色々と用事が重なり、とうとう体調にトドメを刺され、風邪っぴきです。活動報告の方にも書いたんですが、今回の更新でしばらくお休みさせていただきます。
一週間以内には戻るつもりなので、いつも読んでくださっている方は少々お待ちいただけたらと思います。
この展開が転がってこれからってときにこの体たらく……本当に申し訳ありません……。
「くそっ!このデカブツが!」
私……ラウラ・ボーデヴィッヒは巨大ISにレールカノンを放ちながら悪態をついた。兄さんの言う通り、背中の部分のディスクを狙ったが、強力なシールドに阻まれ攻撃が通らない。
兄さんと同じだけの実力があるマドカでも、シールドを突き破ることができず、こちらの防戦一方だ。
敵の攻撃は、一発一発がかなりの火力を有しており、一発でもまともにくらえば戦闘不能に陥ってもおかしくない。今この場にいるのは私にマドカ、あとは上級生のIS操縦者だけだ。しかも、フォルテ・サファイア以外は既に戦意を失いかけている。
どうする……兄さんならこの状況をどう打開する……!
「ラウラ・ボーデヴィッヒ、余計なことを考えるな」
果敢に敵ISに攻撃を仕掛けるマドカが、私に言い放った。
「何を……」
「お前がどんなに頭を悩ませたって、将冴と同じことができるわけではない。今は目の前の敵に集中しろ」
「だが、どうやってこいつを止めると言うのだ!早くしなければ、兄さんは……」
「それこそ余計なお世話というものだ。お前の知っている将冴はそう簡単に負けるような男か?」
……違う、兄さんはそんなことで負けたりしない。妹である私が、兄さんを信じなくてどうするんだ!
「わかったら、さっさとこいつの動きを止めろ。援軍と共にな」
「援軍?」
その時、シュバルツェア・レーゲンがこちらに向かってくるISの反応を捉えた。これは……。
「ブルー・ティアーズ……甲龍……」
「遅くなりましたわ!」
「真打登場よ!景気付けに一発持って行きなさい!」
合流した鈴が、敵ISに向けて衝撃砲を放つ。しかし、相手は手で払うかのように衝撃砲をかき消し、こちらに左腕に搭載されている銃口を突きつけた。
「ゲッ、何よあいつ……」
「鈴!早く回避行動を取れ!」
敵ISが大口径のビームを容赦なく放つ。ビームは鈴にまっすぐ向かっていくか、鈴は回避する素振りを見せない。
あいつ、何を!?
「あのね……私、今すっっっっごく機嫌が悪いの」
鈴は双天牙月を構えゆらりと振りかぶった。
「それに……」
迫り来るビームに合わせ、鈴は双天牙月を振り抜き……
「将冴のバイナリー・ロータスに比べたら、ただの豆鉄砲よ!!」
ビームを打ち返し、敵ISの左腕の銃口に命中し破壊した……
いや、それは常識的に考えておかしいだろう!?
「せ、セシリア……鈴に一体何が……」
「ラウラさん、申し訳ありませんが……」
セシリアもまた、鈴と同じようにゆっくりとライフルを構えた。その周りには6基のBT兵器が飛んでいる。
「私も、虫の居所が悪いので、その話は後にしてくださいますか?」
その瞬間、BT兵器とライフルのフルパワー弾幕が敵ISを襲った。
正直、展開についていけてないのだが……。
「ラウラ・ボーデヴィッヒ、ボサッとする。お前とセシリア・オルコットで敵の動きを封じろ。凰鈴音。お前は私と敵の背後につけ」
「マドカ、何をするつもりだ!?」
「決まってるだろう。こいつを破壊する」
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どうしよう、突破口が見えない。
僕のシールドピアーズが、ここにいる人たちの中で一番突破力が高いはず……これが通用しないなら、あれを突破するには……。
「シャルロットさん、このままじゃ……」
「わかってるよ。でもどうすれば……」
「お二人さん、悩んでいるところ悪いんだけど、ちょっとお知らせだよ」
ダリル先輩が私たちに近づいてそんなことを言ってきた。
この状況でお知らせって……
「そんな顔すんなって。大丈夫、朗報さ。援軍だよ」
その瞬間、敵ISが爆発音をたてて体勢を崩した。
今の……確か一夏の雪羅の荷電粒子砲……ということは。
「シャルロット、簪、待たせたな!」
僕たちの前に、一夏と……ものすごく顔がにやけている箒が現れた。
「箒……何かあったの?」
「ふぇ?……いや、なにもないぞ!なにも!」
あぁ〜、何かあったんだ。多分一夏関連で。
って、今それどころじゃないよ!
「一夏、箒!説明しなくてもわかると思うけど……」
「ああ、あいつをぶっ倒せばいいんだろ?」
「うん、それもできるだけ早く。将冴に何かあったみたいで……」
「それなら問題ねぇよ。将冴のところには、楯無会長が行ったからさ」
「生徒会長が?」
「ああ、だから俺たちは目の前の敵に集中しようぜ。会長にも、将冴のことは任せろって言われたしな」
学園最強と言われている生徒会長が行ったなら……きっと大丈夫だよね。帰ってきたら、絶対ひっぱたくからね、お兄ちゃん。
「それで、この大きなISを破壊すればいいのか?」
「うん。でも、弱点だと思うディスクがシールドに守られていて、僕たちじゃ……」
「だったら俺の出番だな。零落白夜なら、全部ぶった切れるだろ?」
確かに、一夏の零落白夜ならシールドを切り裂くことができる。そのままディスクを破壊すれば、これを止めることが……。
「うん。一夏、お願い。箒さんは一夏のフォローに。僕達は、あれの気を引くから!」
「おう、頼んだぜ!」
ここで決める。将冴、待ってて。
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「将冴君、どこに……」
一夏君達に大見得切って将冴君は任せてなんて言っちゃったけど、実は将冴君が今どこにいるかわからないのよね。
演劇が終わる直前くらいに反応が途絶えて、連絡もつかないし……彼が落とされたとは考えにくい。おそらくジャミングの類ね。
時間をかければ見つかるだろうけど、虚ちゃんは今アリーナで全員参加のビンゴ大会中だし、捜索を頼んでいる暇がないのよねぇ……。
でも……この胸騒ぎ、いやに予感がするわ。早く見つけないといけないと。
と、その時。私のIS、『
高出力エネルギー体が急接近!?私はすぐに回避行動を取る。その瞬間に、すぐそばを極大のビームが横切った。これは、確か将冴君のISの……それにこの方角!!
「まっすぐ学園に向かった!?」
今から私が盾になって……ううん、間に合わない!
私はすぐに織斑先生へと連絡を繋げた。
「先生、アリーナのシールドを最大に!絶対にアリーナから人を出さないでください!」
『っ!わかった!』
織斑先生がすぐに察してくれたけど……学園を守れなかった……。
数分後、織斑先生から被害報告がきた。
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「いいか、今言った通りに動け」
マドカの作戦は突拍子もないものだった。だが、現時点では一番効果がある作戦だ。
「わかった。セシリア行くぞ!」
「ええ!」
「フォローは任せてくださいッス!」
私とセシリア、そしてフォルテ・サファイアを含めた上級生たちで、敵ISの気を引く。
その間に、マドカと鈴が背中のディスクを突き破るという作戦だ。突き破り方が、かなり強引だが……今は賛同するしかない。
「凰鈴音、準備だ」
「わかったわ……けど、本当にこんなので……」
「今、機嫌が悪いんだろう?全力でぶつけてこい」
「……そこまで言うなら、遠慮なく!」
2人も移動を始めた。
作戦開始だ。
「セシリア、弾幕を張れ!」
「言われなくてもですわ!」
狙いなど定めない、がむしゃらな射撃が敵を襲う。装甲が厚いとはいえ、少量でもダメージは通る。敵は腕で頭部を守るように覆った。
「行くぞ!」
私は右腕をAICで停止させ、フォルテ・サファイア達は私が渡したワイヤーブレードを左腕に巻きつけ、大勢で引っ張り動きを止めた。
「マドカ、今だ!」
私の合図とともに、マドカがISを変形させ戦闘機のようなフォルムになり、敵ISに向けて高速で接近した。
「凰鈴音!」
「龍砲、フルパワー!」
敵ISに向かうマドカに向けて、鈴が両肩のユニットから衝撃砲を放つ。衝撃砲で生み出されるパワーを全てをシールドを突き破る為の推力にする……なんで無茶な作戦だとは思う。だが、兄さんならやりかねない。だから、反対出来なかったんだ。
衝撃砲がマドカのISをさらに加速させ、その破壊力が増す。そして、そのままマドカは敵ISに激突した。
シールドと拮抗し、火花を散らすマドカのIS。もう少し、あと一歩足りない!
「まだまだぁ!!」
鈴が最後の一押しと言わんばかりに、マドカを後ろから蹴り押した。
その瞬間、シールドが音を立てて割れ、マドカと鈴は敵ISをディスクごと突き破った。
敵ISは私のAICを破ろうと抵抗していた力がなくなり、AICを解くとそのままダラリと腕を下ろし、そして海に沈み始めた。
「倒した……」
「ぼぉっとしている暇はない。すぐに将冴の元に行くぞ」
マドカがすぐに動き出そうとした時、通信が届いた。これは、織斑先生?
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「全6機、各8門のミサイル、受けてみて!」
簪さんが展開したミサイルポッドから大量のミサイルが放たれた。簪さんの言うことが本当なら、全部で48発のミサイルが敵ISを襲った。
「こっちだって負けてないよ!ほらみんな、下級生にばっかいいとことられていいのか?」
ダリル先輩の掛け声とともに、上級生たちがアサルトライフルなどを使い、敵ISを翻弄する。
僕も負けてられない!
「駄目押しでもう一発!」
簪さんやダリル先輩たちのおかげで隙だらけになった頭部にシールドピアーズを突き立てる。ツーラインのバイザーになっている部分を杭が突き破り、敵は視界を奪われたのか腕を振り回し始めた。でも、背中はガラ空きだ!
「一夏!」
「待ってたぜ!」
箒のIS紅椿の『絢爛舞踏』でエネルギーを補給してフルパワー状態の零落白夜を構える一夏が答えた。
一夏と箒は瞬時加速で敵との距離を詰め、一夏は雪片弐型を振りかぶった。
「これで終わりだぁ!」
振り下ろされた雪片弐型はシールドを切り裂き、ディスクを剥き出しにする。
「箒!」
「
箒の刀からエネルギー刃が放たれ、無防備な状態のディスクを切り裂いた。
その攻撃で、敵ISは沈黙する。
「倒した……のか?」
「ああ、やったんだ箒!」
「よっしゃ、私らの勝ちだ!」
ダリル先輩たちが喜ぶ中、僕はすぐにその場を離れた。将冴の元へ行かなきゃ……。
「シャルロット、待てよ!俺も……」
一夏の声が止まり、それと同時に通信が入った。織斑先生から……一体何が……。
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全部の階、教室を調べたが、子供の姿はない。やはり、アリーナで迷っている可能性が高いか……。
「しょうがない、織斑先生に連絡をしよう」
携帯を取り出し、織斑先生の番号を呼び出そうとすると、着信がきた。なんとタイミングのいいことに、織斑先生からだ。
「はい、クラリッサ……」
『今すぐそこから離れろ!』
「え?」
その瞬間、強い光が私の視界を覆い、体に強い衝撃を受け……私は意識を失った。
『警備中の生徒に通達。敵の攻撃により、校舎が大破。生徒に怪我なし。一般客2名、職員1名、安否不明。警備から2人捜索に回す。一般客は現在照会中。職員の行方不明者は……
クラリッサ・ハルフォーフ』