IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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どうも作者です。北海道がっつり寒くなってまいりました。

そんな中、私はこの作品の序盤の文章を訂正してました。
訂正といっても物語には関係ないんですが、序盤の方で行っていたサイド表記を全排除してきました。

少しは読みやすくなったのではないかなと思います。


201話

 

その日の夜。

 

会議室には束さんが召集をかけた、1年生の専用機持ち8人と生徒会長の更識楯無、副会長の布仏虚、織斑先生、山田先生、そして私……クラリッサ・ハルフォーフが集まっていた。

 

全員集まったところで、束さんが口を開いた。

 

 

「なんだか余計な人が何人かいるようだけど、集まったね。それじゃ、しょーくん奪還作戦の話を始めようか」

 

 

束さん、その名前はどうなんだろうか。

場の空気も、なんだか締まらない。

 

 

「ぶー、もっと盛り上がってよぉ!一人だけ馬鹿みたいじゃないか!」

 

「束、ふざけてないで早く話せ」

 

「ちぇっ、ちーちゃんまでそんなこと言って……まぁいいや。それじゃ作戦を説明するよ。……といっても、いたってシンプルだからそんなに多く説明することはないんだけど」

 

 

束さんは遠隔操作でプロジェクターを起動させて、映像を映し出した。映像にはスペシネフが映っている。

 

 

「スペシネフがしょーくんの感情値で動いているのは昨日話したのね?」

 

 

会議室にいるものが全員小さく頷く。私も、地下施設で束さんに説明してもらった。

 

 

「当たり前だけど、この感情値が0になればスペシネフは活動を停止する。それに伴ってISの侵食は止まるはずだよ」

 

「篠ノ之博士、でもそれは昨日無理だと……」

 

 

楯無が言葉を挟むと、束さんは不機嫌そうな表情を浮かべた。これから説明するつもりだったのに、横槍を入れられたからだろう。

 

だが、束さんはちゃんと説明を続けた。

 

 

「昨日のあの時点では、ね。今はできる……かもしれない」

 

「かもって……姉さんがそんな不確定な言い方をするなんて……」

 

「束さんだって、わからないものくらいあるんだよ、箒ちゃん」

 

 

それだけ、どう転ぶかわからない状態ということなのか。

 

 

「それで、そのできるかもしれない要素はなんだ、束」

 

「それはね……もうみんな分かってると思うけど、そこにいるくらちゃんだよ」

 

 

束さんが私を指差すと、会議室にいる全員が私に目を向けた。みんなの顔は、やっぱりといった風だ。かくいう私も、そんな気はしていた。

 

 

「束さんがとある筋から手に入れた情報だと、しょーくんはくらちゃんの名前を聞いたら、異常に反応していたみたいなんだよね」

 

「そういえば……私が接触した時も、クラリッサ先生の名前を出したら、突然襲い掛かってきたわね……」

 

「しょーくんがスペシネフを動かしている時の感情は怒り。ダイモンがくらちゃんを攻撃したことによって、その感情が爆発した。でも、ダイモンはスペシネフを利用する際、自分に関する敵対意識は取り除いているはず。じゃないと、しょーくんを思い通りに動かせないからね。だから、今しょーくんが感情を動かすのは……」

 

「クラリッサ、ということか……」

 

 

……間接的とはいえ、私のせいで将冴は暴走してしまった。なら止めるのも、私がやらなければいけない。

 

 

「クラリッサ先生がキーパーソンなのはわかりました。でも、具体的にどうやって将冴を止めるんですか、束さん」

 

「それもいまから説明するよ、いっくん。まぁ、これに関しては説明不要みたいなものだけど」

 

 

私も、まだ何をすればいいかは聞いていない。

だが……想像はついている。

 

 

「くらちゃんには、しょーくんと一対一でぶつかってもらう」

 

「篠ノ之博士!それは危険よ!」

 

「将冴さんは暴走状態なのですよ!せめて、何人かでフォローを……」

 

「あのね……ダイモンが黙って見ているとでも思ってるの?ちんちくツインテールに金髪ドリル」

 

「ちんちく……」

 

「ドリ……」

 

「必ず、ダイモンは妨害してくる。それこそ、全戦力をもって。奴がどれだけの戦力を持ってるか、束さんだってわからない。でも、昨日学園を襲撃してきたようなのが出てくるのは間違いない。こっちの戦力は、そんなに多くないしね。だから、くらちゃん以外にはダイモンの手駒たちを足止めしてもらう」

 

 

束さんの説明はもっともだ。だが、1年生の数名……主に一夏、箒、セシリア、鈴は納得していないようだったが、ぐっと言葉をこらえていた。

 

ラウラ隊長とシャルロットは私に目を向けて、小さく笑ってくれた。マドカは反応すらしなかったが……。

 

 

「……とりあえず、説明はこんな感じでいいかな。作戦決行は二日後の朝。それまでに諸々準備しておくから、君達はゆっくり休んで。詳しい動きとかは、後でまとめて送っておくから」

 

 

そのまま、なし崩し的に話は終わり、それぞれ自分の部屋に戻っていった。

 

二日後……必ず、私が……

 

 

「クラリッサ」

 

 

後ろから声をかけられ振り返ると、織斑先生が立っていた。何か用があったのか……?

 

 

「どうかしましたか、織斑先生」

 

「いや、大した用じゃないんだが……少し付き合わないか?」

 

「……はい」




「ちんちくツインテールって……どうなのよ、そのネーミングセンス!」

「金髪ドリルなんて……初めて言われましたわ……」

「でも、二人とも見たまんまだよな」

「「一夏(さん)!」」
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