IS 〜偽りの腕に抱くもの〜【本編完結】   作:sha-yu

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今日は連続で投稿できたらしたいなぁと思ってます。日付跨ぐかもしれませんが……。

それはそうと、皆さんGER買いましたかね。作者はジーナと戯れています。


211話

 

「このぉ!!」

 

 

まだ使い慣れないスライプナーを将冴に向けて引き金を引いた。それと同時にレールカノンも放つと、将冴はビームサイズで軽々と受け流していく。

 

攻撃がこうも当たらないとは……これでは近づかないな。あまり時間もかけていられないというのに。

 

どうにか隙を作れないか……。

 

 

『くらちゃん、いっくんたちの侵食率がさらに上がってる。もう単一仕様能力や第3世代兵装は使えないかもしれない』

 

「私のISは大丈夫ですか?」

 

『なんとかね。私とくーちゃんで抵抗してるけど、それも時間の問題かも。くらちゃんが侵食されなくても、いっくんたちが侵食されればくらちゃんに攻撃してくる……一応対策はしてるけど……それもどこまで信用していいものか……』

 

「……わかりました」

 

 

やはり時間は残されていない。

なら、多少の犠牲を負ってでも将冴の懐に飛び込む!

 

 

「行くぞ、スライプナー」

 

 

スライプナーをサーフボードに変形させ飛び乗り、将冴に向けてまっすぐ発進させた。

 

 

「グゥ……!」

 

 

将冴はビームサイズを構え直し、同じように私に向かってくる。今の将冴ならそうすると思ったぞ!

 

私と将冴がぶつかるその瞬間、私はサーフボードの先端を掴んだ。

 

 

「上がれぇぇ!!」

 

 

力任せにボードを持ち上げる。ボードは将冴の前で壁のように隔たり、将冴の視界を一瞬奪う。

 

 

「グ!?」

 

「その隙を待っていた!」

 

 

ボードをそのまま上空に飛ばし、私は怯んだ将冴の頭を両手で掴んだ。

 

 

「その頭部装甲は、将冴には似合わない。剥がさせてもらうぞ!」

 

 

腕力へのアシストを最大にして、力を込めるとメキリと音を立ててスペシネフの顔にヒビが入る。その瞬間を狙い、頭部装甲を引き剥がした。

 

 

「ガァッ!?」

 

「ぐっ!?」

 

 

引き剥がした瞬間に、将冴が私を押しのけて距離をとった。てっきり攻撃してくると思っていたのだが……。

 

将冴は顔を手で左手で覆い隠した。今まで見たことない反応……見られたくないのか?

 

 

「フゥ……フゥ……」

 

「将冴……」

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

光が差した。

 

暖かい光。

 

光の先から声がする……さっきから聞こえる声。

 

手を伸ばせば、この光に……

 

 

《いいのか?》

 

 

違う声、誰の声……?

 

 

《その姿で外に出ていいのか?》

 

 

姿……?

 

僕の姿……

 

黒い……体が真っ黒……ダメだ。

 

こんな姿、見せられない。

 

 

《そうだ、お前はもう外には出られない。このまま、闇の中に溶けていくのだ……》

 

 

闇に……ダメ。見ないで。

 

僕が闇に溶けるところを……

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「ミ……ナイ……」

 

「っ!?将冴!意識が戻ったのか!」

 

 

今確かに言葉を……

 

 

「ミナ……ミル……ウグゥ……」

 

「将冴、わかるか!?私だ!」

 

『くらちゃん、しょーくんの感情値が少しだけ下がったよ!でも……バイタルが不安定になってる』

 

「まだスペシネフに介入は……」

 

『もっと感情値を下げないとダメだね。手はあるんだよね?』

 

「はい……成功するかはわかりませんが……」

 

 

こんな作戦を思いつく私は、自惚れているんだろうな……。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「うらぁ!」

 

 

一夏が敵ISに雪片二型を振るうが、敵ISはそれを軽々と避けてしまう。

 

 

「はぁ、はぁ……くそっ。なんで攻撃が当たんねぇんだよ!」

 

「気のせいと思いたいんだけど……ISの動きが悪くなってる気がする……」

 

「侵食率が進んできたせいだろう。ISを倒すのは考えるな。クラリッサが将冴を取り戻すまで落とされるな」

 

「そうは言うが、機動性まで制限された状態では長くは……」

 

 

機能が制限されれば、ISはただの重りになってしまう。戦うことはもちろん、このままで全員が海に落ちてしまう。

 

機能が全停止し、待機状態にすることができなくなれば、ISの重量で一緒に沈んでしまう。

 

 

「くそっ……だんだん雪片も重くなってきた」

 

「こっちはあんたのよりも重量あるのよ……真っ先に弱音吐かないでくれる?」

 

「武器もまともに使えない……万事休すか」

 

「そのようだな。レーダーに感あり。新たに2体追加だ」

 

「結局、最初の数に戻ったわね……もうこれ以上はどうにもならないわね。マドカの言う通り、落ちないように応戦するしか……」

 

 

鈴がそう呟いた瞬間、5体の敵ISのうち2体が突然攻撃を受けた。それで落ちることはなかったが、その攻撃は先ほどマドカがレーダーで確認した2体の方から攻撃がきたようだった。

 

 

「何……何が起こって」

 

「仲間割れ、というわけではないな……援軍か?」

 

「でも、そんな話は束さんも千冬姉もしてなかったはずだぜ」

 

 

その2体が一夏たちに近づいて来る。ようやく視認したその姿は、蜘蛛のような8本の脚があるISと、サソリのような尾を持つISだった。

 

その姿を見た4人の元に通信が届く。

 

 

「こちらアメリカ軍所属ジェニファー・キール」

 

「同じく、ステファニー・ローランド」

 

「これからあなた達の援護をするわ」

 

「ジェニファーにステファニーって、将冴の知り合いの!?」

 

「何故ここにいるんだ!?」

 

「話は後。今は敵性ISを片付けるわ。ステフ!」

 

「あいあい!ショウのお友達、ちょっと熱くなるかもしれないから気をつけてね」

 

 

ステファニーがそう言うと、ISについている尾の先端から大きな火球が作り出される。

 

 

「燃えちゃえ!ソリッド・フレア!」

 

 

放たれた火球は敵ISを3体飲み込むと、大きな音を立てて爆発した。

 

 

「熱っ!?ここまで熱が!」

 

「ステフ、やりすぎ」

 

「まぁまぁ、お詫びにジェニーもやりすぎていいから』

 

「はぁ、全く……その言葉、信じるからね!」

 

 

ジェニファーは8本の脚で敵ISに掴みかかる。

 

 

「ショウがお世話になったわね……コレがお返しよ」

 

 

至近距離で、8本の脚先にある砲門からレーザーが放たれ、ISの装甲に穴が空いた。

 

 

「ごめんなさいね、今機嫌が悪いの」

 

「ジェニー、まだ一体残ってるよ〜。あと増援も来るみたい」

 

「わかった。そこの4人、まだ動けるならギリギリまで戦って」

 

「2人とも……どうして……千冬姉が見送ったって」

 

「連絡をもらったのよ。リリン・プラジナーって人から」

 

「ショウを助けてってね。本当はもう少し早く来たかったんだけど、軍から許可がなかなか降りなくて」

 

「とにかく、詳しいことはあとでよ。さ、やるわよ」

 

 

マドカ以外の3人はキョトンとしながらも、自分を奮い立たせるように武器を構えた。

 

マドカは落ち着きを払いながらも、武器を構えてニヤリと口角を上げた。

 

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

 

「囲まれたわね……」

 

 

スコール達5人はダイモンオーブの大群に取り囲まれていた。侵食による機能不全。そこを物量で押され、このような状況に陥っていた。

 

 

「チッ……ISが動けばこんなの……」

 

「セシリアのBT兵器は使えない……私のAICも動かず、シャルロットのISはまともに動かないか……」

 

「ごめん、僕の機体は第2世代だから侵食の影響が強く出ているみたいで」

 

「謝ることではありませんわ。こう言ってはなんですが、私もBT兵器をなくしてしまったので、戦闘力かなり落ちています」

 

「スコール、どうするよ。こいつらが一斉に攻撃してきたら私たちは」

 

「……大丈夫よ」

 

 

やけに自信満々にスコールが言い放つと、オータム達は怪訝そうな表情を浮かべる。この状況で大丈夫と言い切れるなど、どう考えてもおかしいからだ。

 

 

「そんな顔しないでよ。ちゃんと根拠はあるんだから」

 

 

スコールはそう言うと、レーダーの情報をオータム達に送る。レーザーには、一体のIS反応があり、高速でこちらに向かってきていた。

 

 

「これは……敵ISか!?」

 

「いいえ、味方よ。心強い、ね」

 

 

スコールの言葉とともに、5人に通信が届いた。

 

 

『そこの5人、できるだけ伏せてね!』

 

 

次の瞬間、レーダーに大量の熱源反応が現れ、その熱源反応はダイモンオーブの反応を次々と消していった。

 

大量にいたオーブのうち三分の一が破壊されるのに数分とかからず、そこにできた穴から姿を現したのはラウラ、シャルロット、セシリアには見覚えのある……ありすぎるISだった。

 

 

「な、お前は!?」

 

「『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』……」

 

 

シルバーのフルスキン型の機体にエネルギーの翼を携えたその機体はまぎれもない、銀の福音だった。

 

 

「まさか、あれは一夏さんが……」

 

「そこのガールズ達。あなた達が驚くのは無理もないけど、あの時戦った福音(ゴスペル)はこんなに饒舌に喋ったかしら?」

 

「っ!?その声……まさか、ナターシャ・ファイルス!?」

 

「せいかーい!アメリカ軍所属、ナターシャ・ファイルス少尉。愛しのショウゴを助けるために来たわ!さ、広域殲滅型軍用ISの力見せてあげるわ!行くわよ、福音(ゴスペル)。将冴に助けられた借り、ここで返すわよ!」

 

『Yes,Natasha』




続きはなんとか今日中にあげます。
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