IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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この作品が終わった後は、この作品の後日談とスピンオフ、そして別原作の新作を考えております。

新作の原作は……この作品が終わったら正式に発表しましょうかね。まぁ、私のツイッターをフォローしている方は、わかると思いますが……。

あれですよ、あれ。流行に乗る形で←

……もう一つやりたいのもあるんですがね……そっちは……色々と面倒なものが……。


今回、シュバルツェア・ツヴァイクの武装やらなんやらが出てきますが、完全オリジナルです。


203話

 

翌日。束さんに呼ばれ、地下施設に足を運んでいた。おそらくシュバルツェア・ツヴァイクの調整……もとい、魔改造が終わったのだろうか。

 

シュバルツェア・ツヴァイクは束さんが魔改造すると言ったきり、私の手元に戻っていない。昨日の夜は色々と騒いでいたのに、束さんはしっかりと作っていたのか……。

 

 

「失礼します。束さん、ISの調整が終わったのですか?」

 

「やぁやぁ、くらちゃん。しっかり仕上げたよ!ほら、こっちこっち」

 

 

束さんが私の手を取り、ぐいぐいと引っ張る。以前よりも親しみやすくなったな。まぁ、状況が状況なだけに素直に喜べないが……。

 

連れて行かれた先には、ラウラ隊長のシュバルツェア・レーゲンによく似た機体……シュバルツェア・ツヴァイクが鎮座していた。

 

シュバルツェア・ツヴァイクは、サポート機という名目が強く、両肩にレールカノン、8つのワイヤーブレードとAICを搭載していた。近接装備は少なかったが、一応高熱ナイフも持っていたのだが……。

 

……ふむ、どんな魔改造をされたかと思ったが、特に変わったところは見当たらないな。ただ一つ、スラスターが二機追加されているのが気になるが……。

 

 

「あまり、大きなところは変わっていないようですね……」

 

「そこまで改造する時間もなかったからねぇ。くらちゃん用に調整しなきゃいけないし。まぁ、それでも起動性とかAICの性能とかエネルギー効率とかいじり回したんだけどねぇ」

 

「それは……私でも扱いきれるのですか?」

 

「だからこれから調整するんでしょ?ま、多少の無理はしてもらうけどね。それくらいしないと、スペシネフと渡り合うなんて無理な話だし」

 

 

束さんの言う通りか……。自己保身に回っている場合ではない。やれる以上のことをしなければ、将冴を助けるなんて無理だ。

 

 

「束さん、調整をお願いします」

 

「あいあい!それじゃあ、このISスーツに着替えてきてね。こっちもちょっとだけ準備しなきゃいけないから」

 

「わかりました」

 

 

ISスーツか……袖を通すのは久しぶりだな。

こっちに来てからほとんどISに乗ることもなかったからな。

 

将冴を守ると言いながら、ISを持たないなんて……危機意識のなさか……。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

アリーナでは一夏と箒、セシリア、鈴が模擬戦を行っていた。一夏対他の3人という、一夏が圧倒的不利な状況だった。

 

一夏の実力が上がってきたとはいえ、実力者であるセシリアと鈴、そして将冴に直接指導を受けた箒が相手では部が悪過ぎた。

 

 

「ハァ、ハァ……もう一回頼む!」

 

「一夏、さすがにこれ以上は明日に響くぞ!」

 

「そうですわ!ここで無理をして、肝心の本番で力を発揮できなければ、本末転倒ですわ!」

 

「だけど……何もしないでいるなんて……」

 

 

歯がゆい気持ちが、一夏を焦らせていた。

昨日、束に言われたこともまた、その焦りを助長させていたのだ。

 

自分がダイモンの足止めだけということが、納得がいかなかったのだ。

 

 

「俺だって、将冴と戦える……クラリッサ先生だけでなんて、絶対にダメだ……」

 

「一夏……あんたがそう思うのはもっともよ。でも、今回は篠ノ之博士の言う通りにしたほうがいいと思う」

 

「どうして……みんなはどうして納得できるんだよ!将冴は俺たちの仲間だろ……だったら俺たちが……」

 

「だからあんたは鈍感って言われるのよ」

 

「今は関係ないだろ!」

 

「あるわよバカ!クラリッサ先生は、将冴の恋人なのよ。暴走状態の将冴を正気に戻すのは、クラリッサ先生が適任なのは明らかじゃない」

 

 

鈴の言葉に、一夏は黙りこくってしまう。

一夏自身、気づいていないわけじゃなかった。ただ、それでも将冴に助けてもらったことは何度もある。だから今度こそは……そう強く思っていたから、譲りたくなかった。

 

 

「一夏……確かに、私達でも将冴を助けられる可能性は少なからずあるとは思う。でも、私もここはクラリッサ先生に任せるべきだと思う」

 

「私もです。それに、一夏さんは私達にどうして納得できるのだと言いましたが……無理やり納得させているだけですわ」

 

「助けたい気持ちは、あんたと一緒よ。だから一夏、今は……」

 

「……ああ、わかった。みんな、我儘に付き合ってもらって、悪かった」

 

 

一夏もまた、箒達と同じように無理やりに納得させるしかなかった。だがそれでも、幾分かは気分が軽くなった気がしていた。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「ねぇ、ラウラー」

 

「ん……」

 

「いつまで僕に抱きついているの?」

 

 

シャルロットとラウラは自分たちの部屋にいた。

 

ラウラは不機嫌そうな顔でシャルロットに抱きついていた。昨日の夜からずっと。

 

 

「……明日の作戦開始まで」

 

「いや、それはちょっとやめて欲しいかな……」

 

 

ラウラがシャルロットにこんなにも甘えてくる……とは少し違うが、密着してくることは殆ど無かった。将冴にすら、ここまでのスキンシップは行っていなかった。

 

では、ラウラがこうなっているのはどうしてか。答えは一夏と同じような理由だった。

 

 

「兄さんを助けるのは、クラリッサ……それは十分理解している。納得もしている。だが……やはり……」

 

「どう言えばいいかわからないけど、なんだかモヤモヤする。そんな感じ?」

 

「……ああ」

 

「僕も同じだよ。昨日の話は納得している。それが最善の策なんだって。でもやっぱり、自分たちの手で助けたいよね」

 

「一夏達も、同じような感じだったみたいだ。だから、私はあの場では表に出さないようにした。でも……今はいいよな」

 

「……うん、いいよ。でも、一回離れてくれると嬉しいかな。トイレ行きたいから……」

 

「……私は気にしないぞ」

 

「僕が気にするの!!」

 

 

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「……決行は明日だ。束からのオーダー、よろしく頼む」

 

『わかってるわ。こっちも本気で行かなきゃいけないしね。やっと、ダイモンにひと泡吹かせることができるんだから』

 

「そうか……なぁ、スコール」

 

『どうしたの?』

 

「……人は、簡単に納得できないときはどうすればいい?」

 

『急に難しい話を振ってくるわね……納得できないときか……。無理やり抑え込む、納得できないもの全部をぶちまける、何かを殴って発散する……色々あるけど、これは自分で見つけた方がいいんじゃないかしら?』

 

「自分で……」

 

『ええ、あなたは考えられる。自分のやるべきことを自分で。だから、自分でそれを見つけてみて。それで、見つけたら私に教えて。オータムと一緒に、あなたの見つけたものを』

 

「……わかった」

 

『それじゃ、明日はよろしくね。必ず、将冴君を助けて、ダイモンの計画を壊してやりましょ』

 

「ああ」

 

 

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ーー

 

 

明日……明日か……

 

あいつが暴走したときは、何もできなかった。まぁ、今回もあいつに直接何かできるわけじゃねぇが……任せるしかねぇよな。クラリッサに。

 

はぁ……全部クラリッサに持ってかれちまうな。

 

私も、メンドクセェ奴に惚れたもんだ。

 

でもまぁ、これでよかったんだろうけどな。

 

 

「絶対に……あいつを取り返す」

 

 

たとえ、それが、あいつを直接助け出す役割じゃないとしても。




みんなが決意を固める。

みんなが心を一つにする。

それは奇跡を起こせるのか。
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