だんだんと書きたいところに近づいてきたから緊張してるのかな……。
教室に戻ると、クロエさんとオータムさんがマドカと話していた。マドカももちろんメイド服を着ており、無愛想ではあるけど地味にスペシャルセットの写真指名度が高い。これもまた、織斑先生にそっくりなのが原因だろう。
僕も呼ばれていたし、3人の元へ向かおう……。
「お待たせしました」
「将冴様、あのお二人とのお話はもうよろしかったのですか?」
「ええ、少し頼みごとをしただけですから。2人は、マドカからの招待状で来たんですか?」
「はい。本当は私ではなくスコール様が誘われていたのですが、スコール様はダイモンの動向を監視するとのことで、私が来ることになりました」
「そこで束さんは呼ばなかったんだね、マドカ」
「アレは呼ばなくても来るだろう」
「ごもっともで……」
スコールさんが監視についたのか……それなら、まぁ安心かもしれないけど。そうなると、オータムさんは学園内部を監視する役、ということなのかな。
「それにしても、繁盛しているみたいですね。礼子さん、何を食べましょう?」
「呑気に食べてる場合じゃないでしょう、社長?いつ襲撃が来るかわからないんですから」
学園にいる間はそのキャラで通すんですね……。
「しかし、腹が減っては何とやらと言いますし……」
クロエさんはクロエさんで楽しみにしていたようだ。まぁ、ほとんど外に出ることはないって言ってたし、こういう催しは心躍るものがあるんだろう。
「……では、少しだけですよ?」
「ありがとうございます」
「私が注文を受けよう。ちなみに、1番人気はスペシャルセットだ。好きなメイド、執事と写真が撮れるぞ」
「ではそのスペシャルセットを2つで」
「な、勝手に決めて……」
「誰を指名する。今のところ、指名率トップは織斑一夏と将冴だ」
「将冴様とマドカ様をお願いします」
「承知した。少し待て」
マドカはメイド喫茶とは思えない返事をして、調理のほうに注文を伝えに行った。一応、接客の仕方は教えたんだけど……なかなかうまくいかないものだな……。
まぁ、メイドさんなのにあの口調というギャップで受けてるみたいだからいいか……。
「それで、礼子さん。僕に話というのは?」
「ええ。今回の襲撃、いつもダイモンとは手口が大きく違う。博士もそうだけど、直接調べていた私達もそれは感じたわ。今までの実験をしているような攻め方ではないはず。それはわかっているわね?」
「はい。わざわざこの日に襲撃するんですからね……わかっています」
「私やスコールも援護はする……けど、あまり表舞台には出ることができないわ。襲撃を跳ね除けるのは、あなた達よ」
オータムさんの言葉が重くのしかかる。今回の襲撃に際して、襲撃があった場合の現場指揮官として僕と楯無さんが選ばれているからだ。
自分たちで……つまり、みんなを動かす僕がしっかりしなければならない。
「……脅すように言ってしまったけど、大丈夫。将冴ならできる。私達は信じてる」
「オータムさん……」
「礼子!」
「す、すいません……」
ついぽろっと出てしまう……。
「話は終わったか?」
タイミングよく、マドカがケーキとドリンクを持って現れる。そんなに話し込んでいたか……。
「待たせた、スペシャルセットのケーキとドリンクだ。写真は会計の時に撮るから、その時に言ってくれ」
「随分とメイドがお似合いね、マドカ」
「別に。お前も来てみればいい。少しは将冴も振り向くかもしれないぞ?」
「なっ!?」
「ああ、ダメか。ここには鏡がないから恥ずかしさをどこにもぶつけられないな」
「お前、いい加減なこと言ってんじゃ……」
「礼子さん、素がでてますよ」
「……こほん。あまり変なことを言わないでくださいね
「それは申し訳ないことをしたな。
ああ、もう……そんな目立つことして。
「ふふ、仲が良いようでなによりです」
クロエさん、ここは止めてください。
難産が続く……