またコラボというのは、作者自身あまり望む形ではありませんので。


169話

 

「それじゃあ、学園祭の出し物決めたいと思います。何か意見のある人は挙手してください」

 

 

マドカと話した翌日。授業の時間を一つ潰し、学園祭の出し物を決めていた。

 

クラス代表である一夏が黒板の前に立ち、セシリアが書記として待機している。山田先生はその様子を黒板の横に置いてある椅子に座ってにこやかに眺めていた。織斑先生は決まったら教えろと職員室に行ってしまい、クラリッサは僕の後ろにいつものように立っている。

 

学園祭の出し物……無難なのは喫茶店とかだけど、この学園の生徒がまともな意見を出すとは思えないし……。

 

 

「はい!一夏君と将冴君のホストクラブ!」

「一夏君と将冴君と王様ゲーム!」

「一夏君と将冴君とツイスターゲーム!」

「一夏君と将冴君と……」

 

 

それ見たことか、内容が僕と一夏のことばかりだ。予測可能回避不可能といったところだ。

 

はぁ、どうしてこんなにも欲望に忠実なんだか……

 

 

「ああ、えっと……セシリア、とりあえず書いておいて」

 

「わかりましたわ」

 

 

黒板に無慈悲に刻まれていく僕と一夏が犠牲になると思われる出し物の数々。

 

クラリッサの方を振り向くと……うん、不機嫌なのが目に見えてわかる。でも、付き合ってることを口外しないためにも、なんとか耐えているようだ。

 

山田先生も困惑の表情を浮かべている。

 

それでもこのクラスは止まらない。

しまいには僕と一夏が題材の同人誌即売会とか言い出す人まで。本当にそれを作ってるんなら全部処分するからね。

 

と、ここで意外な人物が手を挙げた。

 

 

「お、マドカ。何かあるか?」

 

 

まだこのクラスに毒されていないであろう僕の従姉妹(仮)のマドカだ。

 

マドカなら常識的な範囲で……。

 

 

「1分間将冴のお腹を撫でれる。一回100円」

 

「マドカぁ!?」

 

「ま、マドカ……流石にそれは……」

 

「……そうか」

 

 

表情は変わらなかったが、なんとなく残念そうな雰囲気で手を下ろしたマドカ。

 

まさかマドカがあんなことを言うとは思わなかった……。

そういえば、束さんのところにいるときは、事あるごとに僕の腹筋をペチペチしていたっけ。途中から面倒くさくなってそのままにしていたけど……。

 

 

「ほかに何かないか?できれば俺と将冴限定じゃないので……」

 

 

その瞬間に手が上がっていた女子たちの手がすっと下がる。君たちどんだけ……。

 

そんな中、一人だけ手をあげる人がいた。それは僕の義妹、ラウラだ。

 

 

「メイド喫茶なんてどうだろうか?」

 

 

メイド喫茶……うん、すごいまともだと思う。大変よろしいと思います。流石僕の妹!

 

 

「メイド喫茶か……確かにそれもいいかもね」

 

「一夏君と将冴君はどうするの?メイド服着させる?」

 

「そこは執事の格好をさせればいいだろう。一夏も兄さんも料理ができるから、裏方に回れる」

 

 

ラウラがこれほど輝いて見えた事があっただろうか。

まさかクラスの人心を掌握していくとは……。

 

 

「うん、いいんじゃないかな?」

「私、フリフリのやつ着たいな!」

「私はミニスカートのやつがいいなぁ」

「和風なのもいいよね!」

 

「えっと、それじゃあメイド喫茶で決定でいいか?」

 

『意義なーし!』

 

 

無事に着陸できるようにしてくれたラウラに感謝だ。

 

 

「無事に決まったようで良かったです。それでは、学園祭の出し物はメイド喫茶という事でいいですね。あとは役割分担などを……」

 

 

山田先生が決めなきゃいけない事を伝えると、それからは早かった。服に関してはセシリアが見本を用意できるという事で、それを元に手作り。料理などに関しては、それなりに料理ができる箒やシャルが中心となってやる事となり、一夏は統括。僕はおそらく生徒会で忙しくなるから、手伝えるときにできる事をやるという事になった。

 

決める事はもうなくなったところで、山田先生が学園祭の説明をしてくれる。

 

 

「学園祭当日は、皆さんの家族や友人を呼ぶ事ができます。それぞれ生徒一人一人に招待券が渡されます。誰を呼ぶかは自由ですが、招待券一枚につき2人までとなっていますから、気をつけてくださいね?」

 

 

招待券か……誰か招待したいけど……。

 

 

「クラリッサ、これって教師の人にも配られるの?」

 

「ああ。私はルカとリョーボさんを呼ぼうかと思っていたが……襲撃があるかもしれないと考えると、な……」

 

「そうだね……でも、いいんじゃないかな?」

 

「え?」

 

「僕が、全力で守るからね」

 

「そうか……私も、手を貸すからな」

 

「うん、ありがとう。……さて、そうなると、僕は誰を呼ぼうかな」

 

 

親族なんていないから、必然的に友人になる。

束さんとクロエさんは……いつも勝手に入ってくるから、招待券を渡すまでもないか。同じ理由でオータムさんとスコールさんもいいだろう。

 

その他で言うと……そうだ、あの2人がいたか。

 

 

「将冴、誰か思いついたのか?」

 

「うん。前にお邪魔したから、今度はこっちに誘うよ。ジェニーとステフを」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

放課後、僕は教室で滅多に使わないコアネットワーク通信でジェニーとステフに連絡を取った。フェイスチャットみたいな感じにできるから、便利だよね。クラリッサも僕の後ろから覗き込んでいる。

 

こっちは今16時だから、あっちは大体深夜0時頃。まだ起きてるといいけど……。

 

あ、繋がった。

 

 

「やぁ、ジェニー、ステフ。久しぶり」

 

『ショウ!久しぶり!」

 

『久しぶり。元気そうで何よりよ』

 

「突然連絡してごめんね。そっちは夜中でしょ?」

 

『気にしないで、明日はお休みだし』

 

『丁度ステフと暇してとこなのよ』

 

「そっか、なら良かった」

 

 

2人は相変わらず仲がいいみたいだ。僕としてもなかなかに微笑ましい。

 

 

『あ、クラリッサさんもいる!久しぶりです!』

 

「あ、ああ。久しぶり……」

 

 

話しかけられると思っていなかったのか、クラリッサは戸惑いながら返事をした。

 

 

『それでショウ。わざわざ連絡してきて、何かあった?』

 

「うん、実は今月末にIS学園で学園祭が行われるんだけど、よければ来ないかなと思って」

 

『学園祭?』

 

『すごい楽しそう!ね、ジェニー、行こうよ!』

 

『行こうよって、私達訓練だってあるし、チーフが許してくれるか……』

 

「難しそう?」

 

『……とりあえず、チーフに聞いてみるわ』

 

「わかった。いい返事待ってるよ」

 

『ショウ、わざわざありがとうね!』

 

『なんとか行けるように説得するわ。それじゃ、お休み』

 

「うん、お休み」

 

 

通信を切ると、クラリッサが僕の顔を覗き込んだ。

 

 

「いいのか?さっきも言ったが、襲撃があるかもしれないんだぞ?」

 

「わかってるよ。……多分、僕はかなり酷いことを考えてる」

 

「酷いこと?」

 

「うん。僕はジェニーとステフも、戦力に加えようとしてる……」

 

「……」

 

「もちろん、そうならないようにするつもりだよ。でも万が一のためにって……」

 

「将冴」

 

 

クラリッサが僕の名前を呼ぶと、僕の頭に軽く手刀を落とした。

 

 

「痛っ」

 

「将冴、余計なことは考えなくていい」

 

「クラリッサ……」

 

「お前のことは、みんなが守ってくれる。将冴もみんなを守ってくれる。だから、大丈夫だ」

 

「……うん」

 

 

珍しく泣き言を言ってしまった。

ダメだな、切り替えよう。

 

 

「よし、生徒会行こうかな」

 

「ああ、わかった」

 

 

クラリッサに車椅子を押してもらい、僕は生徒会室へ向かった。




原作、招待券一枚につき1人だったかなぁ……。
あまり覚えていなかったです。なので、原作と違います。

だってジェニーとステフ呼びたかってん!
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