IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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感想をもらうと、バーチャロンを知ってる人が結構いるんだなと実感いたしました。

私はアファームドのデザインが好きです。マイザーデルタもなかなかですが、アファームドJtypeAはバーチャロンマーズでよく使ってます。
エンジェランはエロいと思う←


20話

 

「僕のための……」

 

 

目の前にあるIS……バーチャロンはフルスキンのISのようで、今は胸部分が開き乗り込むことができるようになっている。手にはロングセイバー。剣先に銃口のような穴が空いてるから、銃も一緒になっているのだろうか?

 

 

「しょーくんには謝らなきゃいけないんだ」

 

「え?」

 

「この機体は、しょーくんに廃棄を頼まれたあのデータチップの中に入ってたデータを元に作ったんだ」

 

 

データチップというと、僕がまだ入院しているときにロケットペンダントの中から出てきたやつかな。

 

 

「しょーくんに悪用されないようにすぐ廃棄してって頼まれたのに、私は中身を見ちゃった。ごめんね」

 

 

人に頭を下げたところを見たことがない束さんが、僕に頭を下げている。

他人には興味のない束さんが……

 

 

「頭を上げてください」

 

 

その言葉で、束さんは頭を上げて僕を見る。

 

 

「束さんはこれを悪用するために作ったんですか?」

 

「それは違うよ!そんなことするつもりなんてない。データだってもう廃棄したし……」

 

「じゃあ、僕から言うことは何もありません」

 

「……え?」

 

 

キョトンとした目で見られる。

言葉の通りなんだけどな。

 

 

「僕は、これが悪用されなければそれでいいんです。あの時は僕がデータを持っていたら、絶対に奪われると思ったから束さんに廃棄を頼みました。束さんからデータを盗むのは、世界中探しても見つからないと思いますし、もう廃棄したら問題ありません。それに……」

 

「それに?」

 

 

ぽりぽりと頬を掻く。この動作をできるだけで、なんとなく感動を覚える。

 

 

「このIS、かっこいいですし」

 

 

子供っぽいと思われるかもしれないけど、僕はまだ中学生なんだ。こういうのが好きでもいいよね。

 

 

「うぅ〜、もうしょーくんはかわいいなぁ!」

 

「のわ!?」

 

 

クロエさんの手から僕を奪い抱きしめてくる。うっ、この大質量による圧迫は……。腕があるとはいえ、顔をこの柔らかい胸に包まれてしまっては抵抗も……。

 

 

「うりうりー!」

 

「束様、窒息してます」

 

「ほぇ?わぁ!しょーくん大丈夫!?」

 

「な、なんとか……」

 

 

柔らかかった……うん……色々と……。

束さんには腕があっても抵抗は無意味だということか……。

 

 

「さて、しょーくん。乗ってみようよ!フィッティングしちゃいたいし。あ、義手は一回外すね」

 

 

スポンと腕を外された。え、ちょっと今何が起きたの?外れた感覚なかったんだけど!?

 

 

「くーちゃん、乗せてあげて」

 

「はい」

 

「いや、ちょっと待って!ISって女の人しか乗れないはずですよね!?僕が乗っても無意味なんじゃ……」

 

「大丈夫大丈夫。問題ないよ。それは『ISであってISではないから』」

 

 

ISであってISではない?それはどういうこと?

 

なんて考えているうちに、ISのコックピットに乗せられる。

 

 

「じゃあフィッティング始めるよ。そのままリラックスしててね」

 

 

ISの装甲が閉じていく。すっぽり覆い尽くされ、ISの外の景色と一緒に目の前に文字のようなものが浮かぶ。いや、目の前じゃない?直接網膜に……

 

 

「フィッティング開始!」

 

 

視界にゲージのようなものが現れる。

かなり早い速度でゲージがたまっていく。この調子なら……もう終わった。

 

 

「うわ、もうフィッティング終わっちゃった。さすがというか……」

 

「これはすごいですね……」

 

「しょーくん、問題はない?」

 

「はい。これが、IS……」

 

 

神経が研ぎ澄まされたかのようだ。網膜に文字が投影される。「TEMJIN」……テムジン?なんのことだろう。

 

まぁとりあえず動かしてみよう。その場で足踏みをしたり、手をグーパーしたりしてみる。

 

 

「凄い。自分の体みたいだ」

 

「どうどう?気に入ってくれたかな?」

 

「はい。これがお父さんとお母さんが設計したISなんですね」

 

「うん、その通り。このバーチャロンはISコアともう一つ、違う動力とも言えるものをつけてる。しょーくんは見えないけど、背中にあるディスクみたいなのがそうだね。しょーくんのお父さんとお母さんはそれを設計したんだ。名前は『V.コンバータ』。それの機能は……まぁ、後々説明するよ。とりあえずフィッティングも終わったから、ISを待機状態にしてみて」

 

 

待機状態に……どうすればいいんだろう。えっと……外れろぉって思えばいいのかな?

 

と、その瞬間、ISが光の粒子となり、ISが消えた。

 

……消えた?

ふっと、落下する感覚。感覚っていうか、おちてる!

 

目を閉じるけど、衝撃が襲って来ず、ふわりと誰かに支えられる。

 

 

「将冴様、大丈夫ですか?」

 

「クロエさん……助かりました」

 

「ありゃりゃ、待機状態にするときのことを考えたほうがいいね。まぁ、とりあえず動いてよかったよかった!」

 

「あの、ISはどこに消えたんですか?」

 

 

粒子になって消えてしまった。どこに消えてしまったのか、僕には見当がつかない。

 

 

「しょーくんの耳だよ」

 

「耳?」

 

「はい、鏡」

 

 

束さんがどこからともなく鏡を取り出す。僕の顔が映るそれを、よく見てみると……。

 

 

「あ、ピアスが……」

 

「それが待機状態のバーチャロンだね。あとは、いつでも呼び出せるからね。明日からは義肢とISの特訓だね!」

 

 

義肢とISの特訓……多忙になりそうだ。ISをもらえるのは予想外だったけど、やるだけやってやろう。

 

帰ったら、クラリッサさんと千冬さん、驚くかな。ISを使えるんだから。

 

ふふ、今から楽しみだ。




バーチャロンを装着した将冴くん回でした。

V.コンバータの設定は原作とはかなり……というか全く違うものになることをここで宣言いたします。
申し訳ありません……。

機体を流用しただけなんです……ごめんなさい……。
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