IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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そろそろがっつり話を進めよう。

だけど、今回はまだ下準備の回なんだ……。


179話

 

ジェニーが学園祭に行けると連絡が来た次の日。僕と専用機を持った学生全員が会議室に集まっていた。学年ごとに座った僕らの前に、織斑先生と楯無さんが現れた。

 

 

「集まっているな。学園祭の準備で忙しい中集まってもらってすまない。お前達に集まってもらったのは学園祭当日の警備についてだ」

 

 

警備、という言葉に上級生達がざわつき始める。去年は警備なんて、と口々に呟いているのがわかる。一年生は去年の事はわからないので、特にそういった事はない。

 

 

「上級生の者達がざわつくのはわかるが、とりあえず話を聞け。知っての通り、学園祭は学外の人が大勢来る。それに紛れ、テロリストの襲撃がある可能性が出てきた。そのため、ここに集まった諸君に、警備を行ってもらう事になった」

 

 

織斑先生の言葉に、先ほどよりも周りがざわついた。

事情を知っている僕とマドカだけは黙っていたが、みんな驚きを隠せないようだ。

 

 

「織斑先生。その襲撃は本当に来るんですか?」

 

「とある伝からの話だ。可能性は高い」

 

 

束さんが根拠なしに襲撃が来るなんていうとは思わないしね。ダイモンからしても、学園祭という一般人が学園に入ってきてごった返す状況は好機だろう。特に、僕を狙うなら……。

 

 

「当日はローテーションを組み学園の周りを警備してもらう。襲撃があった場合、ここにいる全員で対処する事になる」

 

「警備に関しての詳しい事は、生徒会で纏めた物をみんなに配るわ」

 

「この事は一般生徒はもちろん、所属する企業、政府にも話すな。それでは解散」

 

 

反論の余地なく、織斑先生は会議室を出て行った。

楯無さんはいつ作ったのかわからない警備の資料を僕らに配ると、会議室を出て行った。

 

上級生達は少し戸惑ったような顔をしていたが、すぐに資料に目を通し始めていた。一年生はほとんどが戸惑っていて、動けないでいた。動じていないのは僕とマドカ、そしてラウラだった。

 

 

「襲撃って本当なのか?」

 

「織斑先生がそう言ったんだから、そうなんだと思うよ」

 

「将冴さんとマドカさんとラウラさんはやけに落ち着いていますわね……」

 

「むしろ、格好の的だろう。今まで襲撃された事がなかったのが驚きなくらいだ」

 

 

軍人のラウラからすればそういう見方になるのか……。

マドカは無言で資料読んでて、会話に入ってくる気配がない。

 

 

「僕は、前から聞いてたから」

 

「ちょ、なんで将冴は知ってんのよ!」

 

「織斑先生が言ってた同じ伝で」

 

「という事は、その伝というのは姉さん?」

 

「うん。因みにマドカも知ってるから」

 

 

マドカはチラリとこちらを見てすぐに資料に目を戻した。もっとコミュニケーションとろうよ、マドカ……。

 

 

「お兄ちゃん、また僕に隠し事?」

 

「シャル、そのジト目はやめて……。それに今回は混乱を避けるために……」

 

「でも隠してたんだよね?」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

 

シャルにはどうもかなわない……特にお兄ちゃんと呼ばれると、ね……。

 

 

「まぁここにいても仕方ないし、教室戻ろうぜ。学園祭の出し物の準備もあるしさ」

 

 

一夏の言葉で僕たちは教室に戻った。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「将冴君、どう?」

 

「……ぴったりすぎて怖い」

 

 

教室に戻ると、服を作っていた女子数人に捕まり、拉致された。拉致っていい方も悪いけど、とにかく強引に連れて行かれた。

 

そこで執事服を渡され、サイズを確認したいから着てくれと言われ着たのだけれど、いつ僕の体のサイズ知ったんだろう。

 

 

「やっぱり着ているのといないのでは印象変わるね。サイズ問題ないなら、当日はそれを着てね」

 

「うん、わかった。もう脱いでいいかな?」

 

「あ、まだ脱がないで!」

 

「え、でも……」

 

「いいからいいから。ちょっと車椅子押すよ」

 

 

と、強引にまたどこかに連れて行かれそうになる。

これ以上何があるというのか……。

 

 

「ここで待っててね」

 

 

そそくさと部屋を出て行くと、外から声が聞こえてきた。

 

 

「おい、何をするんだ!?」

 

「まぁまぁ。決して悪いようにはしませんから」

 

「こんな格好させている時点で何か考えているだろう!」

 

 

言い争っている声……この声は……

 

 

「臆せず突っ込みましょう!」

 

「お、押すな!?」

 

 

扉が開かれ、押し込まれたようにメイド服姿のクラリッサが入ってきた。なるほど……こういうことか……。

 

 

「しょ、将冴……」

 

「無理やり着せられたの?」

 

「あ、ああ……教室で手持ち無沙汰にしていたら……試着してくれと……」

 

 

……なんというか、フリフリのロングスカート姿のクラリッサというのは始めてなので、少し戸惑うな。クラリッサは顔を真っ赤にしてスカート握りしめてて……うん、可愛いんです、はい。

 

 

「その……似合ってるよ。クラリッサ」

 

「将冴こそ……似合ってる……」

 

「あ、ありがとう……」

 

 

服が変わるだけでこんなに印象が変わるのか……むぅ、予想外だ……。

 

 

「お二人さん、お二人さん。いちゃいちゃするのはいいけど、場所考えようかぁ」

 

「「のわぁ!?」

 

 

いつの間にかカメラを持った本音さんがいて、僕たちは驚きの声を上げてしまった。

 

翌日、クラスに僕とクラリッサの写真が出回ったのは言うまでもない。




次回から学園祭。

いつも通りダラダラ行きますが、物語はカオスになるかも……
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