IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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本日は連続投稿する……予定です。

間に合えば今日中に番外編で200話記念番外編書きます。そして明日も連続で二つ書きます。こちらも記念番外編。

計3つの記念番外編書きます。

ガンバリマス……!


176話

 

翌日の放課後、僕は織斑先生からヒカルノさんがいる場所を聞きクラリッサとともに整備室に向かった。

 

シミュレーターの取り付けは無事終了したらしく、僕は今後ISの授業のときは空き教室に設置されたシミュレーターで訓練を行うとのこと。それに並行して僕以外の人たちはチーム行動の授業を始めるという。

 

学園側がダイモンの襲撃に備えているのが、事情を知っている僕にはわかった。マドカと、あとラウラも薄々感づいているように見えた。ラウラにはダイモンのことは少し話したからね。

 

……専用機組には、織斑先生が事情を伝えるとは言っていた。学園祭当日は、学園中の専用機持ちが駆り出されることになるだろうな……。

 

 

「将冴、難しい顔をしてどうした?」

 

「ちょっと考え事、かな」

 

「いつも言うようだが、1人で抱え込むのは……」

 

「うん、わかってるよ。クラリッサ、あとで僕の愚痴に付き合ってくれる?」

 

「ああ、お安い御用だ」

 

「ありがと。……っと、整備室についたね」

 

 

整備室に入ると、ヒカルノさんが胡座をかいてノートパソコンをいじっていた。

 

僕たちが入ってきたことに気づいたのか、ヒカルノさんはこちらに振り向く。

 

 

「お、来たね」

 

「こんにちは、ヒカルノさん」

 

「はい、こんにちは。それじゃあ、早速でなんだけど、こっちのハンガーにISを展開してくれるかな?」

 

 

ヒカルノさんは空いてるハンガーを指差しながら、またノートパソコンを操作し始めた。

 

僕とクラリッサは顔を見合わせながら、とりあえずヒカルノさんの言う通りにバーチャロンを整備モードでハンガーに展開した。

 

 

「おー、テムジンか。礼司さんと有香さんの設計した通りに出来上がってんねぇ」

 

 

両親と同じ職場で働いていたわけだし、知っていてもおかしくないか……。ヒカルノさんはテムジンの機体データを見ながら、ウンウンと頷いている。

 

 

「なるほどねぇ……少年、他のも見せてもらえる?」

 

「あ、はい!」

 

 

ライデン、アファームド、フェイ・イェン、スペシネフをヒカルノさんに見てもらう。ヒカルノさんは機体データと睨めっこしたり、時折キーボードを叩いたりしながら、一つ一つを眺めていた。

 

 

「将冴、あまり長々と見せない方がいいんじゃないか?相手は倉持技研の人間なのだろう?技術が盗まれる可能性だって」

 

「僕の両親がもともと倉持技研の研究者だし、その辺は別に気にしてないから構わないよ。ダイモンだって、すでにV.ドライブの技術は手に入れてるしね」

 

「少年!」

 

 

クラリッサとヒソヒソと話していると、ヒカルノさんが僕を呼んだ。

 

なんだろう?

 

 

「はい、なんですか?」

 

「ちょっと、これ弄っていい?」

 

「弄るって……バーチャロンをですか?」

 

「他になにがある?」

 

「どう弄るつもりなんですか?」

 

「なに、悪いようにはしないよ。チョロっと自作のデータを積み込んでみたくてね」

 

 

自作データって……大丈夫なのか?

……これに関しては僕の独断で決められない。

 

 

「少し待ってください」

 

「あいよー」

 

 

僕はヒカルノさんから少し離れた所で、束さんに電話をかけた。

ワンコール目が終わらぬうちに、束さんは電話に出た。

 

 

『やっほいしょーくん!束さんにlove callとは、とうとうくらちゃんから束さんに乗り換えることを決意しt』ブツッ

 

 

はぁ……またこれか。

 

 

「少年、電話を切って良かったのか?」

 

「ああ、いつものことだ」

 

 

ヒカルノさんは首を傾げ、誰と電話してるかわかったクラリッサは苦笑いを浮かべた。

 

そうこうしているうちに、僕の携帯が鳴る。

今度はちゃんとしているといいけど……。

 

 

「もしもし」

 

『しょーくんからかけてきてるのに、しょーくんから電話を切るのはヒドイと思うんだよ!束さんは謝罪を要求する!』

 

「束さん、実は今倉持技研の人と一緒にいまして」

 

『えぇ、スルー……?』

 

 

僕は事情を説明する。束さんは黙って聞いていた。珍しく。

 

 

「……ということなんですけど」

 

『うん、いいんじゃない?』

 

「軽っ!」

 

『そんなデータごときで、束さんが作ったバーチャロンがどうこうなるわけじゃないし、れーくん達の知り合いなら特に問題ないよ』

 

「そうですか。わかりました」

 

『あ、でもあとで機体データは送ってね。一応確認したいし』

 

「了解です。それでは……」

 

『あ、それと』

 

 

電話を切ろうとすると、束さんがまだ話を続けた。

 

 

『銀の福音が暴走した理由がわかったから、あとでバーチャロンにデータを送っておくよ。しょーくんも気になってたでしょ?』

 

「っ!……はい。お願いします」

 

『おーけー!それじゃあねぇ〜』

 

 

通話はそれで切られる。

 

福音の暴走理由、か……ダイモンは手間がかかるからその方法でISを牛耳るのはやめたと言っていたけど……。今は考えるのをやめておこう。とりあえず、ヒカルノさんに大丈夫ということを伝えておこう。

 

 

「お待たせしました。ヒカルノさん、OKが出たので大丈夫です」

 

「ありがとさん。それじゃあ、ちょっと待っててね」

 

 

ヒカルノさんがノートパソコンと整備用端末をつなげ、データ送り始めた。

 

 

「ヒカルノさん、このデータはなんのデータなんですか?」

 

「ああ、これはね」

 

 

ヒカルノさんは勿体振るように少し間をあけ、そして教えてくれた。

 

 

「各フォームを同時展開し、独立機動させるデータだよ」

 

「同時展開して、独立機動?」

 

 

僕がそう聞き直すと、ヒカルノさんは「えっと」と言いながら簡単に説明してくれた。

 

 

「今までは変形して各フォームを切り替えながら戦ってたわけだが、このデータがあれば君がテムジンを使ってる横でライデンやアファームドを展開することができるんだよ。展開された他のフォームは、少年が思った通りに動くし、オートで動かすこともできる」

 

「それって……」

 

「まるでセシリアのISブルーティアーズのBT兵器のようだな……」

 

「BTと違って、人型で大きいから、BT兵器より扱いが難しいけどね。それでも君の力になるだろう?」

 

「はい、ありがとうございます!」

 

 

僕が頭を下げると、ヒカルノさんは気にするなと言ってくれる。

 

すると、クラリッサが気になったのか、口を開いた。

 

 

「篝火ヒカルノ、あなたはどうしてこんなものを将冴に」

 

「どうしてね……まぁ、少年の両親にはお世話になったからね。私なりの恩返しだよ」

 

 

ヒカルノさんがそう言うと同時に、データの組み込みが終わり、ヒカルノさんはそそくさと片付けを始め、さっさと整備室を出て行こうとする。

 

 

「ヒカルノさん、ありがとうごぞざいました」

 

 

ヒカルノさんはヒラヒラと手を振りながら、整備室を出て行った。

 

両親と同じところで働いている人は、みんな真面目な人ばかりかなと思っていたけど、あんな人もいるんだなぁ……。

 

 

「……あ」

 

「どうした、将冴?」

 

「どうやって使うのか聞くの忘れてた。




次は番外編になります。

どのくらい書くことになるかなぁ。
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