IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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しばらく更新できず申し訳ありません。

終盤に近づき、色々と展開を考えたり、リアルが忙しかったり、艦これにはまったりと色々なダメなことになってしまいました。

学園祭は無事に終わるのか。では本編をどうぞ。


192話

「このぉ!!」

 

 

ミルトンをアファームドとフェイ・イェンに任せ、僕はダイモンにセイバーで斬りかかる。しかし、振り下ろされたセイバーはダイモンを捉えることはできず空を切り、ダイモンは体を少し逸らした状態で僕を見た。

 

 

「動きが鈍っているな。そのISの同時展開、貴様にとっても諸刃の剣ではないのか?おそらく、エネルギーの消費も、通常のそれより多いのだろう?」

 

 

ダイモンの言う通りだ。マルチバーチャルシステムは、同時展開した分エネルギーの消費が激しい。それに、ある程度オート制御はきくが、逐一命令を出さなければならないため、いつもの動きができない。だが……

 

 

「だったらどうだって言うんだ。エネルギーが切れるまでにお前を捕まえればいいんだ」

 

「そういうことは、まずミルトンを倒してから言うんだな」

 

 

ダイモンの言葉と同時に、今まで反撃してこなかった二体のミルトンが動き出す。ミルトンの両側に取り付けてあるポットが開いた。中にはミサイルが敷き詰められており、いつでも発射可能の状態にあった。

 

 

「くっ、アファームド、フェイ・イェン後退しろ!」

 

 

命令を飛ばすと同時に、ミルトンからミサイルが放たれる。放たれたミサイルは、アファームドとフェイ・イェンを追尾している。追尾ミサイルなんて面倒なものを。

 

一応、オート制御で攻撃から身を守るようにはしてあるから、あれくらいなら迎撃できると思うが……。

 

 

「意識がそちらに向きすぎだぞ」

 

 

ミルトンに気を取られている間に、ダイモンが僕に接近し僕の顔面めがけ右足でキックを放ってきた。

 

 

「くっ!?」

 

 

上体を後ろに逸らし、ギリギリで避けバックブーストで距離を取る。ミルトンだけに意識を向けてる場合じゃないか……。アファームドとフェイ・イェンはミサイルをなんとか落としたようで、無傷のようだ。

 

この状況、早くどうにかしないと。ミルトンを破壊して、ダイモンを捕まえる手立ては……。

 

 

「必死に考えを巡らせているな?どうだね、答えは出たか?」

 

「お前に言われるまでもない、少し無理すれば何も問題はないんだ。マルチバーチャルシステム『ライデン』」

 

 

僕の横に、光のリングとともにライデンが展開される。ミルトンの装甲を破るなら、ライデンがうってつけだ。

 

でも……

 

 

「ぐぅっ……」

 

 

視界が歪む。三体の同時展開は、まだ難しいか……。

 

フラつきそうになるのをなんとか耐えて、ダイモンを見据える。ライデンはエネルギーチャージをさせつつ、アファームドとフェイ・イェンの元へ向かわせた。

 

 

「ふん、例のスペシネフに任せておけば簡単なものを」

 

「あれには頼らない。負の感情なんかに負けない」

 

「意思は固いようだな。だが力が伴っていなければ、そんなものは塵芥と変わらんよ」

 

「だったら、力が伴っているところを見せればいいんだろう!!」

 

 

瞬時加速でダイモンに接近し、さらに連続バーティカルターンでダイモンの周りを高速移動する。アファームド達の邪魔をさせるわけにはいかない。僕は高速移動しながら、ダイモンにセイバーを向けて、エネルギー弾を放った。

 

この状態では命中率はかなり下がるが、移動を制限することはできる。ダイモンは自分に向かってきたエネルギー弾だけを避ける。当てることが目的ではないが、この攻撃をあっさりと避けられるか……。

 

 

「狙いが定まっていないな。足止めが目的か。いいだろう、おとなしく足止めされてやろう」

 

 

どこまでも神経を逆撫でするような言い方を……。

 

高速移動しながら、アファームド達を動かさければならない。ちょっときついけど、やらなくちゃならないんだ。

 

アファームドとフェイ・イェンにはライデンのチャージが終わるまで、ミルトンの攻撃避けつつ、ライデンのバイナリー・ロータスでミルトンを一掃できるポイントまで誘い込んでもらう。

 

ライデンのチャージが完了するまで、あと1分……僕がダイモンの足止めできるのもそれくらいか……。

 

アファームドにビームライフルと大型マチェットを展開させる。ビーム兵器と違い、マチェットはかなりの重さがある。相手を弾き飛ばすには、実体剣の方が有利だろう。

 

フェイ・イェンは特性の素早さを生かし、ミルトンを翻弄している。一手一手が軽すぎるため、ミルトンに攻撃しても意味はない。ライデンのチャージが終わったら、このミルトンを狙ってバイナリー・ロータスを放ち、アファームドがミルトンを弾き飛ばし、同時に破壊する。

 

今はこれ以上の手はない。

 

 

「ふっ……よくこれだけ動けるものだ。やはり貴様は面白い」

 

「どうしてそんなに僕に執着する。僕をどうしたいんだ」

 

「面白いものが見たいだけだ。それには、貴様が必要なんだよ。柳川将冴」

 

「お前の私利私欲に付き合うつもりはない。今日でお前の目的は潰えるんだ」

 

 

その瞬間、ライデンのチャージが完了した。

 

 

「アファームド!」

 

 

僕の声とともに、ミルトンのミサイル攻撃を避け続けていたアファームドが一転、ビームライフルで牽制し、マチェットでミルトンに肉迫した。

 

 

「バイナリー・ロータス、撃てぇ!」

 

 

ライデンが肩のユニットを開き、バイナリー・ロータスをフェイ・イェンが相手をしていたミルトンに放つ。

 

フェイ・イェンはすぐに離脱し、アファームドがミルトンを強引に押して、二つのミルトンが激突した。そして、バイナリー・ロータスが二体に直撃した。

 

バイナリー・ロータスが終わったあと、そこにはミルトンの影も形もなかった。

 

僕は高速移動をやめて一旦ダイモンから離れる。

エネルギーをかなり消費した……これ以上、システムを使い続けたら戦えなくなる。アファームド達を拡張領域に戻し、ダイモンと対峙した。

 

 

「いやはや、見事のものだ。ミルトンを同時に倒すとはな」

 

「これで終わりだ、ダイモン!」

 

 

ボムをダイモンに投げつける。避けられるのは前提だ。だから、ボムの爆発時間を短くした。ダイモンが回避行動とると同時に爆発するようにしてある。

 

 

「こんなものでどうにかなると……っ!」

 

 

設定通り、ダイモンが回避行動を取った瞬間に爆発が起こり、煙がダイモンを包んだ。

 

 

「うおぉ!!」

 

 

残ったエネルギーを全て瞬時加速につぎ込み、煙の中のダイモンに近づく。ハイパーセンサーのおかげで、どこにいるかはわかった。殺さないように、だけど逃げられないように、僕は足を狙い、セイバーを突き立てた。

 

しかし、手応えなくセイバーは止まってしまった。それどころか……。

 

 

「なんだ……これ……」

 

 

体が動かない。まるで、ラウラのAICのような……。

 

 

「どうかね、ドイツ軍から拝借したAICは……」

 

「お前……その体にAICを……」

 

「そんなことはしていない。AICを発動させてるのは、これだ」

 

 

煙が晴れ、ダイモンの姿を捉えると、ダイモンの両横にまたミルトンが並んでいた。

 

 

「なん……で……」

 

「誰が二体だけと言った?」

 

「この……」

 

「ちなみに、もう一体のミルトンは、貴様のライデンのデータをもとに作った。つまり、どういうことかわかるだろう?」

 

 

こいつ……どこまでも人のものを!

 

 

「さて、ここでショウタイムを一つ見せよう」

 

 

僕の視界に割り込むように、映像が僕のもとに送られてきた。これは……校舎の監視カメラ……え?

 

 

「クラ……リッサ……どうしてそこに……」

 

「これは私も予想外だった。だが……グッドタイミングだ」

 

「ダイモン、お前……何を!?」

 

「やれ、ミルトン」

 

 

ライデンのデータをもとに作ったというミルトンが底の部分を見せるように90度体を傾けた。ミルトンの底は砲台のようになっている。

 

待って……その方向は……

 

 

「撃て」

 

「やめろぉぉ!!」

 

 

ミルトンから、ライデンのバイナリー・ロータスと同じものが学園に向けて放たれた。




絶望増しで頑張っていきます。
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