終盤に近づき、色々と展開を考えたり、リアルが忙しかったり、艦これにはまったりと色々なダメなことになってしまいました。
学園祭は無事に終わるのか。では本編をどうぞ。
「このぉ!!」
ミルトンをアファームドとフェイ・イェンに任せ、僕はダイモンにセイバーで斬りかかる。しかし、振り下ろされたセイバーはダイモンを捉えることはできず空を切り、ダイモンは体を少し逸らした状態で僕を見た。
「動きが鈍っているな。そのISの同時展開、貴様にとっても諸刃の剣ではないのか?おそらく、エネルギーの消費も、通常のそれより多いのだろう?」
ダイモンの言う通りだ。マルチバーチャルシステムは、同時展開した分エネルギーの消費が激しい。それに、ある程度オート制御はきくが、逐一命令を出さなければならないため、いつもの動きができない。だが……
「だったらどうだって言うんだ。エネルギーが切れるまでにお前を捕まえればいいんだ」
「そういうことは、まずミルトンを倒してから言うんだな」
ダイモンの言葉と同時に、今まで反撃してこなかった二体のミルトンが動き出す。ミルトンの両側に取り付けてあるポットが開いた。中にはミサイルが敷き詰められており、いつでも発射可能の状態にあった。
「くっ、アファームド、フェイ・イェン後退しろ!」
命令を飛ばすと同時に、ミルトンからミサイルが放たれる。放たれたミサイルは、アファームドとフェイ・イェンを追尾している。追尾ミサイルなんて面倒なものを。
一応、オート制御で攻撃から身を守るようにはしてあるから、あれくらいなら迎撃できると思うが……。
「意識がそちらに向きすぎだぞ」
ミルトンに気を取られている間に、ダイモンが僕に接近し僕の顔面めがけ右足でキックを放ってきた。
「くっ!?」
上体を後ろに逸らし、ギリギリで避けバックブーストで距離を取る。ミルトンだけに意識を向けてる場合じゃないか……。アファームドとフェイ・イェンはミサイルをなんとか落としたようで、無傷のようだ。
この状況、早くどうにかしないと。ミルトンを破壊して、ダイモンを捕まえる手立ては……。
「必死に考えを巡らせているな?どうだね、答えは出たか?」
「お前に言われるまでもない、少し無理すれば何も問題はないんだ。マルチバーチャルシステム『ライデン』」
僕の横に、光のリングとともにライデンが展開される。ミルトンの装甲を破るなら、ライデンがうってつけだ。
でも……
「ぐぅっ……」
視界が歪む。三体の同時展開は、まだ難しいか……。
フラつきそうになるのをなんとか耐えて、ダイモンを見据える。ライデンはエネルギーチャージをさせつつ、アファームドとフェイ・イェンの元へ向かわせた。
「ふん、例のスペシネフに任せておけば簡単なものを」
「あれには頼らない。負の感情なんかに負けない」
「意思は固いようだな。だが力が伴っていなければ、そんなものは塵芥と変わらんよ」
「だったら、力が伴っているところを見せればいいんだろう!!」
瞬時加速でダイモンに接近し、さらに連続バーティカルターンでダイモンの周りを高速移動する。アファームド達の邪魔をさせるわけにはいかない。僕は高速移動しながら、ダイモンにセイバーを向けて、エネルギー弾を放った。
この状態では命中率はかなり下がるが、移動を制限することはできる。ダイモンは自分に向かってきたエネルギー弾だけを避ける。当てることが目的ではないが、この攻撃をあっさりと避けられるか……。
「狙いが定まっていないな。足止めが目的か。いいだろう、おとなしく足止めされてやろう」
どこまでも神経を逆撫でするような言い方を……。
高速移動しながら、アファームド達を動かさければならない。ちょっときついけど、やらなくちゃならないんだ。
アファームドとフェイ・イェンにはライデンのチャージが終わるまで、ミルトンの攻撃避けつつ、ライデンのバイナリー・ロータスでミルトンを一掃できるポイントまで誘い込んでもらう。
ライデンのチャージが完了するまで、あと1分……僕がダイモンの足止めできるのもそれくらいか……。
アファームドにビームライフルと大型マチェットを展開させる。ビーム兵器と違い、マチェットはかなりの重さがある。相手を弾き飛ばすには、実体剣の方が有利だろう。
フェイ・イェンは特性の素早さを生かし、ミルトンを翻弄している。一手一手が軽すぎるため、ミルトンに攻撃しても意味はない。ライデンのチャージが終わったら、このミルトンを狙ってバイナリー・ロータスを放ち、アファームドがミルトンを弾き飛ばし、同時に破壊する。
今はこれ以上の手はない。
「ふっ……よくこれだけ動けるものだ。やはり貴様は面白い」
「どうしてそんなに僕に執着する。僕をどうしたいんだ」
「面白いものが見たいだけだ。それには、貴様が必要なんだよ。柳川将冴」
「お前の私利私欲に付き合うつもりはない。今日でお前の目的は潰えるんだ」
その瞬間、ライデンのチャージが完了した。
「アファームド!」
僕の声とともに、ミルトンのミサイル攻撃を避け続けていたアファームドが一転、ビームライフルで牽制し、マチェットでミルトンに肉迫した。
「バイナリー・ロータス、撃てぇ!」
ライデンが肩のユニットを開き、バイナリー・ロータスをフェイ・イェンが相手をしていたミルトンに放つ。
フェイ・イェンはすぐに離脱し、アファームドがミルトンを強引に押して、二つのミルトンが激突した。そして、バイナリー・ロータスが二体に直撃した。
バイナリー・ロータスが終わったあと、そこにはミルトンの影も形もなかった。
僕は高速移動をやめて一旦ダイモンから離れる。
エネルギーをかなり消費した……これ以上、システムを使い続けたら戦えなくなる。アファームド達を拡張領域に戻し、ダイモンと対峙した。
「いやはや、見事のものだ。ミルトンを同時に倒すとはな」
「これで終わりだ、ダイモン!」
ボムをダイモンに投げつける。避けられるのは前提だ。だから、ボムの爆発時間を短くした。ダイモンが回避行動とると同時に爆発するようにしてある。
「こんなものでどうにかなると……っ!」
設定通り、ダイモンが回避行動を取った瞬間に爆発が起こり、煙がダイモンを包んだ。
「うおぉ!!」
残ったエネルギーを全て瞬時加速につぎ込み、煙の中のダイモンに近づく。ハイパーセンサーのおかげで、どこにいるかはわかった。殺さないように、だけど逃げられないように、僕は足を狙い、セイバーを突き立てた。
しかし、手応えなくセイバーは止まってしまった。それどころか……。
「なんだ……これ……」
体が動かない。まるで、ラウラのAICのような……。
「どうかね、ドイツ軍から拝借したAICは……」
「お前……その体にAICを……」
「そんなことはしていない。AICを発動させてるのは、これだ」
煙が晴れ、ダイモンの姿を捉えると、ダイモンの両横にまたミルトンが並んでいた。
「なん……で……」
「誰が二体だけと言った?」
「この……」
「ちなみに、もう一体のミルトンは、貴様のライデンのデータをもとに作った。つまり、どういうことかわかるだろう?」
こいつ……どこまでも人のものを!
「さて、ここでショウタイムを一つ見せよう」
僕の視界に割り込むように、映像が僕のもとに送られてきた。これは……校舎の監視カメラ……え?
「クラ……リッサ……どうしてそこに……」
「これは私も予想外だった。だが……グッドタイミングだ」
「ダイモン、お前……何を!?」
「やれ、ミルトン」
ライデンのデータをもとに作ったというミルトンが底の部分を見せるように90度体を傾けた。ミルトンの底は砲台のようになっている。
待って……その方向は……
「撃て」
「やめろぉぉ!!」
ミルトンから、ライデンのバイナリー・ロータスと同じものが学園に向けて放たれた。
絶望増しで頑張っていきます。