私に時間をぉ……
「はぁ……はぁ……」
「グルゥ……」
どれだけ戦ったか……将冴とこんなに戦うことになるとは、夢にも思わなかったな。
だが、戦うことが目的ではない。
「将冴……頼む。目を覚ましてくれ!私たちが戦う必要はないんだ!」
「ウグゥ……ガァァァァ!」
将冴はやはり聞いた事のない声で叫ぶ。ダメなのか……私では、将冴の目を覚ますことなど……。
『くらちゃん、余計なこと考えちゃダメだよ。今はしょーくんを』
「わかっています……でも、これ以上長引かせたら、他のみんなが……」
侵食がかなり広がっていると束さんが言っていた。もしISの侵食が完了してしまったら、みんなが……。
『また考えてる。くらちゃん、一回頭を空っぽにして。考えすぎないで、思ったままに行動するの』
「思ったまま……」
『そうだね……しょーくんにしたいこととか、そのままやってみたらいいんじゃない?』
「そんなアバウトな……」
だが……諦めるよりは建設的な選択かもしれない。
したいこと……
「なにやら騒がしいと思ったが、邪魔しに来たか」
「っ!?」
『面倒なのが来たね……ダイモン』
将冴の横に現れたのは、すべての元凶……ダイモン。
こいつのせいで……。
『本当に邪魔だね、ダイモン。できれば勝手に爆発四散して私の前に現れないで欲しいけど』
束さんがシュバルツェア・ツヴァイクを通してダイモンに話しかける。
「これはこれは、篠ノ之束ではないか。どうだ、この催しは。実に愉快だろう!」
『どこをどう見たら愉快と言えるの?頭腐ってるんじゃないの?実に不愉快だよ』
「君ならわかってくれると思っていたのだが、やはり君と私では平行線のようだ」
「ダイモン!よくも将冴!」
「クラリッサ・ハルフォーフ……あの時の攻撃で死んだと思っていたが、生きていたか。だが、今となっては何の障害でもない。貴様がなにをしても、柳川将冴を止めることはできない。貴様も薄々感じていたのではないか?」
「っ……」
「ここで無駄なことをするのはお勧めしない。貴様たちは、私が行うことを指をくわえて見ているがいいさ」
こいつは……この男は……どこまでも神経を逆なでしてくる。将冴が怒りを覚えるのもよくわかる。ああ、こいつを潰したくてしょうがない。
「そんなことはない……」
「なに?」
「私ら必ず将冴を助けると誓った。みんなに……私自身に。だから、お前の方こそ指をくわえて見ていろ!私が将冴を助け、お前の計画を潰すところを!」
「随分と大口を叩くものだ。ならばやってみろ。無駄だったと絶望するまでな!」
ダイモンはそう言い残し、私たちの前から消えた。ちっ、無駄な時間を取られたか……。
『くらちゃん、気にしちゃダメだよ。今はしょーくんに……』
「ええ……むしろ、ダイモンのおかげで火がつきました。将冴をを助ける方法……確信はありませんが試します」
それにはまず……あの時頭部装甲を引きはがさなければな……。
難産……
話はしっかり進めようとすると、寄り道したくなる。ううむ、難しいところ。